11月11日はポルトガルの「マグスト」と呼ばれる焼き栗祭りだそうで、最近職場の同じチームに入ったポルトガル人の同僚Jが栗を焼くからディナーに来て、と誘ってくれて他の二人の同僚と一緒にお呼ばれに行ってきました。そして焼き栗(イタリアン・チェストナッツ)の美味しさに大興奮して、栗の写真を撮り忘れるという大失態を犯したんですが、その代わりと言ってはなんですが、ポルトガルからJが持ってきてくれたというエッグタルト(パステル・デ・ナタ)の写真が上の写真です。
そして当然、ポルトガルといえばポルトワイン(Jはポルト出身です)。栗と若い甘いワインでお祝いする収穫祭らしく、Jの愛犬セバスチャンと一緒に楽しい夜を過ごしました。ポルトガル人にとってこのお祝いは、絶対にやらなければいけないものらしく、日本にもそういう食べ物とかお祝いはあるかなと考えてみた時に思いついたのは年越しそばとかおせちとかそういった新年のものもありますし、最近で言ったら恵方巻きとかでしょうか?
Jは男性なのですがお料理もすごく上手で、こうして甘いお芋とにんじんのスープをささっと作ってくれて感動しました。テーブルセッティングもすごくカジュアルなのに素敵で、本気で見習おうと思いました。本物のキャンドルはやっぱり良いですよね。ポルトガル人はスペイン人やスペインの風習と自分たちのそれとをごっちゃにされるのをとても嫌うので、気をつけてお話をしなければいけませんが、スペインにも焼き栗祭りがあって、それは11月1日だそうです。11月1日といえばイタリアも大きな祝日で、いわゆる「諸聖人の日」という日です。英語だとAll Saints’ Dayですが、もしかしたら勘の良い方なら分かるかもしれませんね。別の言葉だとAll Hallows、あるいはHallowmasで、カトリックの教えではかつてはミサ(マス)に行くことが義務付けられていたということでした。つまり、11月1日がハロウマス、そして10月31日がHallow Eve、あるいはHalloween(ハロウィーン、つまりハロウマスのイブ)ということなのですね。どうやらハロウィーンって、ハロウイブが訛ったものらしいですよ!
そして11月2日が有名な「死者の日」です。スペイン移民の多いメキシコではこの1日、2日を使って死者の日を明るく楽しく家族と友人みんなで大々的にお祝いしますよね。007の「スペクター」はこのお祭りのシーンから始まるのが印象的です。ちなみに面倒なことに、ポルトガルには別の日にハロウィーン的なものがあってそれは4月30日だそうです。でも諸聖人の日には関係ないということでした。色々繋がっていたり切れていたりして文化、風習、宗教の絡み合いは非常に興味深いですね。
ちなみにJのアパートメントはトラステベレのこの有名なバール・カフェのすごく近くにあります。とっても素敵なテラスがついたおしゃれなアパートメントで、よくこんな素敵なところを探したなぁと本当に感心しました。でも家具なしだったらしく、私は家具を引越しの度に動かすのが嫌でアパートメントは必ず家具付きを探しているので、やっぱりお洒落なところは自分で気合を入れて家具を選んでスタイルアップしなきゃいけないから私にとっては無理だ、と変なところで納得しました。焼き栗はもちろん、全てが美味しかったし、会話も楽しかったし、私にとっては初めてのマグストでしたが、これからも習慣にしても良いなと思える素敵なイベントでした。