コロンビアから

Bogotaコロンビアはボゴタに来ています。今回の出張は本当に久しぶりのキャパシティーデヴェロップメント(能力向上?キャパシティービルディング、略してキャパビルとも言いますね)のプロジェクトで来ています。スペイン語もできないのに私なんかでいいんでしょうか。お部屋の窓からの景色も撮影したのはしたんですが(こちら)、お安いホテルでもすごくキレイだったのでどうってことないんですけどお部屋の写真をくっつけてみました。時間をかなりさかのぼったので(しかも先週日本からローマに帰ったときにもかなりさかのぼった上に)到着したらヘトヘトになってしまいました。それにしても日本とはすっごく時差がありますね。それですぐにお風呂にはいってキングサイズのベッドで仮眠したらすっきり。
そうそう、今回は久しぶりにイベリア航空でマドリードから飛んできたんですが、アメニティがロクシタン(こちら)でちょっと気分が上がりました。リフレッシュメントシート、フェイス&ボディセーラム、リップ、そして定番のシアバターハンドクリームが入ってました。ミニサイズではありますが、この出張中に毎日たっぷり使える量は入っているので、最近乾燥しがちなわたしとしてはすごく嬉しい。ところで私、今回はせっかくのメイデイの連休を2日間もボツにして出張に来ています。なんだか悔しいので飛行機では連休気分になってやる!と思って頑張っていろいろ観ました。47 Ronin (2013)Fracture (2007)Dispicable Me 2 (2013)など。全部、ご飯を食べながらとか、うとうとしながら、とか中途半端な感じで見ているので何とも言えませんが47 Roninのくだらない感想としては、いままで浅野忠信さんを素敵と思ったことがなかったんだけど、この悪役ぶりを見てかなり素敵と思ってしまいました。そして映画全体として、ここまで武士道や日本人の源とも言える考え方を完全に無視したものも珍しいなーという感じ。ビーストだったらあんなにあっさり殺していいのか、とかも。ナウシカだったら笛でなんとかするのに。あとは柴咲コウさんがキアヌと抱き合ってていいなーとか、キアヌリーブスは多分頑張ってダイエットしたんだろうけど最後の大事なシーンではちょっとぷにっとしてたなーとか。本当にくだらなくてすみません。フラクチャーは面白かったです。単純に私はアンソニーホプキンスの大ファンなので。ライアンゴスリングもキュートに描かれていて良かった。水戸黄門的というか最近だと半沢直樹的というか、とことんやられたあげくに最後にどうだ!という感じ。ディスピッカブルミーは1をJALで芦田愛菜ちゃんの吹き替えで見たあとの英語版の2だったのでちょっとがっかりでした(単に愛菜ちゃんのファン)。それで今更分かったんですが鶴瓶さんの大阪弁なのはロシア語なまりを日本風にしたところだったんですね。それってちょっと微妙。今度は芦田愛菜ちゃんのアグネスで見たいです。そうそう、先週のJALでは往復でDallas Buyers Club (2013)American Hustle (2013)Frozen (2013)を見ました。他にも何か見たような気がするんですけど、しっかり書いておかないとなんだか忘れちゃいますね。
さて、明日は朝の7時15分にお迎えが来るそうです。早い。チリのサンティアゴから来ているカウンターパートのRも同じホテルに泊まっているので朝の6時半の朝食の約束をしました。いつもより早起きしなくっちゃ。ということで、仮眠をしたけれどやっぱりまだ身体を休めた方が良さそうな疲れ具合なのでお布団に入ろうと思います。お休みなさいませ。

