私のこと

こんにちは。武内真佐美です。現在国連食糧農業機関 (FAO)という機関の本部があるイタリアはローマで食品安全の分野で国連職員として仕事をしています。つい先日までは同じ組織のアジア太平洋地域事務所のあるタイのバンコク市に住んでいました。日本で管理栄養士として数年勤務した後、アメリカはワシントン州で学業および研究生活を9年間送りました。その流れで2005年にバンコクのカセサート大学でフィールド研究を行っていたんですが、その後転職して2006年2月からFAOに所属しています。ローマにそのまま2016年の12月末まで約11年ほど住み、その後バンコクに2017年1月より2020年の12月まで丸4年在住していました。パンデミックでその後日本で4ヶ月テレワークしたあと、2021年4月にまたローマに帰ってきました。ですので国移動の流れとしては日本→アメリカ(9年)→ タイ(半年)→イタリア(11年)→タイ(4年)→日本(4ヶ月)→イタリア(今ここ)となります。

食品科学および栄養学博士、管理栄養士です。専門は食品安全で、主に微生物由来のリスク分析や、技術革新による新しい分野の安全評価をメインに扱っています。国連の中にCodex Alimentarius(コーデックス)と呼ばれる国際食品規格をつくる組織があるのですが、そのコーデックスが科学的助言を必要とする時、私の所属するFAOと、世界保健機関(WHO)に要請がくるのでそのための専門家会議などを行うのも私たちのチームの仕事です。アジア太平洋地域事務所の仕事は担当している国の政府と直接お仕事をする機会が増え、仕事もセオリー通りに進むことの方が少ないという「現実」を突きつけられます。本部の仕事になると、いわゆる「ノーマティブ」と呼ばれる「規範」だったり「本来こうあるべき」というような内容の仕事をすることが多いので、それはそれで難しく、どちらにせよ日々、勉強、失敗、反省、改善、挑戦、そして小さな成功、また勉強、というサイクルを繰り返しています。

読む必要のない自己紹介

昔、ウェブ上に長い自己紹介を書いていて、見知らぬ方に「長くて読むのに疲れました」といわれた経験を踏まえてあらかじめ書いておきますが、ここから先は自己責任でどうぞ。まったく読む必要はなく、しかも長いです。本当に読みたい方だけ読んでくださいね。

私は熊本県熊本市で生まれました。熊本は愛すべき故郷です。第2の故郷は9年間過ごしたワシントン州プルマン市。視界の90%を空が占める美しい農業と大学の町です。景色を思い出す度に胸にぐっとくるなにかがある素敵なところです。第3の故郷は11年過ごし、また今戻ってきたローマになります。訪れる人には美しい永遠の都ですが住む人にはなかなかに試練の場所にもなり得ます。活気のあるローマの下町は夫のAさんの故郷である大阪のイメージです。日本にいるときはAさんの住むつくば市がホームだし、4年住んだバンコク市もどちらも快適な町です。二つとも間違いなく私の愛すべき第4、5の故郷となることでしょう。

私がバンコクで気に入っていたのはぼんやりチャオプラヤ川を眺めて過ごす時間でした。職場が川沿いにあって、休憩でもランチでも川沿いのカフェテリアを使えることも大きいのですが、チャオプラヤ沿いには、5つ星のきれいなホテルが立ち並んでいるので両岸でいろいろなカフェやテラスバーが試せるのが素敵です。時間があるときに好きな本を持って出かけて行って、のんびり時間を過ごしていましたが、本を読んでいる時間より川を眺めている時間の方が多くなることもよくありました。バンコクでいただく様々なタイ料理も大好きです。毎日とびきり辛いチリを食べているうちにチリなしのお料理にちょっと違和感を感じるほどになってしまったので重症ですね。自分でも作ってたべるのがヤムと呼ばれるタイの伝統的なサラダ。甘く、辛く、酸味も塩味もあり、香辛料もハーブもたくさんはいっている素晴らしい味のオーケストラです。特に好きなのはポメロ(グレープフルーツ)やグリーンパパイアのヤム。後者はソムタムですね。

ローマでは週に1度ローマ市内をランニングしたり、友人と3時間から5時間テベレ川沿いをウォーキングしたりするのが気に入っています。ちょっとしたメルカートで新鮮な食材を買ったり、ちょっと目に入った観光名所や遺跡で新しい発見をしたりするのも心がちょっとウキっとするきっかけになります。食べ物ではローマならではのお食事が結構下町料理であることが多いので、お洒落なレストランに出会うことはあまりないのですが、友達に紹介してもらったりする素敵なレストランやバールに出会うと嬉しい気持ちになります。下町料理で特に好きなのはユダヤ風のカルチョーフィ(アーティチョーク)。いくらでも食べることができてしまうくらい好きです。あとは冬にファーストフードのようにいただくバカラ(鱈)のフリッティ(揚げ物、天ぷらのような感じ)。ハフハフ言いながら店の前で立って食べるのも楽しいです。イタリアは長く続いているレストランを選びさえすればハズレがないのが最高ですね。また、2018年にオリーブオイルのソムリエの資格をとったのでいろんなオリーブオイルを大量に使いながら良いお料理とのマリアージュを探すのも好きになりました。

