夏のローマには必須のナゾーネ

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9月も半ばに差し掛かるところですが、ローマはまだまだ暑いです。上の写真は先日アメリカ人の友達Mと一緒にウォーキング(ランニング)に行ったVilla Doria Pamphilij(ヴィラ・ドーリア・パンフィーリ)のある、ジャンニコロの丘の近くのFontana dell’acqua Paola「パオラの水の噴水」です。これはローマっ子には通称でIl Fontanone(イル・フォンタノーネ、つまり大噴水)と呼ばれていてアカデミー賞を取った映画、La Grande Bellezza(邦題は「グレート・ビューティー/追憶のローマ」)の一番最初のシーンで出てきます。この写真を撮った私の位置からくるりと振り向くと高台からローマが一望できるのですが、映画では、ここで日本人観光客のグループのツアーをやっているんですね。ツアーガイドのローマ人女性は噴水の話をしているんですが、ふとそのローマ全体の景色をみようとグループから外れて歩いていく日本人のおじさまが、なんと心臓発作で倒れてしまうところからお話が始まります。この映画はオスカーを取ったとはいえ、評価はバラバラで、イタリア人の友人の感想も最高のものから最低のものまであります。この映画が好きじゃない人は高い頻度で「よくわからない」と言います。何とも表現しづらいのですが、この映画の「どうだ、よくわからないだろう、これが芸術だよ」と上から目線で言われている感覚は私も分からないでもないです。でも私はこの映画が好きです。なぜなら私の好きなローマがたっぷり詰め込まれていて、愛情を感じるから。

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チュロスとゲルニカ

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Full Album is available at Madrid Aug 2022 | Flickr

マドリード生まれでマドリード育ちの友人、Lが1ヶ月もしたらローマに引っ越してくることになって、引っ越しまでにマドリードに遊びにきてよ、と言ってくれたのでお言葉に甘えてマドリードまで8月の最初の週末に行ってきました。上の写真はチョコラテリア(ホットチョコの老舗)であるサンヒネス(San Ginés)のチュロスとポラス(太い方)です。朝食にお腹を空かせて1キロほど歩いて行ったにもかかわらず、私にはチュロス1本半、ポラス1本、チョコラーテは半分が限界でした。残りは左隣にいたメキシコ人の母娘の旅行客と左隣に座ったイタリアはナポリから来た二人の青年がもらってくれました。こういう時におひとり様はちょっと困りますね。でも味はとても素朴で美味しかったです。ポラスは初めて食べたのですが、チュロスよりもカリカリ感が少なく、フワッとしていて、チョコラーテに浸した時の満足感がチョコドーナツの満足感だったので、ああ、これを好きな人はいるだろうなぁと納得しました。ちなみにバルセロナではチョコラーテにホイップクリームたっぷりのものをスイソと言っていましたが、マドリードでは普通にイタリア語(チョコラータ)に似ている(というより複数形そのもの)チョコラーテ、と言っていました。フランス語だとショコラショゥというので同じラテン語系でもそこそこ難しいですよね。

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暴君ネロの黄金の宮殿(ドムス・アウレア)

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Full Album is available at Domus Aurea July 2022 | Flicr

前回ローマに住んでいた時(2006 – 2016)には訪れなかった観光名所というのは意外にもたくさんあって、11年もいたのに!と自分でびっくりすることもありますが、このDomus Aureaもそんな遺跡の一つです。よくよく調べてみると、非常に広大な敷地に建てられた巨大建築だったらしく、紀元64-68年に建てられたということに驚愕してしまいます。しかも贅沢のかぎりを尽くしていたらしく、装飾も建築もこだわりが詰まっています。なぜ私はこの遺跡の存在にまるで気づかなかったのか、と思って今回色々みていたら、私が渡伊する1年前の2005年のローマの大雨で、この遺跡、なんと閉鎖されていたんですね。しかも2010年にはその影響か、一部が崩落してかなり危険な状態になり、近年ではコロナの影響で2021年まで閉鎖されていたんだとか。道理で私のレーダーに引っかかってこなかったわけです。これは6月の終わりに夫のAさんと話していた時に「ここオープンしたらしいよ、行ってきたら?」と言われて初めて気づいたのでした。それで言われるままにそそくさとオンラインで予約して行ってきました。

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5月のウィーンでの週末

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Full Album is available at Vienna May 2022 | Flickr

5月27日の金曜日から30日の月曜日の早朝にかけて、仕事が終わってから超特急でパッキングをしてオーストリアはウィーンまで行ってきました。ウィーンに駐在している日本人のお友達のAさんが6月には日本に帰国してしまう、ということで、彼女がウィーンにいる間に会いに行きたいと思っていたのにぎりぎりになってしまったとはいえ、週末をとても楽しく過ごせたので大満足です。上の写真はウィーンに行くたびに、わざわざこのためだけにお腹を空かせて頑張って食べるおいしいシュニッツェル。2015年にウィーンに行った時にはCafe Landtmann Restaurant(カフェラントマン、表参道にも支店のあるウィーンの有名なカフェです、私も今知ったんですが、日本って本当になんでもありますね)でシュニッツェルをいただいたんですが、今回はPlachuttas Gusthaus zur Oper(プラフッタ・ガストハウス・ツァ・オパー、と読みます)というウィーンにも数軒あるPlachuttasという有名なレストランのフランチャイズの一つで名前の通り歌劇場の近くにあります。プラフッタはターフェルシュピッツ(牛肉のスープ)で有名なんですが、ここはどうやらシュニッツェルがシグニチャーということで楽しみにやってきました。お腹が一杯になってしまいそうなので、日曜日の午後、美術館を回ってから15時という微妙な時間に入ったので、特に待つこともなくスルッと良い席に連れて行ってもらえました。

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イタリアに勝てない

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2週間ほど前に、週末のランニングでカラカラ浴場遺跡まで行った時に、久しぶりなので8ユーロ払って中に入って観光をしてきました。早朝だったのでこのカップルと私以外に人がいない状態でかなり満喫しました。カラカラ浴場遺跡は私の職場のすぐ隣なので、常に近くにあるのですが、なかなか中に入ることもないのでこの機会にゆっくり1時間ちょっと楽しむことができてよかったです。この遺跡では夏になると屋外のオペラをやることも多く、私は今までオペラのために3回くらいここに入ったことがあるのですが、その時はオペラのチケットがあれば入場を許されて、オペラの開演時間まで歩いて回ることもできるんですね。でもそういう時ってオペラに興奮していてなかなか観光というような気持ちになるわけではないのです。

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