もうすぐローマへ

私の長かった日本滞在も、残すところあと3週間となってしまいました。いろいろなところに行って、いろいろなことをして、本当に充実していました。熊本で両親とゆっくりしたのも、隣に住むおばあちゃんとゆっくりお話できたのも、九州新幹線に乗れたのも、大阪の両親とゆっくりビールを飲んだりお食事したりできたのも、義母と京都に遊びに行ったり阪急電車ツアーに行ったりしたのも、Aさんと毎日いろいろくだらないことで笑ったりしたのも、母を連れ回していろいろなところで遊んだのもすごく楽しかった。姉家族と頻繁に会えたので、愛する姪っ子を思う存分甘やかすことができたし、大阪や名古屋や横浜や横須賀の友達に会えたのもすごく良かったです。
この分だとローマに帰るのがつらくなってしまって大変かもなぁとかすかに心配していたんですが、その心配を遠くからまさに察してくれて、ふんわりと和らげてくれるメールがローマの大切な友人でかつ、私のランドロードのAから届いて、涙が出るほど感動したのでここにメモしておきたくなりました。大変私的なものですのでそういうものに興味がない方は飛ばしてくださいね。
「私の親愛なる(注:最上級)Masamiへ。元気?帰る準備はできていますか?もうすぐローマに戻ってくるあなたをちょっとでも励ますために、たくさんの人があなたを迎える準備をしているということを伝えたくてメールしています。そう、あなたにはきっと想像もできないと思うよ。Mはあなたがいない間に改築作業を全部終わらせて、今、あなたのフラットのお部屋は全く….違う!きっとびっくりするよ。あなたが気に入ることを心から願います。すごく新鮮よ。新しい床、新しい電気システム、新しいマットレス,そしてあなたがほしがっていた新しいボイラー!これであなたが長い出張から帰ってきても、お湯が沸くのを待つことなくすぐにシャワーを浴びることができるね。
先週私はG(注:もうひとりのローマ人の友達)と一緒にEuroGarden(注:私の職場の近くにあるナーセリー)に行って、あなたが気に入るような新しいお花やハーブをたくさん買ってきました。Gが全部選んでくれて、あなたのバルコニーに植えてくれたよ。とてもキレイよ。プラス、G(注:私のところに来てくれるフィリピン人の女性、お手伝いさんではあるけれど、私にとっては大事な友人です)は細かいところまでお掃除に余念がありません。来週も来てくれるし、改築などのすべての作業が終わるまでちょくちょく来てくれる予定です。Gの仕事についてはあなたがよく知ってるよね、完璧です…。
家具屋さんもあなたのフラットでせっせと家具を組み立ててくれています。昨日B(注:私が車をとめている地下ガレージのローマ人のオーナーのおじさん)とも少しお話したけれど、あなたのプジョーのバッテリーがあがらないように、週に何回かはエンジンをかけてくれているそうですよ。このようにあなたを迎えるためのたくさんのアクティビティが進行中です。
あなたが帰ってくる日は残念ながら私とMはデンマークにむけてツーリングに行っていていないけれど、GとGはいるからいつでも連絡してね。もし帰る前に何かGにしてほしいことがあったら私にメールしてくれれば伝えておきます。
あなたとあなたの家族が健康で元気であることを願ってます。絶対よろしく伝えてね。
そわそわとあなたを待っているAより」
これで、寂しさが5%くらい減ったような気がします。ローマの新しいお部屋を見るのも楽しみになってきました。でもあと3週間、毎日暑いですけれど日本をもう少し満喫します。

ふたごのチューリップ

Tulipsまたチューリップですが、私のバルコニーが今すごいことになっていてチューリップが咲き乱れています。これはひとつの球根から2つ花が咲いたもの。すごくかわいいです。手前にちらりと見えている深い紫色のも、朝日に当たってすごくきれいでうっとりします。毎朝癒されてます。
さて先々週行った会議の成果である書類をFAOとWHOの刊行物として出版できる雰囲気になってきました。いま技術編集してもらっているところなんですが、長い長い執筆プロセスと試行錯誤を経て、図なども作ったので、それをグラフィックデザインしてもらうところまできてちょっとホッとしています。タイトルは多分、FAOとWHOの食品安全緊急時のリスク分析の適用ガイド、というような感じになると思います。いやぁこうやって日本語にすると固いですね。英語だともっと柔らかな感じがするんですけど、まぁ感じがするだけかもしれません。
最近ローマは急に夏がやってきたとしかおもえない毎日で、早速地中海性気候丸出しです。週末にはテルメにいって水着で日光浴とぬるい温泉を交互に楽しむという贅沢きわまりないことをやって、さらに日曜日の午前中にビーチにでかけたら早速ビキニの人で大にぎわいでした。さすがローマ人。
今週末から中東とボルトガルへの出張です。プレゼンの準備もしなきゃいけないのに、どうして1日は24時間しかないのでしょうか。がんばります。

春、そして食品安全に関する共同声明

どこにいてもどんなことがあっても、時間はとまることなく季節がめぐっていくのが、今は特に不思議に感じられますが、ローマにも春がやってきました。私のバルコニーにはミントが繁り、オランダから大量に仕入れて来たチューリップがぐんぐんと伸びて様々な色でバルコニーを彩って私を癒してくれます。
私の部署では先日、FAOとIAEAとWHOの共同声明を出しました。

