ファルネーゼ宮殿

ローマの歴史的中心地区にある、ファルネーゼ広場のファルネーゼ宮殿は、写真の国旗で分かるようにイタリア政府がフランス政府にフランス大使館として永遠に貸している建物です。EUの国旗とトリコロールの間にある窓は、大使の執務室の窓なんですが、明るいときは光が反射して分かりづらいけれど、暗くなるとライトアップの効果もあって、中の美しい天井と、両側の壁のフレスコが垣間見えて、強烈にゴージャスです。そんな執務室で毎日働く大使ってやっぱり大使なだけありますよね。このファルネーゼ宮殿の改築の設計にはかのミケランジェロも加わったらしいですよ。そんな建物が職場だなんて、なんだか遠い目になってしまいます。
実はこのファルネーゼ広場、私は実はすごくお気に入りで、広場に2つある噴水がカラカラ浴場のバスタブを使っているのが圧巻で、それを眺めながら広場でのんびりするのがとても好きなんですね。とりたててこれということもない普通のバールが広場の入り口(カンポ・デ・フィオーリ広場側)にあるんですが、そこの外のテーブルに座ってあたたかいチョコラータを飲みながら、このファルネーゼ宮殿の控えめなライトアップを眺める冬のひとときなんて最高です。あと、もうひとつ、このファルネーゼ宮殿に向かって左側の方にあるバールがちょっとポッシュですが素敵なのでローマに来る方でファルネーゼ広場やカンポ・デ・フィオーリに立ち寄る方は是非訪れてみてくださいね。カンポネスキ・ワインバーという名前だと思います(Camponeschi Wine Bar)。夏は完全に閉まってますので「どのバール?」ということになってしまうかもしれませんが。
そういえばたしか私の両親がローマに遊びに来たときも、ファルネーゼ広場のすぐちかくにあるカンポ・デ・フィオーリ広場でおいしいピザを買って、市場でネクタリンを買って、このファルネーゼ宮殿の周りのベンチで美味しく食べました。カンポ・デ・フィオーリで市場があっているときはその広場は混雑しているのでこうしてすぐ隣のファルネーゼ広場に来ると人ごみから少し離れてゆっくりできるのでおすすめです。
さて、ローマに在住のこの5年の間、私はずっと「ファルネーゼ宮殿に一度でいいから入ってみたいな」と密かに思い続けていたんですが、先日ついに、それがかなったんです。写真の垂れ幕で分かるように、この時期、宮殿の一部を一般公開しているんですね。イタリア人の友達のMが、友達のフランス政府で働いているEに頼んで公開ツアーの予約をとってくれて、さらにあと3人プラスEのボーイフレンドと一緒に合計7人で木曜日に行って来たわけです。
いやぁ、本当に良かった!残念ながらさすがに執務室は見ることができませんでしたが、他のすばらしい彫刻や絵画、そしてファルネーゼ家の「音楽室」であったと言われるカラチギャラリーの、まさに息をのむゴージャスフレスコを見ることができて大感激。このあと、イタリア人&フランス人&日本人の私たちが集まってアペリティーボしたんですが、そのときみんなで話したのが、フランスがいかに反英語主義かということ。この展覧会、オーディオガイドこそ英語版があったものの、全ての展示はフランス語かイタリア語のみでした。さすがフランス政府。4月21日まで公開しているみたいなのでローマにいらっしゃる方は是非どうぞ。

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