イタリアのジェラートはだいたいどこでもなんの味でも普通に美味しいのですが、私がどのジェラテリアでもとりあえず探すのはラズベリーです。ラズベリーはイタリア語でランポーネ(複数形はランポーニ)と言うのでショーケースからLamponiと書いてあるものを探すか、私のようなせっかちな人はもう「チェライランポーニ?(ラズベリーある?)」と聞いてしまいます。文法的にはチェラヴェーテの方がいいかもしれませんが、ジェラートを盛ってくださる人との個人的会話となると多分チェライの方が簡単です。そこであるよ、となると次は私が好きなチョコラート(チョコレート)を探すわけですが、チョコは普通のメニューなので大体あるんですが、ご存知のようにチョコラートにもいろいろあって、ミルクチョコとかダークチョコとかありますよね。私の愛するダークチョコはイタリア語ではチョコラートフォンダンテ、と呼ばれるので私はそれも頑張って探します。それが無事にあった時に「コンパンナ?(ホイップクリームつける?)」に超絶笑顔でスィー!と答えて私の一番大好きな幸せジェラートとして出来上がったものが上の写真というわけです。
ところでイタリアってこだわりの人々が集まっているのでこういう2つの味を組み合わせるときはちょっとだけ注意が必要です。このポストにも詳しく書いているのですが、このランポーニ(フルーツ系)とチョコラート(コッテリ系)の組み合わせは実は禁忌に近くて、多分唯一許されているコンビネーションです。うっかりマンゴーとクレーマ(クリーム)、とかカッフェ(コーヒー)とアランチャ(オレンジ)、とかやってしまいそうですけど系統を混ぜる注文をすると、こだわり系イタリア人が微妙な顔をするのでミックスするときは系統を揃えるようにしたほうが無難です(確かにその方がおいいしい)。チョコとラズベリーの組み合わせはみんな大好きなので大手を振って頼んでオッケーですが。ちなみに私が頼んだ上の写真のジェラートの正式名称(?)はGelato al lamponi e cioccolato fondante con pannaのようになると思います。
それにしても最近のイタリアのジェラート屋さんは本当にこだわりなところが増えていて、クオリティに気をつけていて、温度管理もしっかりやるのでジェラートをショーケースから見ることがなかなかなくなってきた気がします。言葉で伝えて作ってもらうという感じ。おしゃべりが大好きなイタリア人にはぴったりのシステムですが日本人観光客にはちょっと敷居が高くなってしまいますよね。でも大丈夫、みんな自分のジェラートに大きな自信を持っているのできっと観光客の皆さんにも美味しいものを提供しよう、とすっごく頑張ってくれると思います。以前にジェラートの頼み方を書いたものを発見したので、ぜひ参考に、イタリアで美味しいジェラート頼んでみてください。イタリアは日本人観光客を迎え入れる気分満々なので、ワクチンパスポートさえなんとかなればきっとイタリア旅行もそんなに遠くないはず。