「漢方210処方生薬解説」の本やその他の本

20050714_shoyaku.jpg先月、都内のS大学にお邪魔したんですが(ここにホンのちょっとだけ書いてますけど、本当にほんのちょっとだけですね)、その時に会ってくださったHさんから、数週間前に送っていただいた本を紹介しようと思います。「漢方210処方生薬解説」という本です。これはHさん(本当はH先生なんですけど、ずーっとHさんと呼ばせていただいていたので、なんとなく変えることができないんです)が所属していらっしゃる研究室のI教授の著書(共著)なんですけれど、Hさんも中にある素晴らしいイラストをたくさん手がけられたということで、高価な本なのに送っていただいたんですね。

Hさん、I先生、本当にありがとうございます。いろいろと興味深く読ませていただきました。最初はパラパラと見ていたのですが、生薬について勉強する機会なんて滅多にないんだし、と思い直して今はちゃんとしっかりひとつひとつ読んでいます。今半分くらいまで読んだかな、というところ。本当は全部読ませていただいてからここでも紹介を、と思っていたんですが、あまりに勉強不足で「そうなのか!へぇ!」と思うことばかりだし、一般の方が家に一冊持っていてもかなり使えるんじゃないかと思ったし、ということで今日ここで紹介しておくことにしたのでした。

そしてもう一冊は、どうしてもリンクを探すことができなかったんですが、万来舍発行、エイブル発売のISBN: 4990189418の「とれたて菜園の元気野菜」(監修:伊田喜光、根本幸夫、著者敬称略)という本も一緒に送っていただきました。これもスゴいんです。野菜がひとつひとつ、その栄養と薬効について解説されていて、しかも健康レシピなるものまでフルカラーでついているんですねぇ。驚きです。私の父は家庭菜園をやっていますが(本当に「家庭菜園」なんて父の性格と180度違うところにあるものだと思っていたのに、今やすっかり板についています)、父もかなり興味をもってフムフムと見ていたようでした。ここで、「この本ですよ」と紹介できないのが残念で仕方ないくらい、完成度の高いキレイな本です。これもHさんに送っていただきました。Hさん、I先生本当にありがとうございました。

さて、ここでまた恒例の読書記録(初読)しておきます。大した本読んでないんですけどね。いつものことですが。以下著者敬称略です。

1. 七つの危険な真実(赤川 次郎・北村 薫・夏樹 静子・乃南 アサ・阿刀田 高):オムニバスっていうんでしたっけ、すっごく軽い短編ミステリ集です。最初のがあまり面白くなかったので(失礼)、最後までノリとしてはあまり良くなかったかもしれません。しかも人権団体(?)の話なんかも突然でてきて、なんとなく、「なんか騙された」風な気分になったのはどうなんでしょう。これってどうなんでしょう。本当に。

2. 料理人(ハリー・クレッシング):これは面白かった。いったいどんな最後なんだろう、と常にドキドキして一気読みしました(もったいない)。かなりブラックですね。そして悪魔系。読んだあと、一体何を思いついてこの話を書いたんだろうと思って著者をすごく調べたりしたんですが、あのランダムハウス社から出た本なのに、この人の情報って全くないんですよね。誰かが覆面で書いたのかな、という感じです。似てるところではブラッドベリとかあのあたりなんですけどね。でもブラッドベリだとしたらあまりにブラックすぎるか。面白かったです。

3. パンのようにおいしいイタリア人(アレッサンドロ・G・ジェレヴィーニ):さらっと読めるのに、何度もいろいろとこの内容を思い出しては、「そうだよね」とか「そうなんだ!」とかいろいろあとで納得したりできるのが楽しかったです。私の友達のイタリア人(私は一時期プルマンで、イタリア人留学生の集まりにばっかり偶然出かけていた時期があったのです)もそうだな、と思ったり、あのセリフはそうだったのか!といろいろ考えたり、面白かったです。やっぱり食文化への思い入れが強いところが私はイタリアはいいなと思うところです。そしてこの日本語を彼が書いたとしたら、なんてスゴい人なんだと思います。どこにも「訳者」のようなことは書いていないので、きっと彼が書いたんでしょうねぇ。すごいなぁ。なんといっても東京大学の博士様だもんね。素晴らしい日本語です。

4. 象の消滅(村上春樹):米Knopf社が出した村上春樹氏の1980年代を中心とした短編集の逆輸入版といったところ。装丁がすごくキレイです。アメリカのペーパーバックみたいに本のページのフチが黄色くなっているところとか、透明のカバーとかいろいろ。読んだことがある短編もあり、初めて読む短編もあったんですが、「逆輸入版」という意識を持ってこれを読むと、「これが英語だったら結構衝撃的な表現かもね」だとか、「こんな感じで日本は誤解されたりするのかな」とか想像が広がって違う読み方ができて面白かったです。内容としては、好きなのもあれば普通なのもあれば、「?」なのもあるんですけど、やっぱり表現の仕方とか「プロ」って感じですよねぇ。タイトルすごいですよね。”The Elephant Vanishes”だなんて、私がアメリカの本屋さんをウロウロしていたらかなりの確率で手に取ってしまうかもしれないかなりキャッチーなタイトルです。

5. キッドナップ・ツアー(角田光代):これって字も大きいし、完全なる児童書なんですけど、大人の私でも普通に読めました。それにしても、読んでいる最中に、全然違う話なんですけどなぜか”The Clearing“という映画を思い出しました。何でだろう。そして「不思議とぴかりと光って見えた」のところでツーンときたのは何なんでしょう。作家の方って本当に感情を表現するの上手ですね。

とまあこういったところでしょうか。再読ものはたくさんあるんですけど、もはやいろいろに手を出しすぎてどれをいつ読んだか分からなくなってきました…。

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