アドリア海の真珠、ドゥブロヴニク

Dubrovnikここのサイトに載せるのをすっかり忘れていましたが、私そういえば1月の週末に職場の日本人の知り合いの女性に誘っていただいてクロアチアはドゥブロヴニクに行ってきたのでした。写真が世界遺産の旧市街。山の上から撮影しました。クロアチアは仕事で何度も行ったことがあるのですが、行くのは仕事の都合上オシェックという内陸の町で海岸が美しいといわれているこの国の一番の魅力を味わうこともなく仕事に追われていました。なので誘っていただいたのをいいことにすぐに行く!と返事をしてさくさくっと航空券とホテルを予約してくっついて行ったのでした。真冬なので観光客がほとんどいないということで、まあそれは善し悪しだったりするのですが、それなりに楽しく過ごせました。
Dubrovnik滞在中のお天気はあいにくの状態でしたが、こちらがホテルのテラスからの景色です。旧市街が一望できてとても素敵。海は遠浅になっているようで、底まで見える美しさでした。旧市街を囲っている城壁は登って歩いてまわることもできて、私たちも例外なく数少ない観光客に混じって歩き回りました。小一時間ほどで回れるサイズになっています。城壁から旧市街を眺めると、その美しいオレンジ色に統一された屋根がすべてなんだか新しく見えます。そしてハっとするのですが新しく見えるのではなくて、新しいのです。90年代の内戦でこの旧市街は壊滅状態になってしまったのでした。上のリンク(こちらもういちど)をクリックすれば分かるのですが、一部、オレンジ色や黄色、土色などが混ざっている屋根が、実は本来の昔のままの屋根。きれいなオレンジ色のものはすべて内戦後のものなのです。ほとんどすべてです。
観光シーズンには信じられない数の観光客、ほとんどがドイツやイタリア、ロシアなどから訪れるそうです。韓国からの観光客も多いみたいですね。そんな活気のあるシーズンにも是非いってみたいと思えるほど、90%以上のお店やレストランが閉店していました。彼らにとっては冬がバケーションシーズンなのですね。
さて、全く関係のない話しですが、つい最近、ここ1年ほどああでもないこうでもないと書き直しをやらされていた論文がやっとアクセプトされたのでお知らせです。まだプルーフも来ていないので私自身が論文の最終稿をこの目で見ていないのですが、こちらがパーマネントリンクだそうです。関係者のみなさま、ありがとうございました。なんとか一段落です。

歌劇「アルチーナ」@パリオペラ座(ガルニエ)

オペラガルニエ

先日ちょこっと書きましたが、2月の週末にパリのオペラ座(ガルニエ宮)でヘンデルのアルチーナを鑑賞してきました。写真がパリのオペラ座ガルニエ。オペラという名前のメトロの駅を出て階段を上り、振り返るとこの景色が待っています。観光客のほぼ全員がこれをキャーといいながら写真撮影しています。私もその一人。さて、アルチーナをかいたヘンデルはドイツ生まれのイギリス人。ですがイタリアにも長い間滞在したのでイタリアンオペラをたくさんかいています。アルチーナもそのひとつ。1700年代に生まれたオペラですが、中身のお話の時代はもうちょっと前を設定されているような、完全なファンタジーのお話です。私はローマで短編を1度、パリでもう一度見たことがあるんですが、そのとき全く歌の内容は分からなかったものの、超絶美人が本物の恋愛をできない悲しさのようなものを見た気がして、なぜかすごく心に残っていました。別にそういうお話ではないんですが。

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雨のパリから(オーランジュリー美術館も)

