カプレーゼ、正確にはインサラータ・カプレーゼ(カプリのサラダ)は日本でも人気のサラダだと思うんですが、バジル、モッツァレラ、トマトと並ぶと華やかですよね。色合いもイタリアの国旗みたいだし、ローマで食べるにはとても気分が高まります。この写真は先週とったんですが、実は2008年に初めて行ってからというもの大ファンになってしまったレストランのお料理です。この「裏庭のトマト」(ここのオーナーの家で栽培しているということです)の旨味がほとばしっていて、モッツァレラも完璧なブーファラ(水牛)で、オリーブオイルも本当に新鮮ではっきり言って完璧なお味です。
おしゃれなレストランに行くと、カプレーゼって綺麗に盛り付けがしてあるし、本当に写真に映えるんですよね。でもこれはお分かりのように、乱雑に大きな包丁でガツンガツンと切った感があります。そして1個が私が大きく広げた手のひらの指の先までの大きさがあるんです。田舎風、と言った感じでしょうか。それにしてもイタリアのレストランでの食事では、サラダの立ち位置はそこそこ難しく、アンティパスト(前菜)として出る場合と、セコンド(メイン料理)のコントルノ(付け合せ)として出る場合、そしてセコンドそのものとして出る場合があるんですね。友人の家でもしっかり食事を済ませて、ドルチェ(デザート)の前にサラダが出てきたことがあって唖然としたことがあります。でもこれはお腹への入り具合も味の深さも旨味も全部込み込みで、堂々のセコンドです。完全優勝。明らかにメイン料理を張っています。
それにしても15秒くらいで準備できるはずなのに、なぜかしっかり「お料理」になっているカプレーゼのポイントは、やっぱり水牛のモッツァレッラです。そしてとにかく絞ったばかりのようなエッジの効いたエクストラバージンオリーブオイル。カプレーゼを食べ終わると、白い水牛のミルクとオリーブオイルが分離しつつもお皿に溜まっていることが多いのですが、それをイタリアのパンで一滴たりとも残さずすくって食べるのがローマ人の流儀。あまりに美味し過ぎて脳から何かすごいホルモンのようなものが出てしまいます。日本にいる方も、イタリア旅行も来年までには現実になりそうな気配がしてきたので、ぜひ、モッツァレラ・ディ・ブーファラを楽しみに遊びに来てください。ピッツァのマルゲリータも水牛のモッツァレラだと焼いた後のかすかな苦味が効いて、感動のおいしさになります。水牛のモッツァレラはナポリが有名です。私の愛するナポリ。また近いうちに遊びに行きたいな。