夜のサンタンジェロ城

昨日の夜は、夏になると毎年やっているサンタンジェロ城(Castel Sant’Angelo)の夜のイベントに行ってきました。実は私は2年前に行ったのですが、一緒に行ったメンバーは普通の友達だったんですけど、何かと価値観が違う(つまり、私は浪費タイプであとのふたりは堅実タイプだったということ)ので、あまり贅沢三昧できず、なんとなくかすかな心残りがあったので、今回はこういうことにお金をつかってもOKそうな友達をさそって(ここは見てないと思うけれど、見てたらごめんね)ついに行ってきたのでした。なにしろ入場に10エウロ、パッセット(後述)に入るのに3エウロかかるので最初っから結構な支出なのです。
でもこの写真を見ればお分かりの方もいらっしゃると信じたいんですが、こうして夏の夜の日常に、ふと出かけるとこんな現実離れした場所でのんびりできるという、それだけの事実にそれだけの価値があると思えてしまうんですよね。そして何より私が試したかったのは、この夏の夜のイベントの期間だけサンタンジェロ城のテラスに併設されるレストラン。2年前に友人が行って、「びっくりするほど趣向がこらしてありおいしかった」という感想を教えてくれたので、ずっと気になっていたのです。電話で予約をしておき、入場のときに「レストランの予約があります」と伝えると優先的にお城に入場できます。


8時45分にしかお城が開かないのでそれまでしばらく待って(一般入場者のすごく長い列ができていました)、入場券を買って階段を上がってレストランへ。雰囲気はすごく良かったですよ。なにしろローマのこのサンタンジェロ城で一番上で剣を持った天使ミカエルを見ながらのお食事です。右手にはサンタンジェロの前のゴージャスな天使の橋が見えるというすばらしいテラス。お食事はサンドライドトマトのおいしいブルスケッタを前菜に、クスクス、トマト、バジル、リコッタのプリモ、ローストポテト+ローズマリーをサイドにしていただきました。デザートは3品セミフレッディ。私のフリッカーのどこかにこのデザートの写真はあるはずですので興味がある方はどうぞ。チョコと、ミントとイチゴでした。
ところで以前にも書いたかもしれませんが、サンタンジェロ城について軽くリキャップすると、これは最初はお墓として123年頃に建てられたそうです。123年ですよ。その後は牢獄となったり戦いの拠点となったりもしたサンタンジェロ城ですが、一番有名な伝説は、ローマ帝国の時代にペストが大流行し、たくさんの人々が亡くなった6世紀に、大天使ミカエルが墓の上に現れ、疫病を克服したしるしとして、刀剣をさやにおさめたというお話ですね。それでその聖天使の像が城の一番上に立っているということなんですね。
で、もっと有名な(になった)のが、城壁の秘密。サンタンジェロ城と、あのヴァティカン共和国の間には、水道橋のような城壁があるのですが、なんと、それはパッセット(Passetto di Borgo)という秘密の通路で、ローマ教皇が危険にさらされたときにそれをつかってサンタンジェロ城に非難したらしいですね。実際サンタンジェロ城に住んだローマ法王もいるらしいです。写真がそのパッセットからサンピエトロ寺院のドームを写したもの。このパッセットはあのダンブラウンの「天使と悪魔」で世界的に非常に有名になりましたね。
私たちがサンタンジェロ城で食事を終えたのは夜の11時だったんですがこの夜のイベントは夜中の12時半までということだったので、それからやっとパッセットにはいりました。写真はちょうどサンタンジェロ城とサンピエトロ寺院の中間地点あたりくらいでしょうか。当然ですが肉眼で見るともっともっと感動的です。他にも写真をたくさん撮ったので興味がある方は私のフリッカーのページでどうぞ。このパッセットは残念ながら普段は一般公開してありません。でも毎年、この夏のイベント、Notti Animate sulle Terrazze di Castel Sant’Angeloではこうしてオープンしているので、ローマを7月か8月に訪れる予定のある方は是非どうぞ。何もかもが美しいです。

2 Replies to “夜のサンタンジェロ城”

  1. 夜のサンタンジェロ城、行ってきました。学生10人とポポロ広場近くのアパートに一週間泊まっていたので、その日はセントロ・ストリーコのピザ系居酒屋(バフェット・・って地元でも有名?)で安く食事したあとぞろぞろ歩いてテベレ川を渡って。9月に入ったせいか、行列になるような大きなイベントはやっていませんでしたが、食事できるところの前の簡易ステージみたいなところでギター伴奏で女性がジャズを歌っていてなかなか良い雰囲気でした。

  2. 日向野先生:夜のサンタンジェロ城良いですよね!ローマにいらっしゃる間にお会いするつもりだったのに、突然の出張でいろいろとスケジュールを合わせることができず、非常に残念でした。すみません。でもみなさん楽しまれたようでよかったです。ローマは飽きないですよね。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *