釣った魚のお話

先週末にローマに戻ってきました。ローマにもやっと春が来たみたいで、もうそろそろコートがいらなくなることでしょう。気分もうきうきしますね。
ところで世の中には普通の一般の人なのにブログの一日の読者が1万人を超えるという人がいるという話を日本のテレビで知ってへぇ!と思いましたが私のこのサイトは今日チェックしたところ一日1200人と1年以上前にチェックしたときと何も変わらずといったところで、でもそれでも、一日に1200人の方が一瞬でも通り過ぎていってくださると思うと非常に恥ずかしい気持ちになります。が、ブログって、たとえばお店なんかでちょっと嬉しい対応をしてもらえたりしたときに、大したお礼ができなくても、ブログに書くことによってちょっとお礼になったりするのかなと思ったりするので便利ですよね。口コミという名前の媒体が分かりやすい形で存在するというかなんと言うか。
というのも、私先日非常に嬉しい対応をしていただきました。それはメガネのパリミキさん。私は普段はコンタクトレンズ(ハード)を使っていますが(小学5年生のときからずっとです)、10年ほど前にブドウ膜症というおそろしく痛い症状を患ってからは、1日8時間の装着を固く守っています。8時間って意外に短くて、たとえば夜のお食事会があるという予定の日には私はコンタクトは就業後にしかつけません。だって、お昼にうっかりコンタクトをいれてしまったら、夜の8時には外さなければいけないでしょう?それでこういったコントロールをちゃんとするために、その10年前にちゃんとした普段に使えるメガネを購入にいったのです。


