土曜日の昨日はコロッセオまでランニングしてきました。家から3キロと離れていないし、途中の道は歩道が広めで走りやすいのです。上の写真は朝日を逆光で浴びたコロッセオが何だかすごくカッコ良かったので撮ったんですが、2006年にイタリアに来てから一体何枚のコロッセオの写真を撮っただろう、と遠い気持ちになりました。何度来ても、何度見ても、写真を撮りたくなってしまうコロッセオなのです。
写真を撮ってしまう、と言えばこちらはこのランニングコースの最初の方に現れるピラミデです。ここの裏は墓地になっていて有名なイギリスの詩人のお墓なんかもあります。2021年の今、紀元前に建てられたピラミデがこんなに白くて美しいのは、実は日本の実業家の方が2010年に寄付をしてくださったからなんですね。そしてその社長さん、一時期私と私の姉が夢中になったファリエロサルティのお店を青山に開いてくださって(今は撤退)、このピラミデをデザインしたストールを私、その時勢いで買ったことがあります。ピラミッド+ファリエロサルティで是非画像検索してみてください。実際に身につけてみると、結構いい感じのオレンジとパープルと白と黒のコントラストが綺麗で、どの季節もヘビロテしてます。
ピラミデはサンパオロ門と一体化していて、その門を入るといわゆるローマの歴史的地区というものに入ることになります。このサンパオロ門は、以前「オスティエンゼ門」と呼ばれていて、今同名の駅が目の前にありますが、港町であるオスティアから直接ローマを向かった人々が、ここからローマに入っていたんですね。で、そのオスティエンゼ駅とピラミデの間はいろいろなところから伸びてきた大きな幹線道路が何本も交わっているところで、歩行者が渡るには一言で言ってカオスです。ローマの道の渡り方を知らない人には恐怖でしかないはず。私の母も初めてローマを訪れた時に、この道を自分が渡れるわけがない、と諦めて引き返したことがあると言っておりました。ここを渡ることができた人だけが(大袈裟)、この門をくぐり、アベンティーノ大通りに出ることができるのです。上の写真はアベンティーノの私のお気に入りのお花屋さんです。
この上の写真は2019年にローマに来たときの同じ場所の写真なんですが、このお花屋さん、看板娘のネコちゃんがこうしていつも座っているんです。今はこの写真よりも体が倍増していらっしゃいますが、可愛らしさも倍増しているのでOKです。
そしてこちら、アベンティーノの一番北にある大きな社会主義的建物が、我が社でございます。入口は4つあるのですが今は2箇所からしか入れません。戦前のムッソリーニ時代に植民地を管理する省庁として建てられたのですが、当然そんな目的は戦後すぐに全く受け入れられなくなったし、ムッソリーニも処刑されたし、ということで戦後イタリア政府が国連組織を入れる建物にしようということになったという背景があるのでした。
そしてこのローマの松が立ち並ぶ大きな道を北上するとすぐにコロッセオがあります。ローマの松といえば、この松の形、独特ですよね?私は当初はおバカなことに、こういう形の松の木があるのかと思っていたんですが、ローマではこういう形にクレーン車を使って整えているらしいです。実際は普通の松のようにちゃんと枝も様々な方向に伸びるらしいですよ。ローマにある松はほとんどこの形なのでどこかで誰かが常に頑張っているということなのですね。
1分もその道を走っていると、すぐにパラティーノの丘の門が見えてきます。現在はパンデミックの影響でほとんど全てのローマの観光名所が一時的に閉まっているのですが、私が前住んでいた時は、このパラティーノの丘、フォロロマーノ、コロッセオの3つがセットになった共通チケットが通常チケットだったんですね。コロッセオとフォロロマーノに比べると若干地味なパラティーノですが、この門のところでチケットを買うとそのチケットだけで3種類全部に入れるのです。観光客がひしめいているコロッセオやフォロロマーノではなくてここでチケット買えば並ばずにコロッセオに入れるよ、というアドバイスをよく、ローマに遊びに来た友人にしていて、ここは車も走れるので、よくここで降ろしてあげたりしていたなーと思い出しました。
松の通りを抜けるとこのコロッセオがドーン、と姿をあらわします。道はこうして右側に回るようになっていて、ここは流石に渡るのは危ないので私はこのまま右に走って、コロッセオ通りから横断歩道を渡ってフェンスの中に入りました。フェンスからは階段で下に降りるようになっています。そしてコロッセオをぐるっと回ってから復路につこうと思ったのですが、コロッセオ、実際に走ってみると大きいようで小さく、小さいようで大きいです。すぐに一周してしまったと思って方向音痴な私が道路に出ようとすると、実はまだ半周しかしていなく、あれ、と思ってまたフェンスの中に入って走ったら今度は行き過ぎてしまってさらにもう1周してしまいました。このまま自分の方向音痴の感覚に合わせていたら、コロッセオの周りをぐるぐるし過ぎてバターになっちゃう!と思って3周目は気をつけてちゃんと元の道に戻ることができました(結局3周している)。危ない危ない。
ぐるぐるの結果、自分が思った以上の距離を走ることになったので帰り道でバールを見つけて一休みしました。カプチーノ、コルネット、スプレムータ、というイタリア朝食黄金の3点セットで、ランニングによる消費カロリーを上回るカロリーを摂取した後、お天気の良いローマを十分に楽しみながら家に帰ったのでした。来週はどこを走ろうかな。