感謝祭の休暇に合わせて日本に帰ってきました。JALのローマ東京直行便は経営不振でとうの昔に撤退してしまったし、今回の大震災の影響で(というより原発問題の影響で)アリタリアはChickened outして東京行きを大阪行きに変更してしまったしということで、ローマから直行便がなくなってしまった今は、乗り継ぎをする以外なく、今回はパリ経由で帰って参りました。
フライト中はよく眠れたし、あっという間に日本に到着しました。到着ゲートに迎えにきてくれていたAさんの運転でつくばに帰って、ひさしぶりにのんびりとした土曜日の午後を過ごすことができました。小雨が降っていましたが、ローマでひとり心細く過ごす週末よりずっと良くて日頃のストレス(?)があっという間にどこかにいってしまうのが自分でもよくわかりました。
日本にいる間は家族のみなさん、お友達の皆さんぜひ連絡くださいね。しばらくゆっくりします。
日本で良かったもの(くだらないかも)
もうローマに帰ってきて1週間がたってしまいましたが、今日は楽しかった日本での年末年始を振り返りつつ、日本で「おお!」と思ったものを書いてみたいと思います。まず始めに、2008年頃には「最近の若者の音楽」風だった「いきものがかり」ちゃんたちが異常に社会的に成熟していてびっくりしたついでに普通にファンになりました。
もともと私は「売れてる」音楽を好きになる傾向があるのでこれも同じですね。そして皆さん高学歴だということを教えてもらって感心しきりです。そして友達のHが「でもお休みしちゃうらしいよ」と言っていて、「え!なんで?」ってきいたら「うーん、そこまでははっきり教えてもらってない」とHが言ったのでかなり笑いました。「なんで?」ってHに聞いた私が普通にヘンですけどね。
つぎに今回良かったなと思ったのがマツコデラックスさん。数年前から人気の彼(女)ですが、外国から見ていると、なぜあの人が、毒舌人気とはいえ、どんな人気なんだろう?と疑問に思っていました。しかもイタリアにはそっくりなパラティネッテさんというコメディアンがいるので、その人とかぶせて見ていて、私は分からないわーと勝手な感想を持っていたんですが、年末に暇を持て余してテレビに集中していたら、マツコデラックスさんってヒューマンな優しさがにじみ出ている方なのですね。本人はそう言われたくなさそうな気配がなきにしもあらずですけれど、本当に素直で優しい人ってその素直さや優しさを隠せませんよね。わー素敵、と単純に思ってしまい、まぁもしかしたらテレビ的な演出かもしれないそのちょこっとにじみ出た優しさに感動してこれまた普通にファンになりました。マツコさんが素人をフォローするときに「アンタ、なんか、けっこう好き」といったりするのがじーんとしてしまいます。もしかしたらわたしも年をとったので小さなことですぐ感動しやすくなっただけかもしれませんけれど。
そして最後の週末に旦那さんのAさんが思いつきで葛西臨海公園の水族館に連れて行ってくれたんですけど、キラッキラのまぐろにとてつもなく癒されました。そしていろいろと説明を読んでいると、スズキとサバとマグロとカツオという私の中では4種類の魚だったものが、実はいろいろな意味で入り乱れていてある種のカツオはスズキ目のサバ亜目のサバ科のイソマグロ属のカツオだったりするということが分かったりして驚愕でした。食にまつわる仕事をしているのにお恥ずかしいかぎりです。ゆったりと泳ぐ大きなクロマグロ、かっこ良かったです。時々目にも留まらぬスピードで泳いだりもできてすごい。しかもえら呼吸のために永遠にガンガン泳ぎ続けているところも、何かの縮図のようでした。
他にもいくつか良かったものがあった気がするんですが今日のところはこの3つということで。
初めての競馬:有馬記念
ご無沙汰しています。私は日本に帰って来て休暇をすっかり満喫しています。23日の早朝に成田に到着し、イブイブだったその日は、とあるイベントに旦那様のAさんと一緒に参加して一日楽しく過ごし、イブはつくばでAさんの仕事が終わるのを待って、近所のお気に入りお寿司屋さん(去年もクリスマス当日に行きました)に連れていってもらってミニクリスマス。今年はサンタさんから強烈に嬉しい3つのプレゼントをもらって大興奮しました。ありがとう!
