ローマのユダヤ風カルチョーフィへの強い愛

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ローマの下町レストランでゲットー名物のユダヤ風アーティチョーク(Carciofi alla guidia)を前菜として注文しましたが、本当に美味しくて、私この黒くなった茎に至るまで全て完食いたしました。しかもこれがあと2皿私のテーブルに運ばれてきたとしても、私は多分嬉しく美味しくいただける、と真剣に思うくらい、私の好みの味です。

ちょうど10年前にも私はこのアーティチョーク愛を語っていますが、ローマに住む日本人の友人にすら、これを言うと驚かれるんですが、このユダヤ風の方は特に後味がものすごく甘いんです。あ、こういうと語弊がありますね。後味というのは食べたすぐの後味ではなく、そしてアーティチョーク自身の後味でもなく、口の中の味、特に、アーティチョークを食べて、飲み込んで、ちょっとしてから「他のもの」を食べたり飲んだりした時の味です。水ですら甘く感じます。アーティチョーク自体は苦いもの、と認識されている方が多いのでちょっと信じ難いかもしれませんね。この記事の最後の段落に書いてあるんですが、以下に日本語訳(意訳)を載せますね。

「…新鮮なアーティチョークを食べた後に、一口の水すら甘く感じたことはありませんか?これはなんと、アーティチョークに自然に含まれる2つの物質、クロロゲン酸とシナリンが化学反応を起こしているのです。特にシナリンは甘い味を感じる味覚レセプターを阻害します。ですから、アーティチョークを食べた後に口に入れる飲食物はシナリンを洗い流すので、その時に口の中では飲食物自体が持つ甘みが普段より敏感に検出され、それを脳がとてつもなく強い甘味として認識するのです。アーティチョークは野菜をキャンディのような甘さに感じさせることはできませんが、歯磨きをした後に飲むオレンジジュースやパイナップルを食べた後の酸っぱくなってしまった口の中、といったような、日常あまり嬉しくない味を上手に隠すような意図に使うことはできるでしょう。」

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ユダヤ風アーティチョークもローマのゲットー出身のお料理なのでローマならではなのですが、このカルボナーラもまさにローマならではです。生卵を使うお料理なので、暖かくなってからの時期(6月から9月)はお勧めしません(サルモネラ菌がいるかもしれないし)。冬だったらまだマシな(リスクはゼロではない)ので、ローマで体の調子がいい時はぜひオーダーしてみてください。ちなみにこのパスタの種類は「マニケ」という短いパスタなのですが、私は個人的にこのパスタをローマでしかみたことありません。きっとローカルなものなんだろうと勝手に思っていますがどうなんでしょう。そして上にかかっているのは私の大好物、黒トリュフ(タルトゥーフォ・ネーロ)です。みなさん白トリュフの方が美味しい(確かに値段は全くもって比べ物にならないほど高い)とおっしゃいますが、私はなぜか黒タルトゥーフォの大ファンです。ステーキにかけても美味しいし、オリーブオイルとの相性が良すぎて、イタリア料理の何にでも合うと思います。リコッタやマスカルポーネにも合います。本当に好きです。

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ちなみにレストランはAntica Osteria di Pietraというところだったんですが、コロンナ広場の近くにあります。そしてその近くには私の大好きなトリノのチョコラテリアのお店、ヴェンキがあります。上の写真はそのお店を外から見たところ。チョコレートももちろん美味しいのですが、アイスクリームもすごく美味しいです(もちろんチョコレート味)。そして思い出したんですが、先日姪っ子と甥っ子と一緒に銀座でお茶した時の東京のヴェンキも同じテーマの外見でした。

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東京の方がちょっとゴージャスですね。そう考えると、東京って本当に国際都市ですね。なんでもあるし、なんでも手に入る。私がイタリアにいるローカルのちょっとした楽しみだと思っているダークチョコのショッピングも東京で日常的に簡単にできるのですね。しかもちょっと豪華になっていてハードルが上がる感じすらします。もう少し私もローマの街をじっくり歩いてみて(あるいは自転車で回ってみて)、ローマらしい日々を送ってみたいと思います。

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