最近パリにかぶれているみたいになっている私ですが、このあたりで私の好きなオルセー美術館についてまとめておきたいという気持ちが高まって来て押さえられなくなったので今日書く事にしました。別にパリにいるわけではありません。今はすっかりローマに帰って来て家でのんびり週末を過ごしています。今までこのサイトをちょこちょこ見てくださっている方はお気づきかもしれませんが、私はオルセー美術館、もしくはオルセー美術館展覧会というものに何度も足を運んでいます。なぜ何度も行くのか。自分でも分かりません。うっかり入館無料の日にオルセーの目の前までいって入場制限にかかって入れなかったことすらあります。何が私をこんなに惹き付けるのか。私は美術品に特に詳しい訳でも芸術が大好きなわけでもありません。たぶん、自分なりに分析すると、オルセーの位置、全体的な雰囲気、いろいろな館内設備、そこはかとなくかもしだされるゆるい感覚、私、今オルセーにいる!という実感、などなどが総じて好きなんだと思います。崇高な物が全然なくて本当にすみません。
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あなたへ (2012), (A-)
今日実はローマに帰って来たんですが、日本で昨日の夜、Apple TVで見ました。ストーリーとしては全編を通してだいたい予想通り、想像通りに話が進んで行き、ロードムービー的な良さもあり、と、たんたんと(でも常に泣きながら)観ることができました。びっくりといえばビートたけしのくだりと最後はやっぱりどんでん返しと言えなくもないんじゃないでしょうか。想像していたといえばしていた気がするけれど「鳩」になるところは予想していませんでした。高倉健さん、実は私の父の永遠のヒーローなんですけれども、あんなにもっさりとした服を着て口数少なくただそこにいるだけなのに、あの異常なカッコ良さはなんなんでしょうか。ズルすぎると思いました。
さてここからネタバレになりますが、この映画の残念なところと言えば綾瀬はるかさんの長崎弁(というより平戸弁か)かな。もう少し頑張れたはず、と思ってしまいました。イントネーションが東北アレンジっぽくなってしまっていて、もうそれだけでいくら語尾の言葉が同じでも違う方言に聞こえてしまうのです。でも激烈にかわいいからいいか。そしてたぶん、すべてを完璧な平戸弁にしてしまうと、映画を見ている人がワケわかんなくなるんだろうなとも思います。大滝秀治さんの名セリフの「ひさしぶりにきれいなうみばみた」というのを完璧な長崎弁で言ってしまうと、「さしかぶいにきれかうみばみた」になるはずなので、忠実にしすぎるとせっかくの名台詞が伝わらないというジレンマが生まれるのでしょう(「きれか」は「れ」に強いアクセントをつけ、音はのばさない)。そうそう、百恵ちゃんジュニアも非常に良かったです。ジュニアといえばもちろん佐藤浩市さん、カッコよかったです。それにしてもあんなにずっと無言だったのに、健さんと口数少ない同士、すごく分かる部分があるんだなと思いました。最後「主任」の話を聞くわけでもなかったのはきっと「彼は大丈夫」と思ったからなんでしょう。みなさんいろいろ抱えていてさまざまな状況がありますよよね。現実社会でも。予告編つけておきます。
それにしても久しぶりのローマなんですが、まだ春がきていないことにびっくり。はーやくこい!
