Kate SpadeのiPod shuffleケース

20051011_kate.jpgのろけるな!と怒られそうですが、アメリカのAさんから送られてきたプレゼントです。実は今、私たち夫婦にとって記念すべき第3回目の遠距離生活真っ最中なんですが(第1回目はシアトルプルマン間、約1年、第2回目は日本プルマン間、約1年、そして今回第3回目)、別居しはじめると何故かAさんが、同居しているときよりもいっぱいいろいろプレゼントを送ってくれるような気がします。日本とアメリカに離れていたときは、毎月のようにどっさりと本を送ってくれたし、今回はマイティマウスやこのケースなど、コンピュータ関連のものを送ってくれます。別居結構いいかも、と思わず調子にのります。
まあでも真面目な話、人って離れると、何かその人の好きそうなものを見かけたときに「買ってあげよう」とか「送ってあげよう」とか思いがちなんでしょうね。私も街でAさんが好きそう、あるいは気に入りそう、面白がりそうなものを発見したときはつい買ってしまいます。それはAさんだけでなく、母や父が好きそうなものだったり、姉が好きそうなものだったりするので、やっぱり「メリハリ」のためにも多少は離れてそのかけがえのない家族のことを、遠くから考え、思いやることは非常に大事なこと&楽しいことなんだな、と思いました。私もバンコクでの一人暮らしで寂しいはずなんですが、こういうことを考えたり、大事な人へのプレゼントを選んだりしているとなんだか幸せな気持ちになって、ウキウキします(あ、単純に買い物中毒だからかも)。


