厳選ローマの旅

Il Colosseo
Full album is available at My Nipote in Rome Nov 2016 | Flickr

私がローマを離れる1ヶ月前の2016年の11月に、東京に住む姉が私の愛する姪を連れてローマに遊びに来てくれたんですね。とにかく弾丸な予定だった二人のために、私の愛するローマを楽しんでほしいと思って、なるべく私好みのポイントを中心に、でも大事な観光ポイントを外さないように、と頑張ったところ、今は中学1年生になった姪っ子が今もまだこの旅行のことをしっかり覚えていてくれるというので感動です。でも逆に私が忘れないようにしようと思ってここに旅程を書き記しておきたいと思います。

日程としては2016年の11月22日の火曜日のお昼過ぎに成田を出て、時差の関係でその日の夜にローマに到着し、11月26日の土曜日の午後3時の便でローマを出て翌日27日の日曜日の昼に東京に帰り着くという、実質ローマ滞在3日半という本物の弾丸です。一応希望を聞いておこうと思ったら、姪っ子はまだ小学4年生なので難しいのは抜きで、美味しいもの中心で、という素晴らしいご要望だったのでお迎えするこっちがウキウキとなりました。

アリタリアの直航便に乗ると12-13時間ほどでローマのフィウミチーノ空港(レオナルドダヴィンチ空港とも言いますが、地元の人はそれじゃわからないのでフィウミチーノ、と覚えましょう)に到着します。姉と姪は夜19時の到着だったので仕事が終わってすぐに空港に車でお迎えに行きました。そして空港線をぶっ飛ばして30分程度でコロッセオへ。夜のコロッセオは当時はデザインブランドのトッズが修復とライトアップをやっていて、「コロッセオアルノッテ(夜のコロシアム)」として美しかったのです。でも多分いつ行っても綺麗なはず。その時は女性3人なので車からは降りずに車窓からローマの美しい夜の街並みを見学ということになりました。歴史地区のサンタマリアマジョーレ大聖堂などもくるくるとまわりました。そして南のオスティエンゼ通りにある私が当時超お気に入りだったジェラテリア(アイスクリーム屋さん)のラ•ロマーナへ。当時ハマっていたダークチョコ(チョッコラートフォンダンテ)とラズベリー(ランポーネ)のコンビネーションを食べた記憶があります。本当に死ぬほど美味しいです。イタリア人はそれぞれ「僕の/私のジェラテリア」というものを持っていて、全部笑えるほど違うので、結局どれが確実にナンバーワンかはよく分からないのですが、もし私に聞いてくださるならラ•ロマーナです。でもちゃんと私にも2位3位があります。その日は二人とも長時間のフライトで疲れているはずなのでここでおうちにお連れして就寝。

翌日はミシュランで有名なアロマレストラン(多分A Romaにかけてあるとおもいます、イタリア語でA Romaは英語だとIn Romeで「ローマにて」という意味)で完全にイタリアンな素敵朝食。そして目の前の景色がこちらです。ミシュランも注目するはずでしょ?

Breakfast

そこから予め買っておいたチケットを持って歩いてコロッセオへ。それが冒頭の写真です。コロッセオを堪能し、コロッセオキーホルダーやコロッセオピアスを爆買いしてフォロ・ロマーノへ。チケットに代金は含まれています。そして車で移動してテベレ川沿いのみちに車を停めてから、歩いてあの美しい天使の橋を渡ってサンタンジェロ城へ。ここでバールの横にセットしてある席に座ってランチです。バールのランチなので特筆すべき料理はなく、一般的なタヴォラカルダ(ファーストフード)のパニーノやラヴィオリ、リゾットなどの作り置き料理にはなってしまうんですが、目の前の景色がこれですからね。