横浜にあるFAO日本事務所が日本語版を正式に出しています。

金曜日には直属の上司が日本へ旅立ちました。これから忙しくなりそうです。

大震災に関して

まず、この震災で亡くなられた方とそのご遺族の方々に心からお悔やみ申し上げます。そして被災された方、さまざまな直接のあるいは間接の影響を受けている方、本当にご心情は計りしれません。
私がこの1週間で、改めて思い知ったのは「人と人の思いやる心というもの以上に大事なものはこの世の中には何一つない」という当たり前のことです。言ったり書いたり思い知ったりするのはこんなに簡単なのに、いつも常に実行するのは何と難しい事でしょう。ただ目の前にいる人の気持ちを考え、思いやる、ということをうっかりすぐ忘れてしまうのは何故なんでしょう。
地震の日から毎日数十分おきにオフィスにいろいろな部署から同僚が現れ、特に私が落ち込んでいるわけでもないのに「大丈夫?」「気分はどう?」「コーヒーおごるよ」と声をかけてくれます。正直、最初はこれだけの大震災だから表面的にも声をかけるのだろうと思っていたのですが、ニュージーランドの友達に先日私も声をかけに行ったことを思い出して、そういうわけでもないなと思いなおし、素直にありがとうと伝えていました。でもそうやってありがとう、とニッコリしているうちに本当にその何気ない声かけにものすごく励まされました。私の状況なんて被災者の方や日本にいらっしゃる皆さんに比べたら、励ましてもらっただなんて本当におこがましいのですが。でもそんな励ましのおかげで、その日のうちに飛んで日本に帰りたい気持ちをなんとか静めることができたし、断水状態だったつくば市の食い口を減らすことに協力できたはず。
そしてキャンセルしようと思っていたパリへの出張も、「私がキャンセルしてローマでもんもんとしていたところで何一ついいことはない」と思い知らされ、いつものようにちゃんと仕事をすることのほうがずっと大事だと考え直して水曜日からの会議に参加して今朝ローマに帰ってきました。
地震直後にアメリカの赤十字(iTunes経由)で義援金を送ったのですが、さらに今日、日本の赤十字にもほんの少しですが送りました。みなさんもうすでにこういうことはされているとは思いますが、もしきっかけがなくてまだされてなくて、「どのサイト?」と思ってらっしゃる方がいたら、こちらのリンクご利用ください。

とにかく今、私にできることはお金を小額でも送り続けること、そして私の周囲の人、目の前の人、身近な人を思いやり、優しくすること。小学校の訓示みたいですが、そういった小さな事がすごく大事ですよね。エゴを捨てるのは難しいことですが、少しでも近づけるように頑張ろうと思いました。

ファルネーゼ宮殿

ローマの歴史的中心地区にある、ファルネーゼ広場のファルネーゼ宮殿は、写真の国旗で分かるようにイタリア政府がフランス政府にフランス大使館として永遠に貸している建物です。EUの国旗とトリコロールの間にある窓は、大使の執務室の窓なんですが、明るいときは光が反射して分かりづらいけれど、暗くなるとライトアップの効果もあって、中の美しい天井と、両側の壁のフレスコが垣間見えて、強烈にゴージャスです。そんな執務室で毎日働く大使ってやっぱり大使なだけありますよね。このファルネーゼ宮殿の改築の設計にはかのミケランジェロも加わったらしいですよ。そんな建物が職場だなんて、なんだか遠い目になってしまいます。
実はこのファルネーゼ広場、私は実はすごくお気に入りで、広場に2つある噴水がカラカラ浴場のバスタブを使っているのが圧巻で、それを眺めながら広場でのんびりするのがとても好きなんですね。とりたててこれということもない普通のバールが広場の入り口(カンポ・デ・フィオーリ広場側)にあるんですが、そこの外のテーブルに座ってあたたかいチョコラータを飲みながら、このファルネーゼ宮殿の控えめなライトアップを眺める冬のひとときなんて最高です。あと、もうひとつ、このファルネーゼ宮殿に向かって左側の方にあるバールがちょっとポッシュですが素敵なのでローマに来る方でファルネーゼ広場やカンポ・デ・フィオーリに立ち寄る方は是非訪れてみてくださいね。カンポネスキ・ワインバーという名前だと思います(Camponeschi Wine Bar)。夏は完全に閉まってますので「どのバール?」ということになってしまうかもしれませんが。
そういえばたしか私の両親がローマに遊びに来たときも、ファルネーゼ広場のすぐちかくにあるカンポ・デ・フィオーリ広場でおいしいピザを買って、市場でネクタリンを買って、このファルネーゼ宮殿の周りのベンチで美味しく食べました。カンポ・デ・フィオーリで市場があっているときはその広場は混雑しているのでこうしてすぐ隣のファルネーゼ広場に来ると人ごみから少し離れてゆっくりできるのでおすすめです。
さて、ローマに在住のこの5年の間、私はずっと「ファルネーゼ宮殿に一度でいいから入ってみたいな」と密かに思い続けていたんですが、先日ついに、それがかなったんです。写真の垂れ幕で分かるように、この時期、宮殿の一部を一般公開しているんですね。イタリア人の友達のMが、友達のフランス政府で働いているEに頼んで公開ツアーの予約をとってくれて、さらにあと3人プラスEのボーイフレンドと一緒に合計7人で木曜日に行って来たわけです。
いやぁ、本当に良かった!残念ながらさすがに執務室は見ることができませんでしたが、他のすばらしい彫刻や絵画、そしてファルネーゼ家の「音楽室」であったと言われるカラチギャラリーの、まさに息をのむゴージャスフレスコを見ることができて大感激。このあと、イタリア人&フランス人&日本人の私たちが集まってアペリティーボしたんですが、そのときみんなで話したのが、フランスがいかに反英語主義かということ。この展覧会、オーディオガイドこそ英語版があったものの、全ての展示はフランス語かイタリア語のみでした。さすがフランス政府。4月21日まで公開しているみたいなのでローマにいらっしゃる方は是非どうぞ。