小さいおうちと教育勅語

51XFHk7aQRL._SL100_.jpg小さいおうち(中島京子)
久しぶりにブログを更新してます。9月の10日から熊本の両親が遊びに来てくれていたのと、そのあと主人のAさんも合流してくれてすっかりちょっと遅めのバケーションを楽しんでいたのでインターネットから遠ざかっていました。日本からAさんが「ハイ、直木賞受賞の本。読みたかったんでしょ」とこの本を持ってきてくれました。すごく嬉しかったのでゆっくり楽しみながら読もうと思っていたのに、Aさんが日本に帰る前に読みおえてしまってちょっともったいなかったかな、と思っています。
本は構成が斬新といえば斬新だし、著者はものすごい量のリサーチをしてこの本を書いたんだろうなと思えるものなので、とにかくそのことに感激します。主人公のタキさんは、大正生まれの私の祖母とはなにもかもが全然違うんですが、それでも、この本を読んでいると私の祖母のことを思い出さずにいられないというのがその「時代」というものの存在の大きさでしょうか。私の祖母は当時の女性にしてみるとものすごくクールな性格で「現実主義」という言葉がしっくりくるタイプなので、この本に書かれているようなモガのような華やかな世界とは遠いところにいる人です。昭和一桁のころに女学校で教育勅語が異常にうやうやしく扱われ、直視してはいけないと全員うつむき目をつぶっていたところを「私は薄目を開けてみてたけどね。紫色の風呂敷につつまれててありがたそうだったけど、良く見たら普通の綴じ本だったよ」としゃあしゃあと言ったことがあるくらい。
脱線しますが、教育勅語って実は今の時代にこそ必要なものじゃないかとふと思うことがありますね。
親に孝養をつくそう(孝行)
兄弟・姉妹は仲良くしよう(友愛)
夫婦はいつも仲むつまじくしよう(夫婦の和)
友だちはお互いに信じあって付き合おう(朋友の信)
自分の言動をつつしもう(謙遜)
広く全ての人に愛の手をさしのべよう(博愛)
勉学に励み職業を身につけよう(修業習学)
知識を養い才能を伸ばそう(知能啓発)
人格の向上につとめよう(徳器成就)
広く世の人々や社会のためになる仕事に励もう(公益世務)
法律や規則を守り社会の秩序に従おう(遵法)
正しい勇気をもって国のため真心を尽くそう(義勇)
そういえば久しぶりに両親と濃密な日々を過ごしたためか、これからの日本は何に力を入れるべきかなんていう壮大なテーマまで話したりしてすごかったんですが、受験勉強のための「教育」やカルチャースクールのような「教育」ではなく、この勅語のような「教育」が大事なのかもしれませんね。
いやこんなことは本の内容とは全く関係ありません。すっかり脱線してしまいました。本を読みながら私が胸を突かれたのはもっと違う部分だったはずなので今度またゆっくり感想を書き足したいと思います。

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