心の底からうらやましかったこと

今日は久しぶりに、ゆったりした日曜日を過ごしました。Aさんは朝からジムで走って来たので充実していたみたいですが、私はレモンケーキを焼いたり、カウチに深ーく座って本を読んだり。
ところで突然思い出したんですが、2月に日本に帰ったときに、心の底からうらやましいな、と思った出来事があったので書いておきたいと思います。そんなにたいしたことではないんですけどね。その日、うちの両親が上京してくるというので私と姉と、姉の旦那様の3人で羽田空港のカフェで、飛行機が到着するまでだらだらと過ごしていました。窓辺に一人、私と同じくらいの年齢かな、と思われる女の人がいて(もしかしたらもう少しだけ上かも)、何をする訳でもなく、ぼんやりとアイスティーのようなものを飲みながら外を見ているので、「あの人これから飛行機に乗るのかな?その割には荷物少ないな」なんて思いながら見てました。


ヘンな話なんですが、私は日本に帰るとどういうわけか、非常に強烈な自意識過剰になります。アメリカナイズドされた人っぽい気配を大げさにかもしだしていないか、スタバなんかのアメリカ系のフランチャイズのお店ではうっかりThank youとか言わないようにしなくっちゃとか、そういうのも含めてですけど、流行のことをほとんど知らないので、もしかしたら中途半端に流行っていないようなことを言ったりヘンテコな持ち物を持っていたりしないかとか、そういうことにとても気を使い始めます。私は最近の若い女の子ほどは背は高くありませんが、168cmあるのでやっぱり一般の日本の華奢な女の子より大きいし、電車なんかに乗っても、ああ、普通の日本人の女の子みたいに小さくなりたいなぁと無理なことを考えたりします。
これってアメリカの超合理的な精神科医に聞かせるとかーなーり、セルフエスティーム低すぎだと怒られちゃうだろうな、と自分でも考えて笑っちゃうんですけどね。そしてこれを書くとうちの家族はあまり良く思わない可能性もあるんですけど、私は末っ子なのでやっぱり両親や姉の前では、いつまでも末っ子扱いで、それはそれでとても幸せなことなのは分かっているんですけど、多分末っ子の人には分かってもらえる何とも言えない窮屈な、それでいて甘えていられるような、こう、モゾモゾした気分になります。ってあんまり意味分かりませんね。まあ、末っ子の方は分かるでしょう。特に愛された末っ子の方には。
そこで話は戻りますが、その羽田に行った頃は、私は日本の一時帰国も3週間くらい経っていたころで、いい加減、そんな自分にうんざりしていました。自意識過剰すぎるし、わがままだし、私ってどうしてこう、うちの姉みたいに素直にいろいろ楽しもう、とか笑ってすごしちゃおう、とかそういうふうに考えられないのかなーと、ちょうどその前の日もお布団の中で考えていたところでした。翌日は両親も来るし、私のそんな自意識過剰+ワガママ気分が破裂しそうになるのは、私の愛すべき家族が揃ったところ、というのがいつものお決まりなので。みんなが冗談で言ったりするちょっとしたことにも反応しちゃったりして、それを思い出してそんな自分がさらに嫌になったりして、悪循環になることが多いのです。
そんなことをぼんやり考えながら、また顔をあげたら、その窓辺に座っていた女の人の顔に、もうそれは表現通り、まるで花が咲いたか光がさしたか、もうそんな笑顔がパっと浮かびました。そしてその女の人の視線の先には、きっとその人の旦那様か、彼氏さん(どちらにせよ子供がいそうなカップルではなかったんです)が、大きな荷物を持って、トレイにビールをグラスにふたつ載せて「ただいま〜!」と人の目も気にせず大きな声で近づいてきたんです。
どこか出張にでも行ってたのかなーと思ってなんだか微笑ましく見ていたら、女性の方がビールを受け取って「ビールで乾杯?嬉しい〜!ありがとう」と満面の笑みで、それはもう、ご主人以外の周囲のことなんて全く気にもとめずに話しかけ(でもそんなに大声というわけではなくて、私はタマタマ近くにいたので聞こえただけ)、そしてふたりでテーブルに向かい合って腰掛けました。
私がこうして一部始終をじーっと見ていても気付かないくらいですからね、きっとさぞかし嬉しかったんでしょう。そして女性の方がグラスを持ち上げて、「お帰りなさい、3ヶ月、おつかれさまでした」と真面目な顔で言ったあと、ニッコリしてふたりは乾杯しました。男性の方は背中側が見えていただけなのでどんな表情だったのかは分かりませんが、あんなにニッコリされたら、絶対ニッコリしているだろうな、というようなそんな感じでした。
そしたら、心の底から、「いいなあ」と思ってうらやましくてうらやましくて、なぜだか分からないんですけれど涙が出てきました。「良いものを見せてもらった」というより、本当に、「いいなあ」という気持ちだったので私も勝手なものです。なんで泣き出しちゃったのか分かりませんが、みっともないほど涙がとまらなくなった私をみて姉が、「あらあら泣いちゃった、あなたもさみしいのねぇ」と一緒に笑い泣きしてくれたのですっごく助かりました。このときの出来事は、思い出しただけでも、今でも何故か涙が出ます。一体どんな感情なのか全くわかりませんが、私、あんまり人の事を羨ましいと思ったりしないタイプだと自分で思ってたんですけど、こればかりは心の底から、本気で羨ましいと思ってしまったので自分でも不思議な感じでした。何だったんだろう。