で、このケースですが、今までのところ3名のタイ人に見せた(というかめざとく見つけて、「それ本物?」と聞かれた)んですが、かーなーりー好評です。内側はシャッフル特有のグリーンなんですが、ピンクと茶色のカワイイコンビネーション、この秋にぴったりです。めちゃくちゃ気に入りました。ありがとうAさん。
そしてこのケースと一緒に送られて来たのは、Aさんが最近アドバイザーの先生夫婦と旅行したイエローストーンで購入したという、ガイザーペン。イエローストーンは、突然吹き出す自然の噴水、いわゆる「間欠泉(ガイザー)」で有名ですが、このペンは沸点の非常に低い色水が入っていて、そこを握りしめると水がぐぐぐっと上がっていってペンの上部のドーム型になった透明のプラスチックの中で擬似噴水が起こる、というもの。結構カワイいです。ペンとしては機能性ゼロですけれども。でも長崎市民として3年間を送った私にとっては、「びいどろ」以外の何にも見えませんけどね。長崎のびいどろのお店にはよくあるんですよ。握りしめると沸騰する色水の入ったキレイなお土産もののガラス工芸。
私が一番最後に長崎に行ったときにはもうお店はありませんでしたが、浜の町商店街に私の大好きなびいどろ工房があって、私はそこでびいどろ作りをぼーっと眺めるのが大好きでした。長崎びいどろは、実は気泡がいっぱいはいった、失敗作のようにみえるびいどろがいわゆるその昔の「本物」ぽさを出しているらしくて、私はよくそこでその「失敗作のような本物」を安くたくさん購入してました。長崎を去るときに全部友達にあげてしまったけれど。そんなことを思い出させてくれた、でも実は結構ファンキーなガイザーペン、嬉しかったです。
20051011_mousou.jpgところで日本に帰っている間に読んだんですが、島田雅彦さんの「妄想人生」というエッセイというか意見文というか、まあとにかく島田雅彦さんの等身大の言葉の並んだ本、小難しいことをいっぱい書いているわりには、私の最近の考え方にすごく影響を与えてくれたようで、自分でもびっくりしています。島田雅彦さんくらいの年齢の方の本って、なんとなく「ムキになるとカッコわるいので適当におちゃらけちゃえ!」というような感じの本が多いなぁと思っていたんですが、島田さんの、頑固なくらいに純文学で欧文学追従形の文章を読んでいた私にとってこのエッセイはかなり衝撃的(大げさ)でした。最近の政治のことや世界のこと、文化のこと、などなど、面白かった。
誤解を恐れずに書きますが、私のような中途半端タイプも含めて、ある程度の年数を複数の文化圏で過ごしてしまった人は、良い意味でも悪い意味でも、もう、もはや、ひとつの文化の中で暮らした人とは、どこかかけ離れた何かを得てしまった、あるいは失ってしまったようなところがあると思うんですね。これって本当に、80%の人の誤解を生むと思うので、今まで書きたくなかったんですが、真実なので仕方なく書きますが、私はよく、留学生の友人と、「留学前からの友人以外で、海外経験のない人との知り合い始めの時期って、すごくコミュニケーションがむずかしいよね」という話をします。それは別にどちらが悪いとかどちらが良いとかそういうことではなくて、例えば、1対1の文化の違いと同じようなものです。つまり、例えば、ベトナムで生まれたベトナム人が25年間ずっとベトナムで過ごした、という状況と、日本で生まれた日本人が25年間ずっと日本で過ごした、という状況があって、その二人が初めて出会った場合、やっぱり最初に知り合うときはコミュニケーションは多少難しいと思うんですが、それと似たようなことです。私たちはうっかりそれとは気づかずに、中途半端な2文化圏(あるいは多文化圏)生活者となってしまった、ということなのです。そしてそれなのに、うっかり私たちは日本人だし、うっかりかなりの長い年月を日本で過ごしているし、うっかり典型的な日本人顔だし、ということで、相手に「日本人」を期待されがちなときに、うっかり自分の「エキセントリック」さをだしてしまうと、あまり好かれない、というなことが起こりうるんですよね。
今時留学なんて珍しくも何ともないし、「何言ってるの?みんなそんなこと意識してないよ!」と怒られそうですが、もうこればっかりは体感しないと、理解は難しいだろうなーと、ぼーっと思います。だって、私の留学時代の友人のほとんどが、このことを実感しているので、これはやっぱりないようである、「文化の違い」になってしまっているんだなぁという感じ。それで結論は何かというと、この島田雅彦さんも、どうやらその「多文化圏生活者」らしく、私にとっては「ウンウンそうよね!」と思えるようなことが一杯書いてあるなぁ、という結論だったのでした。
でも私も上の文章を小難しく書きましたが、実際はそんな大げさな「悩み」ではなくて、たとえば「へぇ、タイのトイレってこうなってるんだー」と思うのと同じレベルの、ちょっとした「プチ文化比較」のようなお気楽な発見なんですけどね。ああ、これを読んで「おこがましい!」とか「そんなことはない!」とか思う方もいらっしゃると思うんですが、単なる個人の単なる思いつきですのでご勘弁をね。

2 Replies to “Kate SpadeのiPod shuffleケース”

  1. Masami-san
    文化比較のお話ですが、私も友人とよくその話をしていました。カナダに居た頃に。今は周りは海外生活なしの友人も多く、そんなことを口に出そうものなら…なんですけど、その…となってしまうこと自体が違うところですよね。外では、自他の違いを当然とすることや、違うのがユニークである事やなどが良く言われますが、周囲ではそうでもありません。最近「Sちゃんでも言いにくい事ってあるんだね。」なんて職場で言われて、あ〜そういう印象を与えていたんだって改めて考え直しています。いただけない日本人にならない様に要所は元祖日本人で決めたいとおもいます!うまく使い分けをして、時には技を隠すことも必要ですね。

  2. shizukanさん:そうなんですよねー、本当に。私の場合「私とあなたは違う」という当たり前のことを、何故だか主張したくなってしまうんですよ。みんなそんなこと分かってるのに。自分でも不思議な性格になってしまいました。きっとそんなちょっとした「エキセントリック」な言動が、周りの人を「変わってる〜」と思わせているんだろうなと思うと赤面してしまいます。日本人らしくあるのって結構難しいですよね。

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