Castel Sant'Angelo

そうです。目の前はバチカン市国のサン・ピエトロ寺院がどーん!なのです。こうやってランチをいただくと、ペローニのビールだってバール作り置きのランチだって、なんでも美味しく感じられるので最高です。このバール、結構混んでいるのですが、座ると割高になるためかあまりテーブル席は人気がないのでいつ行っても空いていて良い感じです。でもいつものことなのですが私たちが座ると、そこに来た人が「いいな」と思うのかなんなのか、突然みんな席に座りたがり始めるのでそれも面白いです。そして空腹を満たした後、サンタンジェロ城を散策しました。姪っ子はこういうのが大好きなのでお城中を走り回って屋上も地下も探検しまくっていました。

その後歩いてバチカンへ。チケットは前もって買っておいたのでスルッと美術館にも入れます。バチカン美術館は時期にもよりますが、午後がおすすめです。午前中に行くとものすごい行列に並ぶことになります。16時くらいまでなので、14時くらいがベストな気がする。私のお気に入りは松の実のオブジェがある中庭ですが、姪っ子は地図の間が好みだったようでした。

Vatican

そして私たち姉妹はどんな売店でもそうなのですが、バチカン美術館の売店でも意味なくエキサイト。ロザリオをかたっぱしから見て回ってどの色合いが好みだのなんだの言い合って安いのでばら撒き用に買いました。ちなみに、バチカン美術館の豪華な展示品のことを考えると、あの売店の品揃えははっきりいってショボいとしか言いようがありません。バチカンさんもうちょっと頑張ってほしいです。特筆すべきはバチカン限定のフェラガモのスカーフとネクタイ、ロザリオ、そしてポストカードです。あとはうーん、という感じですね。ポストカードはマストです。なぜならこのあとバチカンの郵便局に行くから。素敵な切手を買って、カードを自分宛に書いたら、可愛い黄色いバチカンのポストに投函する記念写真を撮ります。かなり「映え」ます。

そこから今度はテベレ川をローマ歴史地区に向かって戻ってきて、歩いてまずは私の大好きなキオストロ・デル・ブラマンテ(ブラマンテ回廊)へ。ここ本当に好きです。そこからすぐナヴォーナ広場へ。広場を満喫して歩いて回って疲れたら、エウスタキオのコーヒー屋さん(サンテウスタキオ・イル・カッフェ)へ。

Cafe Sant'Eustachio

ここのコーヒーは完全に管理されたコーヒーでお砂糖も何もかもバリスタさんが調整してくれます。クリーミーな、ローマらしくないマイルドなエスプレッソが飲めるので本当に夜のコーヒーとしては最高です。ここはコーヒー系のお土産も充実していて、バッチョ(キス)という名前がついたコーヒーケーキ的なおやつが美味しいです。エコバッグも可愛く、姉は大量買していました。姪っ子はここでココアを飲んでいて幸せそうでした。そのあとゆっくり歩いてパンテオンへ。ラファエロのお墓にお参りしたり、穴のあいた天井を何度も見て、なぜこれがコンピュータのない時代に可能だったのか3人で仮説を披露しあい、そのばかばかしさに大笑いしながら夜を過ごしたのでした。夜は私の家の前にあるイータリーのスーパーでフレッシュモツァレラを購入して、我が家でカプレーゼサラダとスープとスコーンの簡易夜食となったのでした。日本からヨーロッパに来ると、なんというか気持ちが満腹になってしまって夕ご飯スキップしがちですよね。

さあ翌日はまたもや早起きです。というのも私がどうしても夜明けのカンピドーリオを見せたいからなのです。ローマ7つの丘の一つ、カピトリーノの丘にあるのですが、このカンピドーリオ広場がとにかく衝撃的にメモラブルなのです。まずその美しさ。ミケランジェロの大作であるこの広場ですが幾何学的な模様かとおもいきや曲線もあって目の錯覚でこの広場の中心から宮殿に向かうとどんどん広場が広がる感覚があります。

Piazza del Campidoglio

姪っ子はこの広場のデザインブロックを必死で数えて、最終的には覚えてしまっていました。下の写真の左上の絵が後で姪っ子が描いたカンピドーリオ広場。模様は適当ではなく天才的にミケランジェロのそれにバッチリ合っています。思い出をこうして食事のテーブルに描き込む、愛おしい姪っ子。

