伊と仏と日なミニディナー

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11月にモデナに住むIがローマに来る機会があって、彼女と、そしてとっても若い同僚であるフランス育ちの日本人のHの二人に、私の小さなアパートメントに来ていただいて、なんとお料理を教えてもらうという楽しい機会を設けました。教えてもらうばっかりじゃ申し訳ないのでとりあえずテーブルセットしたのが上の写真です。とはいえ花瓶を持ってお花を買いに行き、その場でお花屋さんに生けていただいて、それをテーブルの真ん中に置いただけですけどね。

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お花屋さんは優しいローマンな男性で、今日は気分がいいから、と小さなピンク色のバラまでくれたので私のウクレレスペースに置きました。そしてまず、北イタリア出身のIがクッキングレッスンしてくれたのがこのグラミーニャ・アッラ・サルシッチャ。トマトベースのシンプルパスタです。

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先日のエントリーでも書いたんですけど、北イタリアのお料理はローマのそれとは結構違って、同じトマトソースでも、キャラメライズした玉ねぎベースの甘いものが主流なんだそうです。初めて知ったんですが、Iいわく、イタリア料理は、玉ねぎとニンニクを同時に入れることはほぼないらしい。同系統なのでどちらかがどちらかを消す可能性があるそうなんです。ニンニクが入っているイタリア料理多いんですが、確かに玉ねぎが同時に入っていることは少ないかも。そして逆も然りなんですね。そして今回のこのお料理は、前回もモデナでいただいた、サルシッチャ(イタリアンソーセージ)がメインのお料理。これがどんなお料理になるかというとこれ。

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前にトラットリアで食べたグラミーニャには緑色のものも入っていたので色とりどりでしたが今回はこういう感じでトマトソースなのでシンプルになりました。でも味が、もしかしたらトラットリアで食べたものよりずっと美味しかった気がしたので、イタリア食材が手に入る方のためにIが教えてくれた通りに忠実なレシピを書いておきます。彼女の主観も入っているのでどうぞ。

材料(三人分)
– グラミーニャ(ドライで300g)
– サルシッチャ(生のものを300g)
– ナツメグ(すりおろすか、粉状のものを少量)
– 玉ねぎ(中1個程度)
– オリーブオイル(適量)
– 白ワイン(1カップ程度)
– トマトピューレ(400ml)*
– 牛乳、塩など好みで少量
– イタリアンパセリ(飾り用)
* イタリアでは「パッサータ」と言います。「ルスティカ」と言って田舎風のパッサータも見た目にいい感じがします。個人的には、トマトピューレはMuttiブランドがお薦めです。パルマのトマトピューレなので北イタリアの味が再現しやすいと思います。日本にもあるのでぜひ。

作り方
0. この料理は、初心者は白い服は避ける。
1. サルシッチャは中身を出してほぐす。ちょっとランダムに。
2. 玉ねぎは粗みじん切りにする。泣かない。
3. オリーブオイルをフライパンに入れて玉ねぎを入れてから火をつける。
4. 弱火で玉ねぎが焦げないようにじっくり炒める。
5. 玉ねぎの内側が透明で外がキャラメル色になるまでせっかちにならない。我慢。
6. サルシッチャとナツメグを入れる。
7. サルシッチャに火が通ったら白ワインを入れる。
8. 白ワインのアルコールが飛ぶまで煮立たせる。ここも我慢。
9. アルコールが飛んでからトマトピューレを入れる。
10. アルコールが残っているとトマトソースに融合してしまって苦くなる。我慢。
11. この後、うっかりすると熱いトマトの盛大なジャンピング大会が始まる。
12. アルミフォイルや大きめの蓋などでの完全ディフェンスに徹する。
13. 別に大きなお鍋でたっぷりの水(大事)を沸騰させる。
14. お湯が沸騰したらたっぷりの塩(大事)を入れてグラミーニャを茹で始める。
15. ソースの味見をして味を整える。
16. 万一トマトの酸味が強過ぎる場合は牛乳を加えて調整する。砂糖なんか入れない。
17. サルシッチャが塩辛い場合もあるので塩は必ず味を見てから。
18. フレッシュなナツメグがある場合はここでさらにすりおろすと香りが良い。
19. グラミーニャをアルデンテ一歩手前の状態でお湯を切って鍋に戻す。
20. イタリアのマンマ達にとってはパスタの茹で時間を測るなんてナンセンス。
21. アルデンテ(直訳:歯応え)の状態を確かめるために必要なものは「歯」だけ。
22. 味の整ったソースをグラミーニャに混ぜて余熱で完璧なアルデンテを目指す。
23. お皿に盛ってイタリアンパセリを飾るなどして熱いうちに召し上がれ。

このお料理は食堂や家庭のものなのでカジュアルな感じでいただくのがベストだそうです。そして前回も書きましたが、このお料理は普通はチーズはかけないそうです。多分ですけどサルシッチャに結構塩分があるのでチーズはいらないんだと思います。そしてソースがキャラメライズドオニオンのおかげで甘いというのもあるかも。ほんっとうに簡単で美味しいので是非お試しくださいね。グラミーニャは、マカロニのように穴が空いたショートパスタです。イータリーなどで買えるのかもしれませんが、北イタリアのパスタはローマでもなかなか見かけないので、ショートパスタでソースが絡みやすいもので代用できる可能性はあります。

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そしてフランス育ちのHが教えてくれたのはガレット・デ・ロワ。これはエピファニー(公現祭)のデザートなので時期外れと言えばそうなのですが、Hはこれが好きすぎて伝統とかは別に普通に焼いて食べるそうです。私はここにも2013年に書いていますが、私の誕生日が1月6日ということもあって、ガレット・デ・ロワは特に思い入れの強いお菓子です。

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焼き上がった美味しいものを、こうして三人で切り分けていただいたのでした。切った3切れにはフェーヴは入っておらず、後で聞いたらIが持って帰ったお持ち帰りの分をIのお母さんが食べたところフェーヴにあたったということで、全てがめでたしめでたしなのでした。Hが教えてくれた作り方書いておきますね。

材料(オーブン用)
– アーモンドパウダー(150g)
– グラニュー糖(150g)
– 無塩バター(小さく切って室温に戻したものを80g)
– 卵黄(合計4個分:2個分を生地に、1−2個分をパイに塗る用に)
– 香り付け用にラム酒かバニラエクストラクトかオレンジの花水(少々)
– 市販のパイ生地(2枚)

作り方
1. ボウルとスパチュラを準備する。
2. アーモンドパウダーとグラニュー糖をさっくり混ぜる。
3. バターを入れる。バターは決して溶かさない。
4. 卵黄2個分入れる。カラザは入れない。香り付けもする。
5. ひたすら練る。ペースト上に生地に塗れるくらいの柔らかさになるまで練り上げる。
6. オーブントレイにオーブンシートを敷く。
7. パイ生地を1枚敷く。
8. 練ったペースト(クレームダマンド)を塗り広げる。
9. パイ生地をもう一枚上に被せる。
10. パイを形成し、卵黄を表面に塗る。
11. 飾り包丁(レイエ)で模様をつける。
12. レイエには月桂樹、渦巻き、麦の穂、格子状などがある。
13. 220度に温めたオーブンで20-30分ほど焼く。
14. 冷ましてから切って召し上がれ。

ちなみに私はどちらの料理も日本に帰ってからAさんに振る舞う、という名目できちんと復習をしました。以下が復習の結果です。イタリアでこうして楽しく三人で作って食べた味を結構再現できたので満足でした。お料理が得意なIとHと一緒に仕事ができて楽しく時間も過ごせてラッキーでした。

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