最近ふと思ったんですけれど、若い人が(えーい私も含めちゃえ)、
「全然いいよね」
などと言うのは、とてもヘンな日本語で違和感があると思うのですが、実は、もはや国語辞典に俗語として載っているんですね。知りませんでした。変わっていく日本語を思って悲しくなってしまう気持ちがするのですが、実はよく考えると、「全く」には否定と肯定とあるので、それに「然り」がついても実は肯定に使えないこともない、というのは事実みたいです。そういえば夏目漱石などを読んでいて、同じような違和感を感じたことがあります。私が昔読んだ彼の短編に頻出していて、とても居心地の悪い思いをしたことを思い出しました。漱石は例えば、
「そして母はそれに全然同意してい(旧カナ)るのです」
という感じで使うのです。居心地が悪いけれど合っているというのはほかにもあって、
「太郎がそうなるのではないかと思っていたら、果たしてそうであった」
のような使い方の「果たして」はちょっと居心地悪いですよね。まぁこんなこと「全然」どうでもいいんですけどね。ただ、現代っ子が使うから、という理由で変化していく日本語に限ってはちょっと悲しい気分がしますよね。