健康管理は実力か

数日間とある研修に通っていたので、いろいろと考えさせられることがあって、それはそれでかなり面白かったのですが、表題の件、「健康管理=実力」という考え方、私の結論はどうやら大きな「YES」です。つまり、健康管理ができないってことは実力がないってこと。

ちょっと話がトビますが、私は自動二輪の免許を持っています。ふつうの中型自動二輪と以前は呼ばれたタイプのバイクの免許ですね。その免許を取得したときに通った教習所が楽しすぎて、「このまま一生教習所に通いたい」と思ったくらいですが(ちょっと大げさ)、そのときの教官に「車を運転しているときは、3台先の車とその車が遭遇している状況を瞬時に把握することが大事だが、バイクを運転しているときには5台先、できれば7台先の車とその状況を瞬時に把握しなければならない」と言われた事があります。

実際それを実行しようとしてみるとすぐに分かるのですが、かなり困難です。バイクに乗ると、多少は車の目線よりも高い目線になるので上から数えて5台先を見る事は一応できるにはできるのですが、その車の前で何が起こっているかまで見るのは非常に難しい。ましてや7台先なんて困難どころではなく、不可能です。それでどうするか、というと、なんだかヘンテコな結論で申し訳ないのですが、「謙虚になる」のです。

1)5台先を見ようとする。
2)見えない。
3)その車が出会っているかもしれない状況を複数予測する。
4)その状況にそれぞれ対応策を考える。

ということを瞬時にやるわけでしょう?そうしたら、結局のところ、有り余る車間をとって、それでも遠慮せずに車と車のちょうど真ん中あたりに「なんだよあのバイク真ん中走りやがって」と言われかねないポジションに自分を置いて、かつ、スピードを落とし、足はギアをすぐにカンカン落とせるようにスタンバイし、中指クラッチはやめて全部の指をかけ(あ、これはウソ、私のクラッチはかなり近いクラッチにしていたので中指だけで大丈夫でした、へへへ)、といういわゆる「優良ドライバー」もとい「優良ライダー」にならざるを得ないのです。

で、話は戻るわけですが、つまり健康管理とは「いろいろな状況を予測してその状況にそれぞれ対応策ならびに予防策を考える」ということなんだと思うわけです。そして、それでもやっぱりウッカリだとか、こう、避けられないこととかは起こるわけですよね。

また話がバイクの話になりますが私はあるとき上のように自分ではいろいろな状況を予測してそれに対応できるようにしたつもりになった状態で、信号待ちをしていました。いつものように、道の端っこではなく、車道の真ん中に普通の車一台分のスポットを使って片足ついて、ニュートラルからいつでもファーストに入れることができるようにスタンバイした状態で。

そしたら、あろうことか、対向車線から来た小さなミニバンが、私の左側にあった本屋さんの駐車場に入ろうとして、何を思ったのか、私が占拠していたその車一台分のそのスペースを「どうぞ通っていいですよ」スペースだと勘違いしたらしく、運転してきたそのままの勢いで私にガーンとぶつかってきたんです。あとで聞いたら私の姿なんて全く見えなかったらしい。そんなワケないんですけど。

こっちは信号待ちして停車しているところに、対向車からハネられたんじゃ、対応策とかそういう問題じゃないんですよね。その事故では私は大けがじゃなかったから良かったものの、1ヶ月の入院となってしまっていろいろと大変だったんですが、入院中に「こういう場合の対応策」を小さな頭をひねりまくって考えたんですが、導かれるのはただひとつ。「もうバイクに乗らない」ってことでした。

当時は若かったこともあってバイク大好きでどうしてこんな理不尽なことでバイクを諦めなければいけないのか、もうホントにホントにそんなのイヤでイヤでたまらなかったのですが、結局、信号待ちしていただけなのに1ヶ月の入院ですべてのことに支障が出る、という結果を避けるためにはそれしかない、バイクをあきらめる、ということは自分の実力を最大限に発揮するためには必須なのだ、と自分に言い聞かせる結果となりました。

というわけで、これはちょっとした極論になりかねませんが、生まれつき体が弱いだとか、アレルギー体質だとか、骨が弱いとか、いろんな人がいると思います。私も数えればいろいろ細かいことばかりですが、たとえば角膜に傷が入りすぎていて目が光に弱すぎるとか、足下がいつもフラフラしていてすぐコケるとか、貧血気味ですぐ倒れるとか、大事なときにすぐおなかが痛くなるとか、自分でも「え〜ホントなの〜?」と疑いたくなるような症状をたくさん抱えてますが、それも実力のうち。いや、別に研修でそんなことを言われたわけではありませんが、「体が弱い」というのは実は、私のようなレベルの体の「弱さ」に限って言えば、まっとうな言い訳ではないな、と、そう思っただけの話です。そんなことみんな分かりきってることかもしれませんが。

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