ローママラソン2013
日曜日の今日はローママラソン(マラトーナ・ディ・ローマ)の日でした。毎年この日は私の職場のあるチルコマッシモくらいを境にローマ中心部全域で、強烈な交通規制が敷かれるため、実は非常に出歩きづらい日でもあります。マラソンの出発とゴールがコロッセオ付近になるため、地下鉄のコロッセオ駅はなんと封鎖です。車で出かけるにしても、どこへ行くにもテヴェレ川沿いを遠回りしながら走る必要があって非常に面倒です。が、私は友達のDと一緒にこの面倒さ、ストレスを見事に解決する方法を数年前に発見しました。それは、このマラソンイベントのまっただ中に「参加者」として参戦し全てをお祭り騒ぎとして楽しんでしまうという方法です。ですからここ数年ストレスなしで、この日はおそろいのTシャツを着てキャーキャー楽しむ日となっております。写真はコロッセオとコンスタンティヌスの凱旋門を前にスタート前にウォームアップする人々。
私はと言えば朝の9時にこのコロッセオ前で待ち合わせをして、D、I、Sとそれぞれのちびっこちゃんたち4人と集合したので私たちは8人の大所帯となりました。それぞれストローラーを2つ押しているのでさらに巨大グループとなっています。本気マラソンの招待選手もいて、そういうグループはちゃんと42.195キロ走りますが、私たちは5キロマラソン(楽しむコース)の参加者。何万人も集まったコロッセオ前のスタート地点にたって、いつ始まるんだろうねー、とおしゃべりに夢中になっていたら、一体全体いつスタートしたのか分からないまま、巨大な人の塊がのんびりと歩きながら移動し始めました。人が多すぎて走れないため、実はこれがマラソンのスタートなのです。でもそれも毎年の事なので、私たちは無理して走ろうとはせず、ゆったりおしゃべりしながら歩き始めました。だんだん人がさばけてくると、スペースができるのですこしずつジョギング的なスピードで走り始めます。走るのが特に苦手な私を知っている人は、まさか私が5キロも走るなんて!とびっくりするとは思いますが、実は私、家からコロッセオまでの3キロくらいの道をさくさくと歩いたのですでにウォーミングアップができているので大丈夫です。それからの5キロなんてあっという間でした。ローマ中心部の美しい街並に車が一台も走っておらず、車道をどうどうと気持ちよく歩けるなんて、何と良いイベントなのでしょう。私の大好きなトライアノの市場もまた堪能できました。
ゴール地点の公園では協賛しているいろいろな企業が商品を配っていてそれをもらって歩くのもちょっと楽しいです。Tシャツはアシックスがスポンサーだし、ヤクルトもたくさん配っていたしで日本企業頑張ってるなーと思いました。去年いたナイキやマクドナルドはすっかり姿を消していましたが、スポンサーとしてあまり見返りがなかったのでしょうか。まぁマクドナルドは「健康」を主体としたマラソンのスポンサーとしてはどうなんだろう、という感じがしないでもないですね。
5キロマラソンのコースは途中でショートカットして先にゴールしてもよし、見かけたバールでコーヒーを飲んでから気合いを入れ直すもよし、というゆるい感じになっているので私の中では非常に嬉しいコースです。モンティの丘を下りながらバールに寄ってコルネットを食べたりカプチーノを飲んだり、そこでまたみんなで丸くなっておしゃべりしたり、と楽しい日曜日の午前中を過ごしました。家からスタート・ゴール地点までの往復で6キロ、5キロのコース、と結局11キロしっかり楽しく歩く事ができてすごく気持ちがよかったです。また来年も参加したいなと思います。
空港で一人ごはんその2、そしてブリュッセルから。
今日は会議でブリュッセルに来ています。スターアライアンスのブリュッセル航空だったので、久しぶりにDゲート周辺だったんですね。だから今度は違うお店ですが、2つ前のエントリーと同じな感じで早めの夕食にしようと思ってまたもやカプレーゼを頼みました。こうして肉厚のトマト付きの超クラシックなカプレーゼがきてすごく嬉しい。お値段はフェラーリのバールの半額の8ユーロでした。空港にしては格安です。まあ、量もモツァレラはひとつだし、フェラーリのよりは少ないと言えば少ないんですけどね。このObikaというお店は実は東京にもあるフランチャイズです。ローマの中心地にもお店がありますが、私がこのお店のオーナーだったら、もっと頑張って店員の接客教育に気合いをいれるのになーと思うくらい、接客がすごく残念なレストランです。はっきりいって最悪。空港でも同じでした。もっとみんなカッコつけて接客したらいいのに。
私はひとりのときはカウンターで食べるのが好きなので、スツールをさがして「ここに座ってもいい?」と確認することにしているんですが、前回フェラーリのバールではそれに対して「どうぞおかけください、お荷物はあちらにどうぞ」なんて素敵に教えてくれたんですね。でも今日はここでは「チェルト!(もちろん!)」みたいな町のフレンドリーなおばちゃんみたいな感じで答えてくれて、それはそれでローマらしい下町らしい雰囲気で好きではあるんですけど、果たしてこの雰囲気を頑張って作っているのに接客は下町風でいいのか、と思ってしまいますね。
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週末がくるたびについついテクテク歩いて行ってしまうイータリーですが、明日の日曜日も、朝からルクセンブルク人の友達のCと10時にね、と約束してます。どこで会うかというとこの「カッフェヴェルニャーノディチオットオッタンタドゥエ」という長い名前のバールです。書いてみると創業年を表している数字なので短いんですけどね。
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