美しいエッフェル塔、再び。

Paris月曜日のオペレッタは、私にとっては新境地も新境地で、ものすごく良い意味でかなりの衝撃をうけました。まず、劇場はかの有名なガルニエでもなく、バスティーユでもなく、Opera Comiqueという小さな劇場。でも小さいといってもまったく侮れません。ここも実は国立の劇場で、最近外観を磨いたり内装を修復したりする作業が終わったらしく、まさに「これぞフランス!」という仰々しいほどの豪華さに満ち満ちています。入る前からかなり高まった気分になって、中に入ると天井画も壁画もこれでもかとフランスフランスな雰囲気で追い打ちをかけてきます。そして観劇。オペレッタそのものについてはちょっとおちついたらいろいろと後に感想を書こうとおもっているんですが、本当に圧倒されました。作者、脚本家、演出家全員のいわゆるベルエポックへのあこがれがぎゅうぎゅうとつめこまれていて、こっちまでその想いにひきこまれてしまうのです。先日飛行機の中でウディアレンのMidnight in Parisを見たのですが、そのベルエポックの描き方は、もっとこんなかんじにすればよかったのに、とうっかりウディアレンに対して上から目線になってしまうほど良かったです。
そして上の写真はそれとは全く関係ないんですが、今日、会議がおわってから地下鉄を一駅分歩こうと思っててくてく歩いていたときに撮った写真。エッフェル塔は、登った事も多分5回以上あるし、パリにいる間は会議のある機関が比較的近いせいで毎日行き帰りに何度も見かけるので、そのうち飽きるのかと思いきや、まったく飽きません。エッフェル塔が目に入る度に、心の中で「あ!エッフェル塔だー!あーすてきー!」と思ってしまうのです。朝に見かけると、朝もやの中で薄い茶色のクラシックなレース模様に見えたり、曇り空の下では、そこだけいきなり古い写真のようにセピア色になってしまったように見えたり、快晴の空の下では、遠近感がなくなってしまうほどクッキリハッキリとセーヌ河を圧倒してしまったり、夜になるとこうして、なんともいえないオレンジ色の光のかたまりになったりでいちいちドキっとしてしまいます。美しいパリの町に、こんな金属のかたまりが、と設計段階で批判をあびたというエッフェル塔ですが、本当に結果オーライとはこのことだなぁといつも思うし、私は、いつ見てもこの塔を美しいと思ってしまいます。足下でどんなにたくさんの観光客にまとわりつかれても、痩せたスタイルの良いからだでスッキリ立っているAラインのコートを着たパリジェンヌっぽく見えてしまうからかもしれません。

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