2013年に、「デキる」見た目は重要か。と題して雑誌の引用に終始しただけの大したことないことについてつらつらと書いたんですが、その時に「特集ではもうひとつかなり私の興味を引くものがあったのですが、それはまた是非次回に紹介しようと思います。」と書いたのに2年近くもほったらかしにしてしまったことに気づいて、慌てて続編を書いています。それはデジタルIDについて。雑誌の記事では「認めましょうよ、同僚をグーグルしたくなったことあるでしょう?でも、忘れないで、彼らもあなたに対して同じように思っています。」という出だしで始まり、SNSのリンクドインの中の人が、「バーチャル印象」について語っています。以下雑誌記事の意訳(多少説明を付け加えたりしてます)です。
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また想い出シリーズですが、7月に中国は上海に行ってきたことをここにもチラっと書きましたが、そこまで詳しく書いていなかったので、記録しておこうと思います。写真は観光客も上海ローカルっ子もみんな大好き南翔饅頭店(ナンシャンマントウディエン)の小籠包。細く切った生姜とお酢につけていただきます。今まで全くその一般的な食べ方を知らなかったので今回ローカルっ子のLくんにしっかり教えてもらえて良かった。たしか六本木に東京店があるこのお店(日本って本当になんでもありますよね)、上海では超有名店なのでお持ち帰りは大行列ですが、お店で食べる分にはわりとスルスルっと入れます。お店がある場所自体がかなりの観光地(上海老街)なので人々をかき分けて入る感じもあります。上海っ子にとって点心(ディエンシン)は朝食かスナック的な位置づけ。午後3時から夕食前くらいの間に食べる人々が多く、基本的には夕食時に食べるものではないそうです。でもこんなの夕食の前に食べちゃったら美味しすぎてパクパクいってしまって夕食いらなくなっちゃいますよね。
ところで、誤解を恐れずに書きますが、私は中国が好きです。私をよく知っている人は私から常に語られてしまうので、これは内輪では「またきた!」と思われるトピックだったりするんですが、それも「かなり」好きです。私だって政治的その他でいろいろと問題があるのは承知の上です。それを全部考え合わせた上で、やっぱり魅力的な国だと思ってしまうんです。魅力的、というとなんだか違う感じもしますが、一番近い表現は「気になる」国とか「つい釘付けになってしまう」国だとかそういう感じでしょうか。
「こうあるべき」の怖さ
出張もちょっと落ち着き(といっても今週もまた金曜日から出張ですが)、ローマで毎日せっせと地味に仕事しています。今日はちょっといろいろと考えさせられたことを書きとめておこうと思って書いています。というのも、これから書くことに私個人の結論が出ていないので、もうちょっと時間が経ったときに自分はどう考えるのか非常に気になったので。
以前に何度も書きましたが、国際機関で働く私の環境は良い風に言えば「国際的」で逆に言うと「価値観バラバラ」です。価値観がバラバラというのは、別に良いことでもなく悪いことでもありません。価値観がみんな同じ、というのがよくも悪くもないのと同じです。昔は同じような環境で生活してきた人というのは同じような価値観を持つものなのかなという意味で、同じ文化圏の人、例えば日本人同士などだと価値観は近づくものかなぁと思っていました。でも多分そんなことはないですね。まったく違う宗教、文化、生活環境、趣味、などなどであっても、価値観が近いという人はいるものです。そして同じ宗教、文化、生活環境であっても価値観が違う人はいると思います。たとえば家族など。私はたまたま私の姉が大好きなので仲良くしたいのでベッタリですが、価値観が同じかどうかと言われるとうーん、という感じです。どちらかというと、姉のことが好き過ぎて、私が姉の価値観に追従するので同じような価値観になっているという状態だと思われます。兄弟姉妹で価値観が全然違うという人々もたくさんいることでしょう。
