さて、9月1日となりましたが、ここを見てくださっている皆様、特に私に近い皆様にご報告があります。
昨日まで私の職場のFAOで、私は一時的な専門職員としてお仕事をさせていただいており、最初に定められた2年間をベースとしてさらに半年、3ヶ月と契約を延長していただいて仕事を続けてきましたが(正規職員以外の職員はそのような契約形態で何年もここで仕事をしています)、今回幸運が重なって、正規職員(食品安全専門官、リスク評価部門)として完全に就職させていただくことになりました。今までのランクからひとつあがる昇進(?)の辞令も頂いて嬉しい限りです。この就職にはさまざまな方面からのお力添えがあったとはいえ、自分勝手に、実はこの2年半強の仕事を評価していただいたような気がしておこがましくも、非常に光栄に感じています。
誤解のないように書き添えておきますと、こうして私のように一時的に職員として仕事をしたからといって自動的に正規職員になれるわけではありません。偏りがないように、公平なポストの公募があり、私もその公募に履歴書を送り、専門知識に関する質問に答えるエッセイを提出し、面接を経てから最終的に数人に絞り込まれ、その中からFAO上層部の方から指名を受けて採用が決まる、という非常に複雑なプロセスを伴った採用方式です。本当かウソか分かりませんが、履歴書の段階でこのひとつのポストに世界各国から800名の応募があったそうです。もちろん、こうして内部の仕組みを知っているということはプラスに働くとは思いますが、私はこれを書くことによって「いかに難しいか」ということを書いているのではなく、『国連職員』というのは「目指す」ものではない、ということを書いているのです。もちろん目標におくことはあるかもしれないし、それはそれで大事ですが、才能や能力や経験、人となりだけではなく、運やタイミング、言語や国籍など、自分のコントロールからはかなり離れたところで評価されることもあり、「目指す」にはあまりにも不確定な指数が多すぎるのです。当然私が知っている同僚にも『10年以上前から目指して勝ち取った』という方もいるので、そういうやり方も実は当然アリなのかもしれませんが、運やタイミングで逃すにはあまりにも長い年月のかかる努力が必要なため(どの国の人とでも対等に議論できる英語力、もうひとつの国連公用語の能力、修士以上、FAOなどの専門機関だとできれば博士号の学歴など)、私個人としては「目標」として設定するのをおすすめしません。ひとつの分野で頑張ってきて、その延長上に「国連職員」というのがあったとき、選択肢の一つとして、受けてみてもいいかな、というレベルで十分だと思うのです。実際私はそういうスタンスでした。
さて、これからずっとローマをベースに仕事を続けていくことになり、特に日本にいるAさんと離れ離れが続くことに強烈な寂しさを感じないこともありませんが、今のところは、まるで自分のことのようにものすごく喜んでくれているAさんの気持ちも嬉しいし、気楽に、楽しく、毎日を送っていけば、人生も気楽で楽しくなるのではないかなと思うことにして、こうしてこのまま就職させていただくことにしました。同僚のみんなもすごく喜んでくれているし、なにより今までの直属の上司であった部長が「あなたが喜んでいるのと同じくらい私も喜んでいる」と言ってくれたのがものすごく心にしみて、これからも頑張ろう、という気分で気持ちも新たに再出発です。
この正規採用が分かったのはちょっと前なのですが、十分家族とAさんと話合ってこういう決断にいたりました。ここを読んでくださっているみなさまも、これからもどうぞよろしくお願いしますね。私のお友達のみなさん、ぜひ、ローマに遊びに来てね。
おめでとうございます。
すごい倍率!今までの真佐美さんの努力があるからこその結果ですね。
今まで憧れだけで国連職員を目指したいと思っていましたが、そんな簡単な道ではないし、真佐美さんのように努力した後についてくる選択肢なんですね。
私は今管理栄養士として熊本で働いています。自分がやりたい事は確かですが最終的にどの方向へ進みたいのか分かりません。しかし自分にできる努力を続けて、学びを積んだ後に進みたい道へ進もうと思います。
ありがとうございました。
真佐美さんのますますのご活躍をお祈りしています。
chieさん:ありがとうございます。そうですね、国連職員というのを「目指す」のはおすすめしかねます。上にも書いたように、もちろん「目指し」て現実に国連職員になった方もたくさんいらっしゃいますので、一概には言えませんが、私のポストなんて私の実力なんかより幸運のほうがはるかに勝っていたような感じがします。実は将来的に熊本に住むのが私の密かな目的だったので実はchieさんのほうが羨ましいかもしれません。chieさんのご活躍お祈りします。
にわとりです。
いつも楽しく拝見しています。
この度はおめでとうございます。すごいですね!(謙遜されていますが)努力の賜物ですよね。
どのような人が国連で働いているのか想像できませんが、自分と違う世界の人と働くのは大変ですよね。
更なるご活躍、期待しています。
また、出張先の写真など楽しみにしています。
にわとりさん:メッセージありがとうございます。違う文化の方々と働くのは本当に大変ですよね。いろいろと気を使うし、気を使いすぎて失礼になることもあるし。にわとりさんも是非近況など教えてくださいね。