Trastevere

ちなみにその広場の中心にはマルクスアウレリアス帝の乗った騎馬像があるんですが、その足元に丸印がついています。それがつまりザ・ローマの中心。朝早く行かないとこの広場の全体像や、このローマの中心である感覚がなかなか分からないので、朝の6時半の薄暗い時間にここにきたのでした。そしてそこからバルベリーニの駐車場に車を停めて、トレビの泉へ。朝の8時半前だったのでまだ誰もいなくてゆっくりとコインを投げ入れることができました。お掃除中だったのと、その日のサッカーの試合のせいで破壊行為から守るために(非常にイタリア的!)その日はこうしてフェンスがしてありましたが。

Fontana di Trevi

そこから二人は地下鉄デビューをしてスパーニャ駅まで行きました。当然スペイン広場を見るためです。今はスペイン広場で座ったり時間を過ごしたりするのが禁止だそうですが、この時はまだセーフで3人ではしゃぎながらいろんなポーズでオードリーの真似をしながら写真撮影しました。

PIazza Spagna

そこで9時半を過ぎたし、お腹も空いたしで3人ではしゃぎつつもスペイン広場目の前のコンドッティ通りの有名すぎるカフェ・グレコで豪華朝食をいただきました。超高価なフレッシュオレンジジュース(スプレムータ)が最高すぎます。そしてコルソ通りをショッピングしながらひたすら北上するとポポロ広場に到着です。ここから階段の段数を数えながらピンチョの丘に登ってポポロ広場を上から見たり、近くの教会でカラヴァッジョを見たり。かなり遊んだあとホテル・デ・ルッシー(ロシアホテル)の中庭でランチ。ここのパニーノは最高です。私はステーキサンドが本当に好み。カクテルやワインや紅茶までもとても良いセレクションなのでリュクスなランチがしたい時はここです。こんなローマの中心の人混みの中にあるホテルなのに、中庭がすごく広くて豪華で騒音もなくて素敵なのです。

そこからボルゲーゼへ。美術館は難しいから姪っ子はちょっと分からないかなとは思ったけれど、やっぱりどうしてもガレリア・ボルゲーゼ(ボルゲーゼ美術館)はローマ観光からは外せないのです。完全予約制なので確実にゆっくりゆったり鑑賞できるし、とにかく建物自体が素敵だし、今回のテーマであったカラヴァッジョもたくさんあるし、バチカンで見まくったベルニーニの彫刻も盛り沢山で「素敵」としか言いようがありません。

Borghese

美術鑑賞の後は広いボルゲーゼ公園で観光用の幌付き自転車を借りて3人でせっせとペダルを踏むのですが、途中で気づいたのが実際にこの大きな乗り物を動かすペダルを踏んでいるのは姉のみという衝撃の事実。姉は細いのですが運動神経がよくあっという間に3人をスイスイと運んでいくので頼もしかったです。喉が乾いたので公園の片隅になるお洒落カフェでお茶もいただきました。その日は本当に早朝から色々とやったので早めにおうちに帰ってバタンキューだったのでした。

翌朝はちょっと遅めで、姪っ子のたっての希望で私の職場へ。私の職場のあるアヴェンティーノ大通りにあるカサ・マンフレディ(マンフレディ家)というバールでカプチーノとコルネットとスプレムータの完璧イタリアン朝食(コラッツィオーネ)をいただいた後、職場の屋上のカフェテリアで国連の旗と一緒に記念写真を撮ったり国際会議が行われるお部屋をちょっと覗いたり。持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)に興味津々な可愛い姪っ子ちゃん。中学受験に出る感じだったんでしょうか。

FAO

そして車で移動してユダヤ地区のサンタマリア・イン・コスメディン教会で例のアレですね、ボッカ・デッラ・ヴェリタ、つまり真実の口。朝なので誰もいなくて口に手を突っ込み放題でまたもや3人でキャーキャーとはしゃぎながら写真撮影大会でした。