他に趣味はと言われるとたくさんあるようで全然ないようで、ちょっと困るのですが、床に座り込んでくだらない本を読むのが何より好きです。とはいえそんなにペースが早いわけではなく、月にだいたい平均で日本語のものを5冊程度、英語のものを3冊程度読みます。雑誌も大好きで月に1、2冊は買っています。とはいえ最初から床に座り込んで読み始めるわけではなく、最初はお茶なんていれて優雅を気取ってソファに座って本を開くのですが、本の世界に入りはじめると周りのことがまったく見えなくなり、いつの間にか真っ暗になった部屋の中で、最終的には明かりを求めて無意識に窓辺に移動して床に座り込む結果になっているようです。本を読み終わるとだいたい窓に寄りかかって床に座り込んでいる自分を発見して毎回のことなのに愕然とします。本を読んでいるときは完全に意識がトリップしていて家族の呼びかけになかなか答えないといったちょっと面倒な感じになるようです(反省)。大量の蔵書で各方面にご迷惑をおかけしているので、電子書籍の時代が来てくれたことが心の底からありがたいです。英語の本はKindleアプリで、日本語の本はKinoppyアプリで、他にもiBookなどいろいろ使ってなるべくクラウドにおいておけるようにしています。

栄養学や食品安全が専門ではあるのですが、実は料理はそんなに上手じゃないし、あんまり安全とは言いがたい食べ物(お刺身、卵かけご飯、タイの屋台ごはんなどなど)も大好きです。プロバイオティックスに科学的根拠がつけられないこと(要素が多すぎて紐付けが困難なのです)がとても悔しく、自分だけでも実行してやる、と多数の発酵食品を食べることにしたら、結果的にプロバイオティックスなんてどうでもよくなり、ただただ様々な発酵食品の味をひたすら愛しています。ちなみに茨城に住む夫のAさんのおかげでたくさんの水戸納豆を食べることができて嬉しいです。

下手の横好きでテニスが大好きで、バンコクでは週に1、2回レッスンを受けていました。ラケットはバボラのピュアドライブライト(2021年5月現在)を使っています。ローマに戻ってきてからはテニスの機会がなかなかないのが悲しいです。アカデミーのアダルトクラスを取ったりすることも可能なんだと思いますが、私が住んでいるローマ南部にはテニスレッスンをやっているところが少なく、なかなか一歩を踏み出せないでいます。

あとは出張が多いので飛行機の中でよく映画を観ます。そしてすごく影響を受けます。2006年にローマに引っ越してから本格的に始めた将棋も好きで、週に数時間、時にはトータルで10時間以上もネット将棋をやっているという不健康状態もあります。昔は将棋が好きだなんて恥ずかしくて人に言えなかったのですが、いまや若い棋士の台頭とブームでマイナーな趣味じゃなくなってきたのでこうして堂々といえるようになってきました。

音楽は聴くほうでは特に何が好きということもないのですが私のプレイリストをみると「以前大流行した曲」「現在すごく流行っている曲」で占められています。邦楽も洋楽も70-90年代の歌謡曲が大好きです。弾く方では、人様の前でお見せ出来るレベルではありませんが、ピアノとギターを年月をかけて練習した事があります。そして新たに2017年末からウクレレを練習しはじめました。老後のアルツハイマー防止です。これはあながち冗談ではなく本気です。いや、本気っぽい冗談というべきか。今時(これは2018年ごろ書きました)の言葉に似せて言うと、本気寄りの本気というやつです。

嫌いなものは、自分でも何故かよくわからないのですが、チョウチョです。一匹だと気にならないのに2匹以上ひらひらひらひらと飛んでいるとゾワっとします。何なんでしょうか。あとは「移動手段」としての徒歩が非常に苦手です。のんびりお散歩とかウィンドウショッピングとかキャンプでトレッキングとかだと何時間歩いても平気なのに、地点Aから地点Bまで移動するときに30分以上歩く、となると心の中で「えーーー」と思います。大人なので我慢して歩きますけどね。30分以内だとそうでもないので時間は関係ありそうです。田舎生まれだとこういう人は多いらしいと聞いたことがありますが、それを理由にすると熊本市の同胞に呆れられそうなので、結論としては、まあつまり単なる面倒くさがりだということですね。なんと、何をきっかけにしたのかよく分かりませんが、2021年ごろから歩くのが好きになってしまいました。同じ年に、18歳の頃からほぼ毎日運転していた自分の車というものを手放し、自転車と徒歩の生活になりました。地点Aから地点Bまで歩いて移動するのもなぜか好きになってしまいました。なんの心境の変化なんでしょうか。歳とったから?

使っているデバイスについてご質問を受けることも多いのですが2024年4月現在個人的に使っているのはMacBook Air (M2 2022)、iPad Air (M1 5th G)、iPhone 14 Pro Max、AppleWatch (series 8, 41mm)です。自宅にはiMac 24in (M1 2021)がテレワーク用に鎮座しています。初めての自分のコンピュータはアップルのLC630で1995年に購入しました。それ以来ずっとアップルです。良い時代も悪い時代も(今はアップルにとっては良い時代ですね)。職場ではHPのラップトップをドックに挿して使っています。

以上、よく受けるご質問と、皆さん知りたいかな?と思われる情報(生年とか出身地とか)をオブラートに包んだり包まなかったりして書いておきました。ほかにも知りたいことがあれば何でも聞いてくださいね。何でも答えるかどうかは保証できませんが、なるべく努力します。