また当たり前のことを書きますが、「仲良し」というのが価値観が同じということではないのは当然ですよね。私にはローマには本当に頻繁に会う仲の良い友人が3人いて、イタリア人のA、ルクセンブルグ人のC、リトアニア人のDなんですが、みんなの価値観が同じとは到底思えません。でも3人とも本当に個別にですが仲良くしてくれていつどんなに長い時間を一緒に過ごしても全く飽きることなくずーっとおしゃべりできる友人です。で、価値観が違うのになぜ仲良くできるか。それは相手を尊敬・尊重しているのと同時にその相手のことが多分好きだからですね。好きだと相手がどんなに違う人生を送っていても、どんな考えを持っていても、おおらかな気持ちで「へぇそうなんだ」と受け入れることができるからだと思うんです。それぞれ全く違う宗教や人生観を持っていますがお互いのことを違うからといって「それはこうあるべき」という話は全くしません。だから居心地いいし、好きだと思えるし、一緒に過ごす時間が充実するんだと思います。
「デキる」見た目は重要か。
タイトルの割にはすっっっっっごくくだらない話ってことを前置きしておきます。ソースからして基本的にまじめな話ではないんですが、UK版の女性ファッション誌、marie claire UKからです。私も別に毎号見ている雑誌というわけではなく、飛行機に乗る前にキオスクで、小さいサイズで売っている荷物にならない雑誌を、と思って手に取ったまでなんですが、中にマリークレール@ワーク、というような特集があってまあ最終的には仕事用のファッションだったりメイクだったりを紹介するものなんですが、以下のようなコンテンツになっています。
1. Power player’s beauty secrets: 成功している女性が使っている、というお化粧品などを紹介しています。定番のエスティーローダーのイデアリストのアイ・イルミネーターやトラベルサイズのココマドモアゼルシャネルのトワレ、OPIのナチュラルカラーのラッカー、などなどが載っています。私が気になったのはTom Fordのリップカラーかな。まあ要は販促ですね。
2. Bag vs Wardrobe: せっかく稼いだお金を高価なバッグに使うのか、エレガントな仕事用のお洋服に使うのか、というお話。結論は、なしです、というより両方です。紹介されているSmythsonのバッグがなかなか素敵です。ちなみにマリークレールの紹介プロダクツにはS級はあまりありません。あとUK版ということもあってプレッピー系やロイヤルファッション系もかなりの割合で入っていていい感じです。
3. Workplace warriors: ボディ系のお助けアイテムが紹介されています。私も唯一つかっているのはクラランスのボディリフト。他に良さそうなのはジバンシーのMist me gentlyやシャネルのプレシジョンラインのハンドクリームなどでしょうか。機能としては多分自己満足+気のせいです。
4. Style up your pencil skirt: いわゆるタイトスカートをどうやってファッショナブルにみせるか、という特集。私タイトスカートは2つしかもってなくて、一つは冬用の真っ黒ニット(ブーツに合わせる用)、一つは夏用のスーツのピースなのであまり参考になりませんでした。残念。
5. How to have executive presence: そしてこれが私が一番気になったセクション。意訳だと「どうやってデキる外見を手に入れるか」的な意味ですね。まず見出しにこんなことが書いてあります。You put in the hours and do your job well. So you will be given the recognition you deserve, right? Not necessarily. Here’s how to get that extra factor.(超意訳:仕事にはかなり打ち込んで、実際成果も出している。当然会社に認められるべきだし昇進すると思うでしょう?必ずしもそういうわけではないのです。本来の仕事とは別に必要な要素がこちら。)内容は以下のようなかんじです。超意訳+私の注釈も追加してますので原文が見たい方はマリークレールUK版2013年5月号を参考にどうぞ。
Continue reading “「デキる」見た目は重要か。”よくいただく質問4つ。
週に1度程度の割合ですが、ちょこちょことご質問をいただくことがあって、回答をまとめておくのもいいかなと思って、たまのゆったりした日曜にやってみようと思いました。質問の分野はさまざまですが、参考程度にどうぞ。あと、数週間前にメールをくださったFさん、高校を卒業して引っ越しのあと大学に行かれるという方、メールアドレスが携帯のものだったので、私のお返事が届かないようでした。もしよかったらPCのアドレスでまたメールくださいね。また、Fさんからの質問プラス、最近メールをいただいたIさん、Tさんからのご質問を参考にしていますので、個人に回答さしあげたメールを質問、回答ともに編集していますのでFさん、Iさん、Tさんそれぞれからの質問の流れとはやや違いますがご了承くださいね。