2 Replies to “心の底からうらやましかったこと”

  1. なんかいいですね。
    もし僕がその場にいて涙が出たとしたら、きっと嫉妬、嫉み、、そういう汚い感情からでしょう。
    純粋にいいなぁとおもうMasamiさんはきっときれいな心をもっているんでしょうね。
    そんなMasamiさんの純粋さに思わず”続きを隠す”押して、ハッと我に返りコメントしたしだいです。こんにちは、Haoといいますw
    Wordpressはじめたてといいながら、ものすごいカスタムしてますよね!?
    ・ちょっとまえの記事
    ・Recentcomment
    ・Archives
    どれも標準で付いていない機能ばかり。
    Wordpress構築記もぜひ楽しみにしていたいです。

  2. Haoさん:初めまして。コメント残してくださって嬉しいです!実はこの記事にはメールで3件(といってもそのうちふたつはお友達)の反響をいただいていて、末っ子であっても長女や長男であっても、それなりの役目に同じようなモゾモゾ感はあるんだなぁと改めて、「末っ子」ばっかり特別だと思っていた利己的な自分を発見しちゃいました。
    でも涙が出ちゃったのは自分でもよく分からない感情で、もしかしたらやきもちのようなものがあったのかもしれません。でもすごくいいな、と久しぶりに100%羨ましく思えて自分でびっくりしました。
    ところでWordPressですけどインストールが噂通り、本当に5分でできて簡単で感動しました。でもこのサイトはデザインだけあの有名なKubrickテンプレートをいただいただけで、実はMovable Typeのままなのです。でも頑張ってWordPressも構築していきますのでもしかしたらHaoさんに何かお伺いしちゃうかもしれませんがよろしくお願いします。
    Haoさんが指摘してくださった、ちょっとまえの記事もRecent CommentもArchivesも、見た目はアッサリしてますが、実はちょこちょこ頑張ってTagをああでもないこうでもないと、いじった部分だったので嬉しかったです。Recent Commentは標準タグですけれど、あとの2つはプラグインを使ってやっています。まだ望んだような形じゃないけれど、年間アーカイブ(こんなの)ができあがってすごく嬉しいのでした。
    長くなりましたがこれからもどうぞよろしくお願いします!

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