ヒーローで分かる人物像

先日Business Weekで、膵臓がんの手術後仕事にパートタイムで復帰したAppleのCEOのSteve Jobsのインタビューが載っていたので興味深く読みました。といってもBUsiness Weekを定期的に読んでいるわけではなく、いつのまにかリンクからリンクへと辿り着いただけなんですけどね。パーソナリティはあれこれ言われている彼(特に若かりし頃)ですが、言っていることは、なるほどー!と強く思うものの、やっぱり彼自身は「威厳ある社長」というよりは「すんごくエラくなっちゃったカリズマティックでちょっぴりギークなエンジニア」という感じなんだなあと思いました。そして本人もそういうのが理想というか、自分であると思ってそう。ってホントのところはどうなのかわかりませんが。
私がこのインタビューを読んでいて気に入った、というか、”Made me think”させられたのは2カ所あります。


まず、インタビュワーに”How do you systematize innovation?”と聞かれるところ。

The system is that there is no system. That doesn’t mean we don’t have process. Apple is a very disciplined company, and we have great processes. But that’s not what it’s about. Process makes you more efficient.

そうよね、と納得しました。最近は大学でもどこでも「システム」を教えるところが多くてそれで学んだ気がしてしまうけれど(私も)、それはもっと何か別の本流の部分を効率的にするためのものであって、本質が向上しなければ、効率を上げるのも限度があるということ。もちろん、両方大事なんでしょうけれど。
まずたとえから入りますが、人間ってある日突然何かが大きく変わるということはあまりないと思うんです。たとえば、女性なら誰もが気になるしわやしみ、あれってある日突然ばーーっとできるものじゃないですよね。ですから女優さんのように日々少しずつ気をつけていて、トレンドにも気を配って毎日ケアしているとやっぱりケアを全くしない人に比べると5年後、10年後、20年後に大きく変わってきます。
それと同じで、というよりはもっと速いスピードで変化しているのがコンピュータやテクノロジーの世界だと思うんですが、私はなるべく、最先端の情報に触れておきたいといつも思っているんです。たとえそれが「新しいもの好き」に見えても、多少高価であっても、手元において触って「今」のテクノロジーに消費者レベルで触れておかないと、5年後、10年後には全くキャッチアップできなくなると思うんです。それで割と自分の時間の多くを割いて、日々のキャッチアップに努めているんです。
それは実は言語なども同じで、言語の変化はゆっくりですが、やっぱり本を読んだり雑誌を読んだりテレビを見たりして、「今」のトピックをなるべく話題にしたり、いろいろな人とたくさん話したりすることはものすごく大事だと思うんですね。言語、テクノロジー、オーガナイジングなどは本当に日々の努力が大事なフィールドだと思って私は非常に重きを置いているんです。
ですが、ここからが本題ですが、今挙げた全ては、単純に、結局はツールにしかすぎないと思うんですね。言語をつかって、テクノロジーをつかって、何をするか?そのオーガナイジング能力を何に使うか?というのが本当に本当に私にとって重要なことだと思うんです、って当たり前ですけど。ツールを勉強し、向上させることによってプロセスは良くなるし、効率はあがるでしょうが、本当にフォーカスしなければいけないのは、何のプロセスを良くして何の効率をあげるか、ということですよね。時々あまりの時代の速さにうっかりしてそれを忘れそうになってしまうので、Steve Jobsの”The system is that there is no system.”のところでハっとしたのでした。
そして次に「へぇ」と思ったのがこれ。

You can tell a lot about a person by who his or her heroes are. That ad was to remind us of who our heroes are and who we are. We forgot that for a while. Companies sometimes forget who they are. Sometimes they remember again, and sometimes they don’t.

確かに、「尊敬するのは誰?」というような話題のときに、面接でもないのに「両親かな」とか言う人みると、げ、となります。説明するとなんだかウソくさくなるので理由は省きますが、まあ、もともと「尊敬するのは誰」とかいう質問がなんだかな、という感じがしないでもないですね。
私はこれを読んでからしばらく考えましたが、「尊敬するひと」と「ヒーロー」は違うんですよね。「目指したい人」と「すごいなーっと心から思う人」と「好きな人」とが全部違うように。そしてその定義はそれぞれ人によって違うんですよね。私に取って、家族や両親はどちらかというと「好きな人」だ。「お気に入りな人」という感じ。かけがえがないのは当たり前ですけど、一緒に暮らすとその人のアップダウンほとんどが見えて、それでも全体的に結局「好きだ」と思えるのが単純に嬉しいんですよね。もちろん、世の中にはそうでない人もたくさんいてそれはアンラッキー&アンフェアだとも思うんですが。私に取って両親や家族は「みてみて、私の家族!」と自慢したい感じ。誇りに思う、というのに少し近いですが、どちらかというと「気に入っているので見せたい」というほうに近い。っていうと私の家族や両親に失礼かしら。でも説明するとこういうふうにヘンになっちゃいますね。
でも「心からすごいなー」と思う人と「すごい人なのでなるべくお近づきになりたい人」というのも違いますよね。ここで例を出したかったんですけど、Steveによると”You can tell a lot about a person by who his or her heroes are.”ということらしいので、私のことがいっぱいバレると恥ずかしいのでやめておきます。これを読んでいるみなさんのヒーローは誰ですか?

2 Replies to “ヒーローで分かる人物像”

  1. Masami-san,
    本当ですよね! 今日の文章を読んで、「そうそう、そうです。」って一人で感激しました。 こうやって意識していることが大切なのですよね。 
    最近私が感じている事そのものです。 キャッチアップすること。 わたし現在かなりアウトデイティットされてしまっているんです。日本の情報も半端。カナダに居ても半人前。ということで、将来を考えて早く次のステップに進みたいんです。でもなかなか上手く行かなくて。ちょっと煮詰まっています(笑)
    そんな中、このページでいつも楽しい情報を知ることが楽しみなんです! Masami-sanのページは情報満載なんです。
    実は10月からジムにジョインしました。秋って苦手なシーズンなんです。奇麗で好きですけど、私は寂しくなってしまって。 今年はそんな秋・冬をポジティブに自分から楽しもうって思って始めました。 出だし好調です。 あーお買い物熱を押さえるのが大変です。フィットネスウェアー、長いの欲しいなあって。
    それではまた来ます。

  2. Shizukaさん:Shizukaさんにはいつも同意していただいたり、ご意見やShizukaさんの例を書いていただいたりして、とっても嬉しいです。私の情報、かなり偏ってますが(買い物とか、買い物とか、買い物とか!)それでもちょっとでも使っていただけるとやっぱり書いてよかったなーと思います。ジムいいですねー。私は学生じゃなくなってからジムには行ってません。主人が一緒にテニスしてくれるのだけが助けです。冬はウォーキングでもする?という話をしてますが大雪がふったらウォーキングなんてしたくなくなるでしょうし(私すぐコケるし)、私もジムにまた入ろうかなぁと考えてしまいました。またコメントくださいね!

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