ランドリー旧正月も終わり、カルネヴァーレも終わって、去年と同じく私はパリに出張にやってきました。残念ながらここのところずっと雨です。今回は週末も合わせての出張なので長いし、冬の洋服はかさばるし、ということでホテルでランドリーをお願いするしかないんですが、細かいランドリーがこんなかわいい袋に入っていて、中もひとつひとつのガーメントが袋にきちんと入っていてなんとなくパリ!という感じがして嬉しかったので写真をとってみました。少なくともイタリアでランドリーがこんな袋に入ってくることはない、と思います。この袋、中は蛍光のグリーン(端の色)であざやかでした。あまりに可愛くて捨てれないけどどうしようもないですね。こうやって写真を見ると安っぽい椅子もなんとなく可愛く見えるし、私は実はちょっとオーガニックな色とパターンのカーペットが苦手かも、と思ったんですがこうして見るとそんなに気持悪くはないですね。パリのプチホテル実際本当に悪くないです。そういえば出発前に「私のフライト夜の11時に到着だからホテルには真夜中過ぎに到着するからお知らせしておきますね。到着するころにちゃんとフロントの人はいますか?」とメールしてみたら「ピンポンをおしてくれればすぐ出て行きますので大丈夫です。夜中のフライト大変ですね。でもゆっくり眠れば朝には美しいパリが待っていますよ。Sergioより」という素敵な返信がきたんですよね。それだけで気持がすっと軽くなってありがたいなーと思いました。英語もフランス語も流暢なSergio、ありがとう!
今回の会議の議長さんのアメリカ人女性とは私はもう8年にわたる知り合いなんですが、出張前にメールがきて「週末どうするー?」と言われたので「一緒にどこかにいこう!」となっていたんですね。で、彼女の同僚も一緒に3人で今日はオーランジュリー美術館に行ってきました。実は私3回目です。でもいつ行っても新しい発見があってすごく好きです。今回は地下のギャラリーがずいぶんキレイになっていてまたまた楽しめました。1回のシグニチャールーム(2部屋)のモネももちろん圧巻ですが、地下のポールギョームのコレクションの充実度にかなり「圧倒」されます。今Overwhelmedって日本語でなんだろうと思って調べたら圧倒されるとか参るとか出て来たんですけど微妙に言いたい感じと違うんですけどまあ仕方ないですね。圧倒されつつ、頭の中や心の中があまりの情報量にごちゃごちゃしてきてパンクしそうになる、という感じでしょうか。あれ、それがつまり圧倒されるってこと?
印象派は日本人にとても人気だというのは実はフランス人にとっても常識のようで、面白いなと思います。モネもいいしセザンヌもいいんですが、やっぱり女の子という意味でローランサンのパステル調の絵はこう、心がつかまれるというよりは目が離せなくなりますね。女性?馬?犬?みたいなメタモーフィスも目が離せなくなる原因だろうけれどやっぱりあの色合いがぎゃーともがきたくなるほどなにかをくすぐります。私はもともとない語彙がさらに海外生活のせいで(今思い切りさりげなく自分の知性のなさと衰えのせいじゃないことにしました)どんどんなくなってきているので、なんでもすぐ「かわいい」と言ってしまうんですが、上のランドリー袋を「かわいい」と思った同じレベルでピンクとグレイのローランサンの絵を「かわいい」と思ってしまうんですよね。それはそれでどうなんだろうと自分で思わないこともないんですが、芸術って結局なんなんでしょうね。「好き」という気持ちだけじゃだめなんでしょうか。
あとはやっぱりルノワールですね。少女も女性もオレンジとピンクがかったような上気した頬がつるりとしていてうっとりします。ユトリロのパリを愛する感じも好きです。オーランジュリーの建物自体もいいです。じっくり2時間半楽しんだあと、3人でアンジェリーナのサロン・ド・テでランチしてきました。上に書いたSergioは特に親切にしてくれるフロントマンなんですが、彼が昨日、「明日土曜日だね、予定はどうなってるの?」と聞いてきてくれたので「友達と3人でオーランジュリーにいってアンジェリーナでランチでも、と思ってるんだよね」と言ったら、「そうなんだ、たのしんでね!」とにっこりしてくれただけで嬉しかったんですね。それが、今日、起きて朝食の前にフロントに寄ったらSergioではないフロントの人が「これSergioからだよ」とお手紙を渡してくれたものに、なんと今日のプランがすべて書いてあったのでした。工事中のメトロの駅を避けた交通手段もプリントアウトしてあったし、なんとランチのテーブルまで予約してくれていて、びっくり。Sergioは気を利かせて昼の1時で予約してくれたんですが、12:30に到着した私たちをアンジェリーナの皆さんも、嫌な顔する事なく長ーい行列をするするとパスしてすぐに席に通してくれて、一緒にいた二人に「マサミ!あなたみたいに完璧になんでもやる人を見た事ない!FAOで働いている事にまたすっごく納得した!」と言われちゃいました。えっへん。でも私じゃなくてSergioがすごいんですけどね。
明日は多分ひとり行動になりそうです。というのも出発前にあわててパリのオペラ座のスケジュールを確認したら、私の大好きなイタリアオペラのアルチーナを日曜にやっていることを発見したのでチケットを手配したら一人ならいい席があるということだったので一人で行くことにしたのでした。アルチーナを見るのは実は3回目なんですが、ここのサイトに書いた事なかったですね。今度時間があったらどういうところが好きなのか自分で分析しながら書いてみたいところです。ところで今回FAOから指定されているホテルはパリのかなり北のほうにあるのですが、会議にはすっごく遠くて毎朝微妙に凹みますが、オペラ座(ガルニエ)が遠くないのを逆手に取って週末でこの凹み気分を挽回しようと思います。乗り換えなしで数駅なので本当にラクラクです。じっくりオペラを楽しむ明日のために今日は夜は出歩かずにホテルでゆったりと過ごそうと思います。