そして25日は姉の一家とクリスマス会の予定だったので、お昼過ぎから準備して東京へ。ほぼ毎日DS競馬ゲームがルーティンワークになりつつあるAさんと、電車の中で何とはなしに、競馬の話をしていたんですが、私が本当に競馬のことを何も知らないのでちょっぴりバカにされながらも、この機会にひとつひとつ丁寧に教えてもらっていたんですね。するとAさんが「明日は有馬記念っていう大きなレースだよ」というので「じゃあそれにいってみようよ」と軽い気分で言ったら今度こそ本気で「有馬記念は何万人もの人が行列作って見に行くレースだよ、しかも中山競馬場は東京じゃなくて千葉だし」と完全にあきれられました。あ、そうなんだ、と思ってちょっぴり恥ずかしかったので「えー、じゃあ東京にも馬券を買えるところあるんでしょ、今日はそこに行きたい!」と意地を張ってみたところ、奇しくも乗っていたつくばエクスプレスは浅草駅に到着したので浅草の場外馬券売り場、ウィンズ(というのも今回初めて知りました)に行くことにしました。
電車の中で、何て言う馬が強いの?何番?と聞いていたら、Aさんが「いくらなんでもどの馬が何番かまではソラでは言えないよ、駅のキオスクでスポーツ新聞買って調べよう」といったのですが、どうしても待てない私は、私のほぼ口癖である「なに?なに?」の7-2と、Aさんの口癖である「いいよん」の1-4と、さらにその4つの番号のうち一番ゴロが合う、「いいな」の1-7と「ない」の7-1で固めようと言い張りました。これにさらにあきれたAさんは「情報ゼロで番号は決めれないよ、しかもこのレースは16番まであるって知ってる?(私は当然知らなかった)しかも今回武豊の馬は出走取り消しだから決めた番号に武豊の馬があったりしたら絶対当たらないっていうひどいことになるよ」と言うので、やっぱり駅のキオスクで新聞を買って情報を得ることにしました。
そして買ってすぐ新聞を広げて一面を見てAさん、呆然。「すごい!7番ブエナだよ。しかも1番を予想してる人この紙面でもすごく多いよ。4番も2重丸アリだよ」だそうです。言っている意味があまり分かりませんでしたが、どうやら私の当てずっぽうな語呂合わせが、それほどとんでもないものでもなかったようです。満足な私はにんまりしてそれからウィンズへ。
ウィンズの中に入って実感したのは、やっぱり競馬というものは敷居が高いというか低いというか、ちょっとおっかない感じがしますね。ウィンズにはたくさんのちょっと汚い身なりのおじさまたちが陣取っていて、私たちのようなお客さんはさっと来てさっと帰る感じ。ゴミは散乱してるわ、マークシート方式の紙の中に書いてある専門用語はさっぱり分からないわで、そわそわしながら、Aさんに教えてもらった通り、私の発案した語呂合わせをマークして券売機へ。上の写真のようにひっそりと馬券を買いました。この写真の手前の馬券がAさんが買ったもの。奥の馬券が私が買ったもの。プラス、私はどうしても「馬単」というのも買ってみたかったので、同じ組み合わせで買いました。ただし、ここがすごく大事なんですが、1-7だけ、7-1に変更で。というのもブエナビスタが7だと分かった以上、1-7を買うより固いかと思ったのでした。後で考えればここでそんな小賢しいことをしなければよかった。
で、ご存知の皆さんはご存知の通り、3時25分から行われた有馬記念の10Rの結果は写真判定のハナ差で1-7。あああ興奮しました。上の写真の2枚の馬券で、夫婦でちょっとだけ勝ち越したんですけど、勝ったこと自体は結構どうでもよくて、私が電車の中でブエナビスタが何番か分からない状態でこの組み合わせを当てたことのほうが気持ちよかった。確かに固いレースだったということですが、それでも初めてのGIで、テレビの前でこんなに興奮できたことが何より嬉しかったのです。レースが終わって数秒後には普通に戻ってしまったAさんと、一緒に見守ってくれたうちの姉がさっさと気持ちを切り替えて他の話をしているのに、私はいつまでもレースの後味にひたっていました。いやぁ興奮しました。有馬記念さま、私にひとときの楽しみと興奮をありがとう。
そうだ、Aさん、馬券をちゃんとお金に替えておいてね。そして美味しいものでも食べてください。
アイノ・アアルトでバッグ作り
