ドゥバイで私も考える

IMG_0332

先週はドゥバイで会議でした。上の写真はドゥバイ未来博物館。将来の食糧保障を考える上で、世界の国々はそれぞれの立場で様々な困難を抱えていると思いますが、中東はそんな意味でも特殊な位置にいるといえます。化石燃料資源に恵まれていてリッチで先進的なイメージのあるドゥバイですが、貧しい漁村だった1966年に石油が発見されてから国がお金持ちになるまでがものすごく短かったため、経済的な成長と国の能力的な成長に差が出てしまっていて、お金はあるけれど(能力のある)人がいません、という状況になりやすいのです。これは近隣のアラブの国々でも同じではあるんですが、資源があるところとないところでは貧富の差が激しすぎます。そして砂漠の多い地域では気候変動の問題が日本やヨーロッパにいる私なんかが感じるよりもずっと深刻で身近です。毎年のように最高気温の記録が上がっていて一般の人でも日々そこはかとない恐怖を感じるそうです。しかも肥沃な土地が少ないため農業が発展しているとは言い難い上に、リッチであるがために農業に従事しようという人は少なく、自給率はたったの17%で、日本よりもその低さは深刻です。それなのに地政学的には世界の中でも不安定な国々が地域に集まっていて、食糧危機に備えるために必須である地域内での多国間の協調や共同活動が難しすぎるわけです。これでもうすでに泣き面に蜂状態なのにさらに、土地柄水不足が常態化していて、しかもドゥバイでは先日の2年分の雷雨での大洪水に見舞われるわけですから一体何をどうすればいいのか、そこから手をつければいいのか、という政府の人々も少なくないです。国連のプロジェクトだと、途上国では「もうすこしお金があれば」というような状況もよくあるのですが、ここでは「お金はあるのに」という話し合いになるのがかなり特殊です。

Continue reading “ドゥバイで私も考える”

三日坊主とリバウンド対策ハック

私にはいつ会っても常にダイエットしている可愛い友人がいるんですが、実は栄養学的な観点から見ると「常にダイエット」というのはある意味間違いではないんですね。運動の観点から見ても別に間違いではないです。その栄養摂取状態や運動の状態が間違いでない限り、それは実は「習慣化」されている、という状態でもあるからなのです。そこでどういうのを「間違い」というかというと、色々あるんですが、例えば極端に食べる食品の種類を制限するダイエット(りんごダイエット、バナナダイエット、スープダイエット、ジュースクレンズなど)をずっと続けるのは間違いです。運動でも、毎日30キロ走る、とか朝晩縄跳び1000回、とかそういうのはアスリートでもない限り基本的には正しくはないと思われます。どんな「ダイエット」がいいかというと、さあ、今日からダイエットするぞ、と思って決めたルールをこの先一生、何十年も割と問題なく続けられる、というようなダイエットが一般的に「良い」と思っていいと思います。例えば無難なところから言うと、「夜9時以降は食べない」とか「朝起きたらまずコップ1杯の水を飲む」とか「1日に必ず1食品は発酵食品を食べる」とかそういうマイルールですね。

Continue reading “三日坊主とリバウンド対策ハック”

イタリアに勝てない

IMG_7024

2週間ほど前に、週末のランニングでカラカラ浴場遺跡まで行った時に、久しぶりなので8ユーロ払って中に入って観光をしてきました。早朝だったのでこのカップルと私以外に人がいない状態でかなり満喫しました。カラカラ浴場遺跡は私の職場のすぐ隣なので、常に近くにあるのですが、なかなか中に入ることもないのでこの機会にゆっくり1時間ちょっと楽しむことができてよかったです。この遺跡では夏になると屋外のオペラをやることも多く、私は今までオペラのために3回くらいここに入ったことがあるのですが、その時はオペラのチケットがあれば入場を許されて、オペラの開演時間まで歩いて回ることもできるんですね。でもそういう時ってオペラに興奮していてなかなか観光というような気持ちになるわけではないのです。

Continue reading “イタリアに勝てない”

eバイク生活のススメ

IMG_3838

2021年の11月に私の元にやってきた新しいバディであるこのeバイク(電動アシスト自転車)と毎日を過ごすようになって約3ヶ月(12月はほとんど日本にいたので)になったし、やっとローマでの自転車生活に関する色々なことに少しずつ慣れてきたのでちょっと自転車について書いておこうと思います。2021年の4月にローマに再引っ越ししてきてすぐに、アパートを貸してくれている長年の友人であるMは、私のライフスタイルを把握しているため、すぐに車生活を始めるだろうと思ったらしく、シャッター付きのガレージも貸してくれたんですね。地下駐車場の角にあって鍵もかかる安全なところです。でもそこに駐車をして、快適な乗り降りも必要なことを考えると、車はヨーロッパによくあるコンパクトカーのサイズがピッタリのガレージなんですね。Mは私の長年の愛車だったローランギャロスのプジョーを覚えているので私がきっとそういう車を買うと思ったんだと思います。そこから考えること約1ヶ月半。私は大きな決心をしました。

Continue reading “eバイク生活のススメ”

オリバーストーンとローマ映画祭

IMG_3684

10月の半ばに、日本人のお友達のMちゃんが誘ってくれてローマ映画祭で上映されたJFK Revisited: Through the Looking Glass(2021・ドキュメンタリー)を観に行ってきました。映画祭の期間はローマ市内の色々な映画館やシアターで招待された映画が上映されていたんですが、私が住むGarbatellaという地域にもローマ第3大学のシアター(テアトロパラディウム)があり、そこでこの映画は上映されることになっていました。映画祭のチケットはかなりお安く、Mちゃんがサクッとオンラインで5ユーロでとってくれていたし(とてもフットワークが軽い素敵なお友達です)、テアトロパラディウムは私のアパートメントから徒歩10分だし、気楽な気持ちでその日を待っていたんですね。そしたらMちゃんがテキストで「オリバーストーン監督が来るらしいよ」と言うので驚いて調べてみたら、本当に彼が、ローマとはいえこんな田舎の住宅地の地域にきて舞台挨拶をしてくださると知り、行ってみたら本当に彼がすぐ目の前で熱くJFK暗殺の陰謀論について語ってくれるというシュールな状況だったのでした。

Continue reading “オリバーストーンとローマ映画祭”