バリ山行(2024、松永K三蔵)をキノッピーで先週末に読みました。タイトルの期待と少し違って、内容は会社6割、山4割といった感じで話が進んでいきます。一人称の「私」である波多さんは山はほぼ初心者というところから話が始まるのでそれはまぁ相当のことなのでしょう。私の世代だと転職というものはやっと少しずつ珍しくなくなってきた感じなんですが、波多さんが結果的に言って意外とスルっと身軽に転職しているところを見ると私の世代よりちょっとだけ若いのかなと思います。会社には年上の皆さんが多いことから、これは昭和な会社人間との世代感覚の違いをちょっと見る感じなのかと思ってちょっとワクワクして社内の和やかだったりバチバチだったり不穏だったりする雰囲気の流れを読んでいたのですが、書いてある部分よりそれ以上に、世代間での会社感というものは大きく違うなぁと思わざるを得ない部分がいくつかありました。著者さんの感覚は私に近いのかもしれませんがやっぱりちょっと若い感じがしてしまう。どちらが正しいとか正しくないとかそういうことではなく、ぼんやり境界のあるようでないような重なり合った部分があるのにやっぱり全体が違う、という感じ。そしてこれは関係ありませんが、英語で片思いのことをクラッシュ(I have a crush on himみたいな使い方で)と言ったりしますが、これって全体的に完全に波多さんのメガクラッシュのお話ですよね。
Continue reading “バリ山行”ブリティッシュ・ユーモアとストーンヘンジ
わざわざ極寒の2月に行くこともないだろうに、とスコットランドの友人に言われつつもイギリスに週末に一人で旅行に行った時のことを書き留めておきます。写真でわかるようにストーンヘンジにどうしても行きたかったのです。寒そうに真ん中に後ろ姿で立っているのが私。この時は帰る時間だったのですが最後にどうしても心残りで、このストーンヘンジのガイドツアーで知り合ったアメリカ人の女の子Sに撮ってもらいました。本来はストーンヘンジはこんなに近づけないのですが、このツアーは開園時間前に入ることができて、こうして石の間にも入ることができるものです。せっかくここまで行くならそういうツアーが絶対いいと思うので興味がある方はぜひ探してみてください。色々なツアー会社があると思いますが私はEnglish HeritageのサイトからStone Circle Experienceというのを選びました。
Continue reading “ブリティッシュ・ユーモアとストーンヘンジ”ドゥバイで私も考える
先週はドゥバイで会議でした。上の写真はドゥバイ未来博物館。将来の食糧保障を考える上で、世界の国々はそれぞれの立場で様々な困難を抱えていると思いますが、中東はそんな意味でも特殊な位置にいるといえます。化石燃料資源に恵まれていてリッチで先進的なイメージのあるドゥバイですが、貧しい漁村だった1966年に石油が発見されてから国がお金持ちになるまでがものすごく短かったため、経済的な成長と国の能力的な成長に差が出てしまっていて、お金はあるけれど(能力のある)人がいません、という状況になりやすいのです。これは近隣のアラブの国々でも同じではあるんですが、資源があるところとないところでは貧富の差が激しすぎます。そして砂漠の多い地域では気候変動の問題が日本やヨーロッパにいる私なんかが感じるよりもずっと深刻で身近です。毎年のように最高気温の記録が上がっていて一般の人でも日々そこはかとない恐怖を感じるそうです。しかも肥沃な土地が少ないため農業が発展しているとは言い難い上に、リッチであるがために農業に従事しようという人は少なく、自給率はたったの17%で、日本よりもその低さは深刻です。それなのに地政学的には世界の中でも不安定な国々が地域に集まっていて、食糧危機に備えるために必須である地域内での多国間の協調や共同活動が難しすぎるわけです。これでもうすでに泣き面に蜂状態なのにさらに、土地柄水不足が常態化していて、しかもドゥバイでは先日の2年分の雷雨での大洪水に見舞われるわけですから一体何をどうすればいいのか、そこから手をつければいいのか、という政府の人々も少なくないです。国連のプロジェクトだと、途上国では「もうすこしお金があれば」というような状況もよくあるのですが、ここでは「お金はあるのに」という話し合いになるのがかなり特殊です。
Continue reading “ドゥバイで私も考える”「エジプト前」から「エジプト後」へ
2023年9月に休暇をとってAさんと二人でエジプト旅行に行ってきたんですが、私たちはこの旅行で二人揃ってビフォーエジプト(B.E.)からアフターエジプト(A.E.)へと歴史的バージョンアップをしてしまいました。というのはちょっと大袈裟ですけれども、それくらい衝撃的な旅行になったということです。上の写真はギザのピラミッドが綺麗に見える丘から撮ったものです。パノラミックポイント、といえばほとんどのガイドさんがここに連れて行ってくれると思います。ここの近くにはNine Pyramids Loungeというレストラン・バーラウンジがあって予約をとっていけばこの景色を見ながら食事や飲み物を楽しめるということでした。私たちは行きませんでしたが、エジプトのお食事はどこに行っても全体的に普通に楽しめたし、特にAさんは好みのタイプの食べ物がたくさんあったしということで今度行くことがあれば行ってみたいと思いました。
Continue reading “「エジプト前」から「エジプト後」へ”私の平日のローマ
日本は連休中ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。私は5月半ばまで出張がないので久しぶりにゆっくりとローマを堪能しています。以前にも書きましたが、イタリアといえばピッツァ、時々平日の夜に同僚や友人と一緒に食べに行くことがあります。先週の木曜日は職場の近くのNuma al Circoというところでプロヴァンスに住むフランス人の友人、カメルーン人の同僚、インド人のコンサルタント、ベニン人のインターンの人と5人でハッピーアワーでピッツァをいただきました。そしてその前の週には日本人の友人のOさんとEmmaというピッツェリアに行きました。実はOさんと私はここには二人で結構通ってしまっているんですね。先週はアンチョビがのったブッファラ(水牛モッツァレラ)マルゲリータをいただきましたが、写真は結構前の写真で冷製ブッファラのマルゲリータを頼んだ時のものですね。シンプルにマルゲリータ&ブッファラピッツァも美味しいです。写真の時にOさんが頼んだのはホワイトピッツァ(ピッツァビアンカ)にプロシュート(生ハム)のようですね。ちなみに前も書いたかもしれませんが、イタリア人にとってピッツァのお供の飲み物は基本的にはビールかコカコーラです。ワインを飲んでもいいんでしょうけれど、そんな人がグループにいると私のイタリア人の友人はほぼ全員「え、ワイン?」と怪訝な顔をします。イタリア人はこういった細かい食のルールにまあまあうるさくて時々笑えます。
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