Bocca della Verità

そして例外なく売店でもエキサイトしました。その後トラステヴェレにあるヴィラ・ファルネシアというラファエロの作品がこれ以上ないというほどたくさんある邸宅美術館的なところへ。そこはあまり観光客もいないし、庭園のデザインも素朴で好きなのです。

Villa Farnesina

そして私の親友のDとその息子ちゃん達と待ち合わせをしてトラットリア・ダ・アウグスト(Piazza de’ Renziで検索してみてください)で超ローマンな昼食でした。今はなんでも食べる姪っ子も当時はちょっと食べず嫌いのものが多かったので多少心配していたのですが、そのレストランでは何もかもぺろりと食べていたのが印象的です。アマトリチャーナのリガトーニ、本当にここのレストランで食べるとシンプルを極めるとはこういうことか、と感激するほど美味しいのです。下は私の親友Dの息子ちゃんと一緒にトラステヴェレを歩く姪っ子。

Trastevere

そこからしばらくトラステヴェレを散策した後、今度はアヴェンティーノの丘に戻ってきて私の好きなオレンジ公園(Giardino d’Aranci)へ。ここからはテベレ川越しにバチカンが見えるのですが、こういうフレームが公園の入り口にあるため目の錯覚でサンピエトロ大聖堂が巨大に見えるのです。人々が集まっているテラスまで行くと普通サイズに戻るので不思議です。

Giardino degli Aranci

このオレンジ公園の近くにはマルタ騎士団の鍵穴、というもはや秘密でもなんでもない観光ポイントや、ベネディクト教会の聖アンセルモ修道院があったりするのでその修道士達が作る香水や石鹸、ミルト(ブルーベリーのお酒)、クッキー、オリーブオイル、チョコレートなどがお土産におすすめです。ここでも静かに売店ではしゃぐことができます。その日もはしゃぎつかれて私たちは家に帰ってすぐ眠りについたのでした。

さて翌日は帰国の日だったのですが、フライトは午後3時なので午前中だけでも遊べるはず、ということで朝から家でビスコッティとカプチーノとオレンジジュースとヨーグルトで朝食をいただいた後、予約しておいたコロンナ宮殿へ。ここはオードリーがローマの休日で最後に「…ローマです!」と高らかに言った場所。大理石ピカピカでとても素敵なところです。それから車で大急ぎでトラヤヌスの市場へ。ここは私がローマで一番好きな遺跡なのですが、コロッセオとフォロ・ロマーノの近くにあるためちょっと軽視されがちで、私たちも初日に行こうと思えば行けたのですが、やっぱり私にとって特別なのでコロッセオやフォロ・ロマーノの思い出に埋れさせては行けないと思って最終日に持ってきました。中に入る時間はなかったのですが外から、それもヴィットリアーノの外の階段から見るととても素敵なのでそこから鑑賞。

Mercati di Traiano

そして車で急いでジャンニコロの丘へ。ここはローマの街を一望できるだけでなく、正午の大砲がなるので子供に人気なのです。正午に間に合うようにそこへ行き、砲台のカラビニエーリのお姉さんと一緒に姪っ子も写真を撮らせてもらいました。良い記念になったようです。大砲は結構な音がするので何度聞いてもびっくりするのですが、これが昔はローマ中に響いていたかと思うと不思議な気持ちです。

そしてここでこの3日半の大急ぎな厳選旅行も時間切れ。このまま車でフィウミチーノ空港まで二人を無事に送り届けました。私の好きなローマのポイントを30箇所ほどリストにした後、ルートを作りながら泣く泣くいくつかのお気に入りの場所を外さなければ行けなかったのですが、これは3日半にしては上等だったと今でも思うので書き残しておきたかったのでした。大急ぎでローマに行くよ、という方、是非。最後に姪っ子が出し忘れたコロッセオのポストカードを職場の青いポストから出してこの短かったけど楽しかった姉と姪との日々にサヨナラしたのでした。

From Rome (da Roma)

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