仕事でセビージャへ

Seville Trip先週は水曜日から土曜日(昨日)までスペインはセビージャ(セビリア)へ会議出張してきました。セビージャは暖かいイメージがあったのですが、突然の寒波だったらしく、ローマと同じくらいか、それ以上に寒くて驚きました。あまりの気温の低さに会議を開いてくれた側も驚いたみたいで、建物のパティオでコーヒーブレイクやランチを出していたのを、翌日には建物内に変更してくれたくらいでした。突然の気温の変化で町の木々も瞬時に紅葉したそうです。写真は川岸の遊歩道。ここを歩いて毎日会議に行きました。
今回会議を開いたのは欧州連合の研究機関のひとつ。じつはたまたまなんですが、そこに勤める私の仲良しのイタリア人の友達(この夏ボーイフレンドと一緒に東京にきてくれた子です)がいて、仕事のついでとはいえ、久しぶりに再会できてすごく嬉しかった。いろいろとつもる話もあって毎晩のようにちょっと会って、タパスバルに行ったり、ケーキと紅茶が美味しいカフェに行ったりしてしゃべりまくりました。彼女のボーイフレンドも一緒に参加してくれた夜は日本での思い出をさんざんおしゃべりしてくれて、ふたりとも日本では私の夫のAさんとも時間を過ごしたので4人で過ごした面白可笑しい話をひたすら続けて笑い合いました。築地で朝からみんなで頑張った話や、そこにいたヘンテコイタリア人のおじさんの話など、本当におもしろいことばかりでした。
Seville Tripタパスバルではとりあえずイベリコ豚のハムをいただき、相変わらずのトロトロの美味しさに感動です。日本での食事はすべてが感動の連続だったと語る二人ですが、いろいろなところでさまざまな日本人に巡り合って、とても良い時間を過ごしたそうです。小さな町の旅館のおじさんと仲良くなって、行くところ行くところすべてに電話してくれて全員に親切にしてもらった話、ふらっと入った食堂で同じカウンターに座った英語堪能な壮年夫婦と10分くらい盛り上がっただけで、その夫婦が帰った1時間後くらいに店を出ようとしたら帰るときに「お会計はあのご夫婦からいただいております」と言われて驚愕した話、デパートで和風の布を買おうとしてデパート総動員で東京中のお店に電話して本物の和服の布の端切れが買えるところを教えてもらった話、関西で「するっと関西」の買い方を聞いただけなのに、お金持ちそうなおばちゃんが2枚目の前で買ってくれて、それをくれた話(私もびっくり)、奈良までいく電車の中で前に座った60代の姉妹が次から次に食べ物を与えてくれ(あめ、チョコ、どら焼き、おたべなど)もらうたびに「アリガトゴザイマス」と言っていたらキャーキャーと喜んでくれ、最後にはおむすび弁当にお茶まで買ってくれたという話、などなど私も驚く日本人らしさ全開で聞いているだけで心が非常になごみました。
このイタリア人の女の子とアルゼンチン人の男の子カップルが、非常に素朴でかわいらしい雰囲気だというのもすごく大きいと思うんですよね。いつも笑顔で、助けたくなる日本人のみなさんの気持ちが良くわかります。私の故郷を楽しんでくれて本当に良かった。そして関西(大阪、京都、奈良をたずねたそうです)がいちばん個性が強くて楽しかった、と言ってくれて大阪出身のAさんも喜ぶことでしょう。今度は九州にも来て欲しいところです。
仕事もすんなり行ったし、満足の出張となりました。たくさんの同じ分野の専門家と出会えるのもこういう出張ならではです。ネットワーキングもできたことだし、また一週間がんばります。