プールに通う

この、まるで絵のような写真は、我が大学が誇る新しいジム(Rec Centerと呼ばれます)です。私と母は午前中にここのプールにほぼ毎日通うことにしました。今のところ昨日、今日と続けて2日間通っていますが、週末はプールの時間が違うため、もしかしたら平日だけのプール通いということになるかもしれません。母とプールから帰るときに必ず言い合うのが、「どうして運動したあとはこんなにもさわやかですがすがしい気分になるんだろうねぇ」です。割と私たちふたりとも真剣に泳ぐので、体力的には疲れちゃったりするのに、ジャグジーに入って、シャワーを浴びて、髪を乾かして、お化粧してここから出る頃にはなんだかエネルギー充填!という気分なのです。


ところで、母がここに初めて来たのは確か3年前。このジムが出来てまもなくだったと思います。その頃私はプールに通いまくりだったので、母が来てから、「ジャグジーだけでいいから、一緒に行こうよ」と半ば強引に誘いました。この写真で前面に見えているガラス張りの部分が、プール&ジャグジーなのですが、この景色からも分かるように、ここで泳いだりジャグジーに入ったりすると、目の前にこの何も無い景色が広がって、青空しか見えなかったりして、田舎満喫の気分が最高なのです。そして本当に、本当にココロの贅沢をしている気分になるのです(少なくとも私は)。それをどうしても母に見せたくて5メートル泳ぐのがやっとの母なのに、おかまいなく、無理矢理に連れてきたのでした。いえ、実を言うと、母が苦手なのは「息継ぎ」なので、息継ぎをしないで必死で泳げば25メートル泳いだこともあったとかなかったとか(苦しそう)。
不安気に水着に着替えてプールのエリアに来てしばらくは、母もぱちゃぱちゃと浅いところを歩いたり、ジャグジーに入ったりしていましたが、何か意を決したように私が泳いでいる側の深いプールに入ってきて、「私も泳いでみる」と言い出しました。うわー泳げないのに大丈夫かな、まあ私が隣にいれば大丈夫か、と思いながら「じゃあ見てるね」と言ったら母は意気揚々と「歩き」始めました。なんだ、歩くだけか、と思って急に安心してぼーっと見ていたんですが、プール半ばからぐぐっと深くなるこの作り、突然足が底につかなくなり、母は傍目から見ても心配なほど慌てました。「慌てる」っていうと普通ですが、それはもう、全身で大慌てです。手も足もバタバタバタバタ。私も、「!」と思って近づこうとしたし、ライフガードのお兄さんお姉さんも、ぎょっとして中腰になったところで、母はなんとかくるりと反対を向くのに成功して、それからゆっくりと歩いて戻ってきました。その後しばらく、「歩いてたのに溺れそうだったねぇ」と笑い話になって楽しんだので、良かったといえば良かったんですけどね。
そして母が日本に帰ってしばらくして、母が近所のスイミングスクールに入会したということを伝えてきました。「悔しかったから次に行く時までには絶対25メートル泳げるようになるの!」ということ。それから3年、果たして母は、しっかりと、泳げるようになってやってきましたよ!去年右膝を手術したのでバタ足がちょっと不安ではありますが、ちゃんとリズム良く息継ぎも出来るようになったし、キレイなフォームでクロールしながら25メートル泳ぐ母を見て、何とも言えない気持ちになりました。本当に、何とも言えない気持ち。嬉しいとかそういうことじゃなくて、勇気というか、何と言うか、ああ、言葉にすると何だかチャチになるのでやめますね。
それにしても、東海岸のDCやNY、ボストンなどは寒波で大雪の毎日だそうですが、ここプルマンは日中は18度(摂氏)まで上がるぽかぽか陽気。ノースリーブを着て、サンダルで歩く学生も多数です。まあ、そこまでやるのはちょっとやり過ぎな気もしますけれど。楽しい日々はこれから当分続きそうです。

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