だいたいにおいて、ローマの皆様(イタリア人全体?)は大げさというかなんというか、「ここがローマで一番おいしいピッツェリアだ」とか「ここが一番イケてるバールだ」とか言いがちだったりするんですが(要はどこも美味しい)、それに便乗して私も「ここが一番おいしいジェラテリア(ジェラート屋さん)だよ」と、紹介することにしました。
といってもこのIl Gelato di San Crispinoというジェラテリア、本当にすごく有名なところなので実はみんなもうすでに知って知ってしりまくってるのかもしれませんけどね。直訳すると「サンクリスピーノのアイスクリーム」となりますが、自らGelateriaとは名乗らないところがなんだかコダワリを感じさせられますね。ここは私の先輩のTさんが連れていってくださったところで、行ってみたら本当に本気で信じられないほどおいしかったので主人のAさんが来たときもはりきって連れていきました。
が、観光でローマに行かれる方には、あまり積極的にはおすすめしません。というのも、ここは「いわゆる」イタリアのジェラート屋さん、という雰囲気ではないので、つまるところのオードリー気分は全く味わえないんですね。ですからここに行ってジェラートを食べても、ちょっとだけがっかりする方もいらっしゃるかもしれません。その「いわゆる」というやつを味わいたい場合は、パンテオンの近くのGiolittiの方をおすすめします。老舗だし、大きくて「いわゆる」的な雰囲気もなかなかだし、味だってすっごく良いです。そしてそのイタリアっぽさに満足して、そろそろ違うジェラートを、と思ったら是非このサンクリスピーノに行ってみてください。上の写真はその本店的存在なのですが、ちょっと観光地から離れたところ(ピアッツァザーマの近く)にあるので車がないと行きづらいかもしれないので、こちら。
そう、支店(ぽいところ)があるのです。こちらはちょっと小さくて見つけづらいかもしれませんが、トレビの泉のすぐ近くにあるので、トレビの泉で「サンクリスピーノはどこ?」と聞けば絶対誰かが教えてくれるでしょう。1分も離れていません。そして味は本店と同じですのでご心配なく。本店の方の住所はvia acaia 56で、このトレビの泉の近くのはvia della panetteria 42です。クリックするとMappyの地図が出るので位置を確認してみてくださいね。
ここは本当に、コルノ(アイスクリームコーンのことですね)もないし、小さいカップで2エウロ近くする割高感+高級感が漂うジェラートなので、くれぐれも言っておきますが、いわゆるイタリアの大きくて安いジェラート(十分すごく美味しい)に満足した後で、試してみてくださいね。中くらいのカップで2エウロ50チェンティジミで、3種類くらい頼むとパンナ(生クリーム)?と聞かれると思うので遠慮なく生クリームたっぷりのせてもらってください。
私のオススメはお店の名前そのものの、Il Gelato di San Crispino。それがない場合はVaniglia(バニリア)にしてみてください。どちらも蜂蜜のたっぷりはいったバニラで、ありえないほど美味しい。そして外せないのがNocciola(ノッチョーラ)、ヘーゼルナッツです。ああ思い出しただけでうっとり。そしてCrema al Pistacchio(クレマアルピスタッキオ)、このフレーバーはピスタッチョが刻んで入っている気合いの入り方で、もともと美味しいピスタッチョ味のジェラートの中でも光り輝く存在となっているのです。その他のフレーバーも絶対美味しいはずです。ただし、ジェラートは「クリーム系」と「シャーベット系」とあって、3種類頼むときにそれらを混ぜると「え?」という反応をもらう事も少なくないので、念のため。イタリア人の皆さんはどうやらクリーム系はクリーム系だけでまとめるようですね。バニラ、コーヒー、キャラメル、など。そしてシャーベット系、例えばマンゴ、ラズベリー、レモン、などはその系のみ。という感じ(Aさんに私信:アマルフィリモーネはどうやら「クリーム系」みたいよ)。まあ、このあたりは個人の好みなので、お店の人にとやかくいわれる筋合いじゃない!と思う方はまぜまぜでも良いんじゃないでしょうか。私は個人的にはコントロールフリークなので混ぜたくないタイプですね。
そして付け加えると、食品安全の観点からみて、このお店(フランチャイズ、といっても4店ですが)は異常なほど衛生的。ジェラート屋さんはふつうジェラートをガラスのショーウィンドウからこれでもかというように見せつけているのが普通ですが、ここはピカピカに磨かれた銀色のフタがしてあって、一体中がどうなっているのかさっぱり分からない状態。そしてお店もとてもクリーンでかなり好印象です。しつこいようですが「いわゆるイタリアのジェラート」じゃない美味しいジェラートを食べてみたくなったら、是非どうぞ。気持ち的には本店のほうがカワイイ店構えでオススメです。イタリアのジェラテリアは夜中までオープンしている事が多く、若い人だけでなくお年寄りにも大人気なんですよ。ジェラートを食事代わりにしちゃう、というお年寄りにも会ったことがあります。栄養学的にはちょっと問題ですが、イタリア人のおじいちゃんが甘いジェラートを食事にしちゃう姿は単純にカワイかったのでまあいいか!という気分になりました。