少しずつ日常を取り戻す4つの理由

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今日は久しぶりのテニスのレッスンに喜びを隠しきれず、レッスンの3時間前に家を出てきました。というのは半分本当で半分嘘です。レッスンを楽しみにしているのはもちろんなんですが、3月から頑張っていた自粛を今週末から解除の方向に向けようと思って、私の愛するクルマちゃんを昨日久しぶりに走らせたら、普通に走りはするんですが、物凄い量のチリとホコリが積もっていて、ネイビーブルーのはずが茶色に見えてしまっているんですね。なのでテニスに行く前にモールに寄って、買い物ついでに洗車をお願いしようと思ったのでした。バンコクのショッピングモールは駐車場に限りがあるので週末は駐車スペースの奪い合いになるんですが、洗車をすると洗ってもらえる上に駐車場も確保できるので私はこのシステムを大活用させていただいています。今日は洗車だけではなく、内部の殺菌もしてもらえるということで、どれくらいの効果があるかは置いておいて、きっとモールが自粛していた2ヶ月間ほど、きっと経営も大変だったことと思われるので、洗車&殺菌コースをお願いしてきました。それに2時間かかるわけですね。ちなみに上の写真はモールの中の空中庭園にあったなんだか可愛いモビールです。

タイでのこのパンデミックの影響は、皆さんの頑張りもあり、数値上はかなり低いものに抑えられています。少なくとも私の周りの市民の方々の意識が高いのはとても伝わってきます。バンコクはロックダウンこそなかったんですが、割と厳しい門限制度が導入されて、それは夜の11時から朝の3時まで今も守られています。バンコクに住む国連職員は、タイ以外の国出身の外国人が多く、私たちが動くことによってウィルスを広めてしまう可能性が非常に高かったのは否めないため、責任感の強い人々は母国に帰ることもせず、3月20日の出勤を最後に基本的には自宅でのテレワークをやっています。もちろん、止むを得ない理由や他の理由で母国に帰った人もいますが。私自身はというと、3月21日から6月5日まで、マスクをして外に出たのは15分ずつの2回きりで、その他の時間はずーーーーっと家にこもっておりました。食料品も、日用品も、日々の食べ物も、週末のちょっと贅沢ランチも、全部デリバリーで済ませました。バンコクはそういう意味では天国です。

先月末から私の職場も少しずつ日常を取り戻そうという動きが始まっていて、自主性に任せてはありますが、オフィスに週に数日出勤するという人も少しですが増えてきました。私もいくつかの理由で、そろそろ日常に戻らなければ、という強い気持ちが芽生えてきましたので、来週からオフィスにフルタイムで復帰することにしました。その理由の一つはまず、感染症における「ハンマーとダンス」のダンスの部分に貢献すべく、という意味です。このパンデミックで「何が正解か分からない」と感じた人は一般人だけではなく専門家にもたくさんいると思います。後になってみないと何が良くて何がダメなのか分からないということはあるんだろうなと思います。だから「ダンス」に貢献する、ということが何なのか、つまり、精神崩壊することなく経済活動を前向きに活発に行うというそのままの意味なのか、奥深く言うと実は感染を少し促進するということ(ウィルスの変異に貢献するということ)なのか、ちょっと自分でも良くわかりませんが、手洗い、マスクなど自分にできる全てのことをやってどういうふうになるのかみてみないといけないと思いました。これには自己管理、特に健康管理が必要ですね。お年寄りや小さい子ども、妊娠中の女性や免疫が下がっている方なんかはダンスなんかには貢献せず、やはり今はワクチンや特効薬ができるまでしっかり自粛、が正しいんだと思います。

もう一つの理由は、目に見えない精神的なダメージを予防したい、と思ったことです。別に実際にストレスを感じているわけではないし、もともと家が大好きな私としてはずっと堂々とテレワークして良い状況は万々歳ではあるんですが、こうして家の中を一度に数歩しか歩くことなく、プライベートと仕事の境界線が日々どんどんわかりづらくなっていき、気付いたら夜の11時ごろにマックスの集中力で書類を作っている自分がいたりすると、別になんの支障を感じてなくても、これはかすかにヤバいかも、と思い始めます。明らかに十分に日光に当たっていないし、しばらく大人しくしてくれていた肘のアトピーちゃんたちもなんだか急に元気だし、オンラインではなるべくビデオを使って対面で仕事をしているとは言え、友達と偶然会って、なんてことはない話をして盛り上がる、というようなことも努力しないと実現しなくなってきてしまったのはちょっとなんとなーくですが色々良くない、と思うようになってきたんですね。そもそもこんな私たちの世代にとって思いもよらなかったパンデミック自体が人類にとってストレスですよね。早めに行動して予防したい、と思いました。

さらに、もう一つの理由はチームのことです。私が引っ張ろうとしている職場のチームのメンバーには若い人も多く、どんどん期待に応えてくれてものすごくクオリティの高いアウトプットを出してくれるんですね。それが近頃少しだけですけど停滞してきました。はっきりした理由はわかりませんが、国連は時間で職員を束縛しないので、テレワークとなると、基本的には仕事を何時に初めて何時に終わってもいいわけです。それはそれで素晴らしいのですが、経験の少ない若い人には「ぎゅっと集中」という時間がだんだん持てなくなるのかなと思ったりもしますし、私自身がが必要がなければ会議は無駄と思っているので、どんどん会議をしなくなり、チェック機構が無くなってきていて、モチベーションが下がっているのかも、とも思います。色々と工夫はしますが、私がオフィスに戻ることによって、チームのみんなも週に1、2回はオフィスに行こうかな、という気持ちになってくれたらいいかな、と思います。

そして最後の理由が、ヒューマニティの部分です。人間の生活が「新しい日常 (New Normal)」になるという話はどこでも議論されていますが、感染を恐れ、家にじっとしていて誰とも会わない、というのがその「新しい日常」だとしたら、じゃあなぜ私たちは生きているのか、という人間の最大の疑問にみんなが悶々とする結果になりそうですよね。果たしてそんな日常や人生に意味はあるのか、と思い詰める人もいるかもしれない。もちろんそういう日常にも実は意味は当然あるのですが、やっぱりここは、最大の感染予防をしながら、前に進まなければ!となったわけです。自粛期間中もいろいろなことにチャレンジしてきましたが、やっぱり自粛明けも(また自粛が戻ってくる可能性も十分にありますし)どんどんいろんなことにチャレンジしていって、それこそが人間である、とそう思いたい、という希望的観測があるわけです。

これはもちろんタイの感染状況と死亡率の数字が良いからできることですね。タイの政府と人々に感謝ですね。数字が悪くなってしまったら当然さくっと自粛に戻らなければいけないでしょう。今こうやって世界中で同じように頑張っている人がいる、と思えることは大袈裟ですが、人類の進歩に思えて、私もモチベーションが高まります。6月中はオフィス出勤毎日できたらいいな。

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