1. 海外での管理栄養士の立場は日本における立場と違うというのは本当ですか。
「海外」とひとくくりにすると難しい質問ですが、私が栄養士の方と知り合う機会のあった、アメリカ、タイではそれぞれに日本における立場とは違っていました。アメリカだけでいうと「栄養士(registered dietitian)」という立場は一つのプロフェッションとして確立されていて、そういった意味では「医師」という立場や「教師」の立場などの確率されたプロフェッションと同じ、ということになります。ただ、お給料などの話になるとやはりお医者さんや弁護士さんのお給料は栄養士のそれよりもはるかに良いです。ただ、だからといって、同じ職場で働く事も多い「医師」と「栄養士」の関係は決して上下関係にはなりません。日本では、上司部下のような雰囲気になることが時々あることを考えると、そういう意味ではアメリカの栄養士さんはとてもパワフルで「専門的知識」を持った人としてお医者さんにも積極的に意見し、お医者さんもしっかりそれを聞くので、受ける印象はとても違います。
2. まさみさんは語学はどれくらい学んでから大学に編入したんですか。
日本で初めて社会人になった頃は、私はそれまで受験というものをほとんどといっていいほど経験していなかったこともあって、英語力は一般の大学卒業のみなさんと比べると非常に低かったと思います。しばらく仕事をしたあと渡米したのが1996年の7月で、大学に編入したのが1997年の1月ですので、その間の6ヶ月は語学学校に通いました。2ヶ月が1タームの語学学校だったので合計3レベルを経験しました。最初はレベル3という、日本でいうと高卒程度の英語力のレベルからはじまり、4、5とあがりました。その語学学校ではレベル5を卒業すると、付属の大学(ワシントン州立大学)への編入が可能な語学力があると判断されます。
世の中には語学学校はたくさんありますが、この大学付属の学校は「大学で学ぶための英語」を教えてくれるところでした。会話力にはあまり力は入れず、分厚い本を読んだり、エッセイを書いたり、というような総合力をつけることに力を入れていて、はっきりいってものすごいスパルタでした。宿題が毎日毎日大量に出て、学校が4時や5時に終わっても、それから図書館で夜の11時まで勉強しないと終わらないほどでした(夕食は軽いサンドイッチなどで間にさっさとすませてました)。また予習も必要な雰囲気だったので、朝早く起きてその日の授業のための予習をしてからクラスに行っていました。ですから、その6ヶ月の真剣勝負に比べると、渡米前はゼロといってもいい勉強量だったと今となっては思います。でも、短期間とはいえそれだけ毎日やると、先生方がすばらしかったこともありますが、それなりにちゃんと授業にもついていけるような力がつくので大丈夫です。レベルをパスするのもなかなか難しいので緊張感もあったと思います。
また私はその後すぐにキャンパスのコンピューターラボでのアルバイトを始めたのですが、そのバイトこそが私の会話力を一気にあげてくれたと思っています。「仕事」なのでちゃんと時間毎ににひきつぎをしたり、様々な問題を解決したり、ラボにくる学生さんにいろいろなアドバイスをしたり、と働き始めた初日からかなりのレベルの会話力が要求されます。でも、今思えば、そういった会話を上達させるにはとにかく使うしかないので、実はどんなところでも上達する可能性があります。今現在仕事で使っている英語の基礎になるのは、実は大学での勉強のために通った語学学校で学んだ事ばかりだと強く思うので、そういう目的の語学学校に当時通う事が出来て本当に将来(今)のためになったなと思っています。
3. 自分で学費をかせいでアメリカの大学院に通う事は可能でしょうか。