毎日楽しく休暇を過ごしていますが、改めて言うまでもないんですけど、本当に暑いですね。まあ仕方ないですね。
昨日まで毎日の様に遊び歩いていたので、今日くらいは、と思ってお家に引きこもってバッグを作ってみました。フィンランドに行ったときに大量に購入してきたファブリックを使ってできたのが写真のボックスバッグ。アルヴァーアアルトの最初の奥さんで、iittalaのグラスウェアなんかの秀逸なデザインを残した、アイノ・アアルトのデザインで、”Lehtikangas”という名前がついているデザインです。フィンランドで旅行中、このデザインのブルー地に白の模様、白地に赤(というより朱色)の模様、そしてこの黄色バージョンを見かけたんですが、やっぱりこれがいちばんカワイイ気がする。そして昨日友達のHに会った時に、「バッグをかっちりさせたいときはフチを縫えばいいんだよね?」といったら「うん、2ミリくらいをぐるりと縫えばいいよ」とのアドバイスをもらったのでやってみたらかなりかっちりしました。
白が基調の、厚手とはいえ普通のコットンなので、きっと汚れやすいと思って、さっき出来上がりに防水スプレーをかけまくったらさらに強度が増した気もします。今回はズルして、接着芯というよりは両面接着シートを購入してきて、表布と裏布をアイロンでくっつけてます。そのあとのステップとしては、中表にしてワキと底を縫って、マチを合わせてぐいぐいとアイロンをかけまくって裏返し、上部のフチをくるりと縫って、フチを縫って、買って来た皮の持ち手を刺繍糸でチクチク手縫いでくっつけておしまいです。
でもまあさすがにこんなにワイドオープンなボックスバッグをローマで持ち歩くとスリの良いカモになってしまうので、バッグインバッグみたいにしようと思って裏布と同じ布で内側のバッグを作りました。適当に作りすぎて、いざヒモをダブルに通したら結構キツ目になってしまって開け閉めがちょっと大変です。まあそのうちこなれるでしょう(と思いたい)。
実は昨日は、その友人Hに会いに、はるばるつくばの田舎から横浜まで行ってきたのですが、そのとき最近みなとみらいにできたというモール、Colette Mareに連れていってもらって、Topshopが入っているというので急に嬉しくなって嬉しくなったついでにセールになっていたカワイイ黄色っぽい靴を買ったんですね(試着していたときにふと横をみたらHも全く同じ靴を試してて笑えました)。結局お買い上げしたその靴に合うような感じでバッグを作りたかったので、中は焦げ茶の入ったマルチストライプにしました。私ってどうしてこんなにマルチストライプが好きなんだろう。
そして余り布で小さなポーチも作りました。ちょっとした鍵とかリップとか入れようと思ったので、口金(?)はバネのものにしましたパコっと開くタイプ。パコっと開けると、その私の好きなマルチストライプがチラっと見えて、すごく嬉しい気分になります。こんなことでインスタントに嬉しくなれる私も私ですけど。
私が作るバッグは直線縫いばっかりでデザインもなにもないし、ファブリック自体のデザインに頼っている部分が大きいのですが、昨日Hにもらった手作りのバッグは2種類のオイルクロスの表布にレースが挟んであって、リネン風な裏布がきっちり貼ってあってキレイな仕上がりでした。さすがアパレル専門だわーと思ってしみじみと眺めました。H、かわいいバッグありがとうね。私も精進します。オイルクロス縫い用のミシンの押さえもありがとう!手作りだなんてすごい、と思いました。さっそく使います。
オルセーリベンジ、そして謙虚であること
休暇で一週間日本に帰って来ています。パリで悔しい思いをしたので、旦那さんのAさんに「行く?」と聞いたら「行きたいと思っていた」というので、先日の3連休の中日に早起きして国立新美術館のオルセー美術館展に、結局行ってきました。連休だしものすごく混んだりするんじゃないかと思って開場が10時なので9時15分頃到着してみたら、すでに長蛇の列。と思いきや、特に待ち時間はなく、9時半に早めに開場してくれて5分後には私たちはモネの庭の蓮やタヒチの女たちを至近距離で眺めていたのでした。
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