美しい山に囲まれたサンティアゴ・デ・チレ

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2022年の11月に(かなり前ですね)チリのサンティアゴに仕事で行ったんですが、飛行機の中からこうしてアンデスの山を越えていくルートにまず興奮して高まりました。北半球の冬は当然南半球では真夏なのですが、アンデスの山はかすかに雪をまとっていて綺麗です。初めてサンティアゴに到着してみて思ったんですが、当たり前の地形であるはずの山に囲まれた風景が、こんなこと言うと怒られるかもしれませんが、限りなく阿蘇の外輪山に囲まれている私の故郷の熊本市のように感じられてしまってものすごく親近感を感じました。チリの皆さんは日本のことを好きな方が多く、特に漫画やアニメなどの、私の時代はサブカルチャーと言われていたものがメインストリームになってグローバルに羽ばたいているのを強く感じます。チリの方に、「このアニメ知ってる?」と全く知らないタイトルのアニメを紹介されてちょっと勉強になって楽しかったです。

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そんなサンティアゴの中心にサンクリストバルと言う丘があるんですが、上の写真はそこにあるマリア様像のところから市内を撮影したもの。こうして見ると大都会ですよね。ぼんやり見ていると、実はある道路から半分は高級住宅地、あと半分は労働階級、と結構はっきり分かれているのが上から分かってしまったりもします。チリは南米では比較的安全な国として知られていると思うのですが、2019年の反政権デモくらいから、他の大国の流れのように国民が完全に2極化してしまって、やはりこういった格差社会が国民の不満を高めてしまっているのかなと、丘の上からのビジュアルだけでこの国の政治について憂う、という不思議な体験をしました。

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さて、私にとってチリでの初体験だった飲み物がこちら、Mote con huesillos(モテ・コン・ウェシージョ)。多分、麦(モテ)と桃(ウェシージョ)、みたいな意味だと思いますが、基本的にはものすごく強烈に甘いアイスティーのような飲み物を想像していただければいいのですが、実はティーは関係なくて、砂糖水+シナモンのような冷たいフレーバードリンクです。と思いきや、実は中にプチプチした大麦(麦チョコのあれ)が入っていて、白桃の缶詰感のあるドライピーチが堂々とした感じで入っているので結構びっくりします。サンティアゴでは夏(11月から2月くらい)の風物詩ということです。日本人的にはすごく甘くてびっくりしますが、よく考えると、タピオカティーのように歯ごたえや口の中での感触を楽しむ、と思えば同系列の飲み物で、納得な感じがしないでも無いです。子供達は喜んで飲んでいるようでした。

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あとチリらしいものといえばこちら、Pastel de Choclo(パステル・デ・チョクロ)という先住民が食べていたものとスペイン人の食文化が混ざった食べ物。チョクロはとうもろこし、ラテン語で考えるとパステル=パスタ、ケーキ、小麦で作ったもの、などの総称だと思うので、とうもろこしグラタン、的な名前だと思えば良さそうです。食感は確かにグラタンですが、これはかなり甘いです。砂糖甘いというよりはクリーム甘い感じ。いや、間違いなく砂糖もたっぷり入っていそうですが。このお皿の直径はだいたい20センチはあったので深さもあって全体的にはかなりの量です。私はこの時、周囲の人に分けながらも結局半分しか食べることができなかったので、お持ち帰りをお願いしたんですが、内心(私これをホテルに帰って、後で冷めた状態で食べるのだろうか)と不安な顔をしていたんでしょうね、察してくださった一緒にお仕事をした女性が、「もしくれるなら今夜の夫の食事に持って帰るわ」と言ってくださったので事なきを得ました。

ここ数年で途上国を卒業して晴れて高所得国の仲間入りをしたチリですが、街は綺麗だし、地形のおかげで南北いろいろな文化と風景と季節が楽しめるし、私にとっては特に仲良しの友人も数人いるし、初めて行ったのにすごく馴染んでしまえたように感じました。日本からもイタリアからも遠いところではありますが、また機会があればゆっくり行ってみたい、できれば仕事ではなく旅行で来てみたい、と思える国でした。

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