当時はメガネを買おうと思いついたときにたまたま実家のある熊本市に帰っていて、近所にメガネのパリミキがあるのでそこで適当にかわいい赤ピンクのフレームを選んで眼鏡を作ってもらったのですが、そのとき対応してくださった店員さんがとても親切で「なんだかいいところだな、熊本の田舎だからかな」と普通に好印象で終わったのですね。そしてそれから数年後、今度はフレームなしの衝撃につよい眼鏡をつくりたいと思ったときに、自然にその同じお店にいきたい、と思って出かけました。するとそのお店は残念ながら閉店してしまっていて、そのさらに近くの同じパリミキさんに合併されたということだったので、じゃあ、ということでそこにいってみました。すると、驚くべきことに私のデータのすべてがそこに移されていて、もちろんそのときも度数を測ってくださったのですが、なんだかいろいろとスムースにコトが進み、さらに「以前からの大事なお客さまですから」ということで、そのお店では初めてお買い物するにもかかわらず大幅な値引きをしていただきました。
そのときは普通に喜んだだけだったのですが、まだ続きがあるのです。数ヶ月前、ローマで何気なく旅行かばんからそのフレームなし眼鏡を出したところ、なんと耳にかける部分がひとつ折れていることに気づきました(私の扱いが手荒なため)。かなり気に入っている眼鏡なのでガーン!となりよくみてみると、フレームなしの特殊な部品なのでローマでは修理ができない。それで昔購入した赤ピンクのを使おうと、出してみたらなんとそれも耳にかける部分と鼻の押さえる部分が壊れている!ということでダブルショックでした。仕方なく、たまたまローマに遊びにきていた主人のAさんに日本に持って帰ってもらうことにして彼も、じゃあパリミキに頼んでみるよ、といってくれたのですね。
ひとつは保証がついていたので、購入した熊本のパリミキに頼んだほうがいいかもということになって、実家の母にお願いしてお店に持っていってもらったのですが、そこで母が両方出したところ、「部品を取り寄せますね」ということになってたったの3日で修理が終わり、保証がなかったほうの部品代3千円ぽっきりで終わりだったのです。他にもたくさん新品に交換してもらったのに、「消耗品ですから」ということで無料だったらしいですよ。
私はその話に非常に感動して、やっぱりこれからも眼鏡を買うときはパリミキにしよう、と強く思いました。そして、話はまだ終わらないのです。今回日本に帰ったときに、今度はフレームなしの眼鏡の鼻の部分がとれてしまいました。これらはすべて私の扱いが荒いせいで、眼鏡のせいではありません。私が眼鏡をそのへんにぽんと置いてしまうくせに、眼鏡を探すときはだいたいほとんど視力がない状態なので手探りで適当に探して「メガネ、メガネ」と漫画のようにばたばたしながら手荒くつかんでしまうため、こんなことになるのです。
そこで家から徒歩2分で行ける、つくばの新しいモール、イイアスつくばにパリミキがあるということをAさんから聞いて、そこに行ってみることにしました。保証書も何もないけれど、特殊なメガネなので部品もないかもしれないけれど、まあダメもとで、と思ったのです。そして閉店間際にかけこむちょっと迷惑なお客の私。そしたら丁寧な男性の店員さんが、「分かりました、部品の在庫を見てきますね」と奥へ行き、すぐさまかわいらしい女性の店員さんが「どうぞ」とあたたかいお茶を出してくれました。うーんこういうところが日本はいいよね、と思いながらお茶をすすって待つこと数分、なんと私のメガネは完璧に修理され、ぴかぴかに磨かれて出てきたのです!非常に驚いて、「え!もう修理できたのですか?」と聞くと、「いつもありがとうございます、うちでおつくり頂いたメガネですし、消耗部品の取替えですので無料です」とにこやかにメガネを返してくださいました。
こうして今も新品同様のお気に入りのメガネをふたつ常に持っている私。本当に満足です。みなさん、メガネのパリミキさん、とってもおススメですよ。全国どのお店に行っても常にこういう対応っていうのが本当に頼もしいですよね。本社の教育方針がかなり良いのでしょう。熊本だろうがつくばだろうが、メガネに刻印されているらしいID番号ですぐに分かるみたいですよ。感動します。
ちなみに、これと全く逆なのが航空会社アリタリアさん。イタリアでのサービスにはもともと期待はしていませんが、丁寧なはずの成田の日本人のグランドホステスさんでさえ全然ダメでした。いや実は、私が一番いけない客なのですが、今回欲張ってたくさん荷物を持って帰ろうとしてスーツケースの重さが規定を7キロも超えていたんですね。それで何とか見逃してくれないかなーと思ってチェックインのときにお願いしてみたんですが、ものっすごく感じ悪く「いえ無理です」「みなさまから超過料金いただいておりますので、120ドルいただきます」といわれました。私だって好きでアリタリアを利用しているわけではなく、今のところローマとの直行便がアリタリアとJALしかなく、しかも私はJALからの予約なのに泣く泣くアリタリア運行の便を利用させられているだけなのに、この悲しい対応。「じゃあ今から減らして手荷物で持ち込みますが、本当になんとかなりませんか?」といったら、冷たく「では3キロまでなら」といわれました。それでせっせと4キロ分を手荷物に移し、やっとチェックインできたのですが、いざ飛行機にのってみると、中はガラガラでひとりあたり3席占有できる状態であることが判明しました。つまり、飛行機は普段よりずっと軽いはずなので、「果たして4キロ分私がせっせと手荷物で運ぶのとスーツケースに入っているのとではどんな違いがあるのか!」という悲しい気持ちになりました。だって飛行機の中は完全に質量保存の法則のままです。もしオキュペーショナルヘルス(重いスーツケースを扱うことによって空港職員が背中や腰を痛めたりする可能性)が問題なら、2つの荷物にわけて預けさせてくれてもいいじゃないか!と思ったのです。
いや、私がルールに従わないのがいけないのはよーく分かっているので実は全く「不満」はないのです。ただ、こうして満席ではなくてお客さんが少ないときならば、「本日は満席ではないので今回だけ特別にサービスさせていただきますね、またのご利用お待ちしております」とかなんとかいえば、とてもいい気持ちで「ああ良かった、いいサービスだな、今度もまたアリタリアに乗ろう!」って思えるのにビジネスが下手だなぁと思っただけです。あと、そのグランドホステスさんの愛想があまりにも日本式ではなくイタリア式だったので、それも感慨深かった。多分イタリア留学されていたりしてイタリア語ができる口なのでしょう。それでもしかしたらかなりイタリアナイズドされていたりするのかもしれませんね。態度だけかなりイタリア人ぽかったです。
それにしても世界中のどの会社よりも火の車のアリタリアさん、今や会社はまったくまわっていなくて、緊急ということでベルスコーニさんが勝手にイタリア人の血税をどーんと投入してお給料を払っているのにこんな対応でいいのでしょうか。でもそのグランドホステスさんも、単純に仕事ですから、言われたことをやっているだけだと思うので、本当に個人的にはまったく不満はないんですよ。でもこうして会社がうまくいっていないからといって「とれるところからとろう」っていう雰囲気が良くないですよね。だからさらに「なるべくアリタリアを避けよう」と客に思われてしまって、だからこそまた空席だらけになって、とかなりの悪循環です。ローマに住んでいるとアリタリアを避けたくても避けられなくなってくるのが悲しいのですが。
というわけで、結論として、釣った魚っていう表現もアレですが、顧客を大事にする姿勢というのは長い目でみて本当に大事だなと思ったのでした。長文失礼しました。おしまい。

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