私にはいつ会っても常にダイエットしている可愛い友人がいるんですが、実は栄養学的な観点から見ると「常にダイエット」というのはある意味間違いではないんですね。運動の観点から見ても別に間違いではないです。その栄養摂取状態や運動の状態が間違いでない限り、それは実は「習慣化」されている、という状態でもあるからなのです。そこでどういうのを「間違い」というかというと、色々あるんですが、例えば極端に食べる食品の種類を制限するダイエット(りんごダイエット、バナナダイエット、スープダイエット、ジュースクレンズなど)をずっと続けるのは間違いです。運動でも、毎日30キロ走る、とか朝晩縄跳び1000回、とかそういうのはアスリートでもない限り基本的には正しくはないと思われます。どんな「ダイエット」がいいかというと、さあ、今日からダイエットするぞ、と思って決めたルールをこの先一生、何十年も割と問題なく続けられる、というようなダイエットが一般的に「良い」と思っていいと思います。例えば無難なところから言うと、「夜9時以降は食べない」とか「朝起きたらまずコップ1杯の水を飲む」とか「1日に必ず1食品は発酵食品を食べる」とかそういうマイルールですね。
お気づきの方も多いかと思いますが、こういったマイルールは実はそんなに即効性はありません。ただ、じわじわ効いてきますし、時間が経てば経つほど、非常に役に立ちます。でも一般的に、ダイエットしたい人って自分のやっていることがすぐに体重に反映されて欲しいものなんですよね。いますぐ、この3キロ、5キロを落としたい、と思ってしまうんですよね。現在のこの特に不自由のない体重をこの先健康に30年間キープする、といったことにはそんなに興味がない人が多いです。ですが万一ここを読んでいて、それがいい、長い時間をかけて効いてくるダイエットをずっとしていく方が、辛い短期ダイエットとリバウンドをくりかえずよりずっといい、と思ってくださる方がいたら、ぜひ私のライフハック(?)をご紹介させてください。この成功には3つの要素があります。まず「自分との約束」というものを何よりも優先させる、という要素と、あとはテクノロジーに頼って「うっかり忘れる」ということをなるべく避ける、という要素、そして最後の要素は、例外や忘れたりしたことをそんなにくよくよしない、という楽天的な要素が必要となります。この3つの要素を覚えていれば、ダイエットにしろ、何にしろ、「習慣化」ということがとても楽になります。
哲学的になってしまいますが、まず「自分との約束」というのがいかに大切か、という自分との対話がまず必要になってきます。人との約束って大事ですよね?仕事で取引先との会議の約束をしたらドタキャンなんてしませんよね。友達の誕生日パーティに行く、と約束したら必ず行きます。では自分とはどうでしょう。自分で「決めた」と思っていても、途中で億劫になってしまうことは多々あるのではないでしょうか。私は中国語のレッスンを受けていて、1週間はテキストをやって次の1週間はスカイプで、という内容なのですが、毎日やろう、と思っているテキストを何だかんだと理由をつけてサボりがちです。そこで自分に約束をしてみるわけです。毎日は厳しいのでできそうな範囲で、3日に1度、30分はテキストをやろうよ、と自分に言ってみるわけです。そこで、できそうかどうかすごく熟慮した上で、よし、やろう、と自分に答えます。これが「自分との約束」です。そして真面目に、自分との約束も守れない人が他人との約束を守れると胸を張れない、ちゃんと自分との約束を優先させて守ろう、と言い聞かせるわけです。
次に、この「約束」を書き留めておく場所を決めます。私は完全にテクノロジーに頼っているので、これにはiPhoneのリマインダー(アプリ)を使っています。この無料のアップルのアプリ、実はすごく高性能なのでとってもいい感じです。広告もないし、課金もないし、システムについてくるので必ずアップデートされているし、いい感じです。シンプルな使いやすさも気に入っています。iPhoneを使っている方で、リマインダーをあまり使っていない方はぜひ、使ってみてください。簡単にどのように「約束」を習慣化させるか書いておきますね。