こればかりはなんともいえません。可能でない事はないかもしれませんし、私も大学院の時はAssistantshipをいただいていて学費はゼロ(というよりAssistantshipの給料と差し引いて払わなくて良く、給料も出るという状態)でしたが、はっきりいって両親に甘えることも多々ありました。アメリカの田舎では車がなければ生活できないので中古とはいえ車を買い、メンテナンスし、家賃も毎月払い、パーキングも、授業でつかうテキスト(高額)、時々日本に帰る旅費、インターネットや電話などの通信費、コピー代、いろいろ考えると出費はつきません。ボロボロの部屋を借り、車は友達に乗せてもらい、テレビも買わず、インターネットも図書館で、というふうに節約することはできるかもしれませんが、かなりつらい日々になりそうです。田舎町だとコンビニなんてないので車で食糧の買い出しに行くことになるんですが、そういうときに「車にのせて」と毎回誰かに頼むのはものすごいストレスだと思います。
ただ、現在社会人で、それなりの貯金があってそれを切り崩していく、というのは可能かもしれません。よく「どれくらい貯金すればいいのでしょうか」と聞かれることもあるんですが、大学の種類(私立、州立など)によって全く額が違うし、住む町によって(田舎、都会など)お金のかかる場所、物も違ってくるのでなんともいえません。私が住んでいた田舎は当時で月々10万円から15万円くらいの生活費(家賃、車のメンテなどすべて込みで)という印象でした。もちろんそれより豪華に暮らしていた人もいますし、節約で半分くらいにしていた人がいたとしても納得かもしれません。でもこれに学費、教材費などがかかると思ってください。アメリカのレジテントでない場合は学費は非常に高いです。
4. FAOなどの国際機関で働くには博士号が必須ですか。FAOで就職するにはどんな内容の研究にしたほうがいいですか。
博士号は必須というわけではありません。ただ、競争の激しい世界であることは確かですので、単純に履歴書を比べたときに博士号をもっていたほうが説得力があるということだと思います。研究の内容ですが、私の場合は微生物学に関する部分と社会科学(食品安全に関する行動科学)に関する部分とがあるUSDAの大きなプロジェクトがPhDのプロジェクトでした。応用統計学を副専攻にしたのは、単純に興味があったからです。学位取得の分野は、そこから研究者になる場合はまさに自分の研究人生の基本になる部分ですので、自分が特に興味のある分野である必要があると思います。ですからそれがFAOに勤めるのに大事かといわれると微妙なところです。国連の専門機関は経済的に同じ分野の専門家を2人同時に雇う余裕がありませんので、それぞれの個人が自分の分野を分担して仕事をするということがよくあります。ですから、自分の専門分野と同じ人がもしもうすでに組織にいる場合は、雇われる可能性は低くなってしまいます。
私が思うに「国連」や「その専門機関」というのは単なる職場としてのオプションですので、「何をしたいか」のほうに主体をおいたほうが自分を見失わずにすむと思います。FAOで働いている人は私も含め、いたって普通の人がほとんどですが、はじめて着任するときの同じポストへの応募者は少なくとも100人、エントリーレベルの若いポストだと800人になることもあるそうです。強烈な才能や知識が必要ということではなく、ある程度の才能と知識があれば誰でも働けるのですが、運とタイミングも同じように大事になってしまうのが残念なところです。たとえばXXの需要がFAOにあるから、ということでがんばってそれを研究してきても、いざ応募しようというときにもしそのXX関連のポストが空いていない場合、またそのXX関連のポストを占めている人が比較的若い人で、後20年ほど長くFAOで働いてしまう場合、その分野で雇われるチャンスは20年間ゼロなわけです。
ですから、国連は目指すところというよりは、いろいろと自分の好きなことをやってきたうえで、もし目の前にオプションとして空席があれば、応募してみる、というスタンスで心においておく、というふうに思うのが一番かと思います。私の場合はそうでした。とにかく自分の好きな分野で思いっきり研究をして自分の知的好奇心を満たす、というのが博士課程にはとても大事な心がけだと思います。そうしておかないと、いざ何かでつまづいたりしたときに(博士課程では本当によくあることです)、「自分はなんのためにこれをやっているんだっけ?」と考え始めてしまい、心が折れてしまいかねません。好きだったらずっと続けられますよね。そして就職はゴールではなくスタートなので、自分が思う存分やってきたことを本当に生かすのは就職したあとだと思います。そのときにそのテーマが「就職するため」のテーマだった場合はちょっと自分を見失ってしまうんじゃないかと私は思いますがどうでしょうか。
