大丈夫だったピカソ

前日書いたように、土曜日はヴィットリアーノでピカソ展を観てきたのですが、私はやっぱりこのヴィットリアーノでの展覧会のやり方は好きです。ピカソなので特に「これが目玉」というようなものはなく(すべてが有名)、淡々とピカソの人生、イタリア・ローマとの関わりを追ったあと、年代は関係なく絵のモティーフにそってセクションが区切ってあります。Picasso 1917 – 1937 L’Arlecchino dell’arteとしてあるのでこの20年間だけに焦点をあててあるのでそれも好ましい感じ。

青の時代はバラ色の時代などはいいとして、キュビズムあたりになってくると、私は「ピカソさん大丈夫だったのかな?」といらない心配をしてしまうのですが、どうやら大丈夫だったみたいですね。恋愛でもなんでも自由奔放に生き、パッションを持って芸術活動を行う、という芸術家の典型の行動パターンなのですが、芸術家の人々はやはり多少変わっているというか、普通の人ではあんなすごい芸術は生み出せない、というのがあると思うので、もちろん一般人の中に混じったらひときわ「変わってる!」という人だったとは思いますが、いろいろとドキュメンタリーの中の彼をみると、特に病んでいる風はないですね(ごめんなさい)。そんなことあたりまえかと思われるかもしれませんが、私に芸術の才能はまったくないので、このあたり気になっていたのでした。

それにしてもスケッチブックは当然ですが、手帳、手紙、メモ、写真、などなど、恐るべきコレクターなピカソさんに恐れ入りました。あんなに細かくいろいろと保存しておくのは性格でしょうか。非常に感心しました。私もいろいろと保存しておきたい衝動にかられましたが、これは残念ながら衝動だけで終わるでしょう。

一緒にいったアニカはピカソがもともと好きで、ゲルニカの話やパリのピカソ美術館の話、ロシアで訪れた美術館の話をしてくれて面白かった。途中で私の友達のジュリア(ちょっと芸術家肌)の話にまで飛躍して久しぶりに大笑いしました。展覧会のあとは件のメキシカンレストランに行って、TexMexのメニューに興奮して、大きなマルガリータ(フローズン)を片手にグアカモーレのナチョスやファヒータを頼んだら、まさに私が欲していたあのアメリカのメキシカンの味で、感動。大先輩のアニカは私の仕事の話もいろいろ相談にのってくれるし、楽しく、充実の土曜日となりました。

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