まずリマインダーアプリを立ち上げます。右下に「リストを追加(Add List)」というメニューがあるのでそれを押すと、新しいリストを作ってくれます。タイトルにはGood habits(良い習慣)などと書くといいかもしれません。アイコンも指定できるので好きな色と好きなアイコンを選ぶと、ここで気分が既に上がります。それができたら、今度は自分との「約束」を書いていくわけです。上の方で書いた例を使って、「毎朝起きたら水をコップ1杯飲もうよ」と自分に約束するとしたら、「水を飲む」と書きます。私の場合は蛇口から水が出ている絵文字を使ってDrink [water]としています。そして日時設定もしちゃいましょう。その項目を選ぶと、右側にiというマークが出るので、そこをタップすると詳細が設定できます。私は毎朝、平日は5時、週末は7時に起きるので、まずは平日設定ということで時間を朝の5時にします。そして「繰り返し」を選び、「毎日」を選んで「カスタム」をクリックすると「平日」を選べちゃいます。私はタグ付けもしていて、健康のための習慣用のタスクだと#Healthとかそういった形であとでリストをまとめられるようにしていますがその辺りは細かいので個人の好き好きでしょう。最初からこだわりすぎると、三日坊主になりがちなので、あとで慣れてからでも、いつでも変更できるのでこの辺りはスキップしてしまってもいいかもしれません。同じように、週末のための「水を飲む」タスクを繰り返して今度は朝の7時に設定して、最後にカスタムから「週末」を選んで保存すると、そのリマインダーは週末の朝専用となります。
こうやっていくつか自分が自分に対してできる「約束」をリマインダーに追加していくうちに、自分でもだんだん、どれが簡単でどれが難しいかわかってきます。例えば朝、水を飲むくらい平気です。リマインダーさんありがとう、と思いながら水をゴクゴク飲みます。ビタミン剤を飲み忘れないようにするリマインダーも楽々です。朝やるストレッチもYouTubeのURLと紐つけしていて、起きたらすぐできるようになっているので特に難しいと思ったことはありません。ただ、私にとって難しいのが夜のスキンケアです。夜は面倒だしゴロゴロしていたいしで、なかなかエイ!と立ち上がってお肌のことを労ってあげる気持ちになれないのです。が、自分との約束ですからね、と自分に言い聞かせて、私のこのリマインダーアプリがCirclesサウンドの優しい音色で「ソファミー(最後はCメジャー)」という音(音は設定アプリの「サウンドと触覚」のところで設定できます)を鳴らすたびに、ゆっくり立ち上がって「はい、やります」と言いながら頑張っています。
でも、例えばうっかり眠くてスキンケアせずに眠ってしまったからといって誰かが死ぬわけではありません。もちろん自分との約束を破ってしまって、自分に対して非常に申し訳ない気持ちはあります。でもそこは、ごめん、自分、と思うことにして、そこはくよくよせず、明日からは絶対守るよ、ともう一度自分と約束をし直すか、ちょっとこれは無理な約束だったね、と言ってもう少し守りやすい約束に変更するか、というようなちょっとした調整も必要になってくるでしょう。私にとってはこうしてテクノロジーを使って、全部自分では覚えていられない約束をことごとく音と共に教えてくれる、というのがありがたいわけです。詳しいリマインダーアプリの使い方はグーグルするといくらでも出てくるのでぜひ活用してみてくださいね。
今現在の私のGood habitsのリストには常に30個ほどのリマインダーがあります。ほとんどは繰り返しで現れるもので、日時指定されているので特にプレッシャーはなく、これを一つ一つ消していくのが快感でもあります。面白いのが、こうやってリマインダーを使っていくうちに、歯磨きや毎日のシャワーがすでにリマインダーいらずのように、わざわざリマインドされなくても習慣となっていくアイテムもあって、それに気づいた時にはそのアイテムは栄光の「卒業」を迎えます。これからも一生付き合っていく習慣として昇華されたという形です。日記をつけたり、ダイエットしたり、運動をしたり、と色々なことを習慣にしたいけど三日坊主になってしまう、とか、集中的にしたあと飽きてしまってリバウンドしてしまう、とかいうような方がいらしたら、ぜひこの習慣化ハック、お試しくださいね。