それにしても最近、引っ越したこともあって蔵書の整理を良くしてるんですけど、ロングマンのLdoce 2000 Active Wordsという辞書みたいな活用英単語集とでもいうんでしょうか、本がでてきました。この本には結局全然お世話になりませんでしたが、この本を買ったときのことを考えて、なんだか感慨深く思いました。この本の帯には
と書いてあるんですね。ね?良さそうでしょう?
ぱらぱらとみてみると、確かに、こうしてもうこの2000語を普通に使うようになった今見ると、分類の仕方とかかなり分かりやすく、いいなぁと思えるんですけど、これを買った、あの頃はどうだったかなぁと思います。でも、確かに、ロングマン英英辞書はかなり、良かった。分厚くて持ち運びは大変だけど、あの辞書は英語を勉強しよう、アメリカの大学で勉強しよう、と思うひとは買うべきだと思いますね。やっぱり英語を日本語に変換する、という行動は確かに大事だけど、即戦力として英語を使いたい、英文を書きたい、という場合には邪魔になる場合も多いのではないかなぁと思います。英単語を、もっと簡単な単語で言いなおす、ということを毎日やっているうちに、ニュアンスとか、日本語にはない表現(すなわち日本語ではもはや言い表せない表現、結構たくさんあります)とかを感覚で分かるようになると思いますね。
それにしてもこの本、特記すべきなのは、最後の方にある、「本書の使い方」セクションです。実はたった今、読んだんですけど、上にあたしが必死で説明しようとしていることが、とても理論立てて説明してあります。長いですけど下に書いておきます。セクション1-1だけの引用です。
私の個人的な意見ですが、これを読んでいて、「暗誦」とか言われると、かなり「違うなぁ」という感覚を持ってしまうんですが、それ以外はこれに書いてあることはかなり正しいと思いますね。確かに、単語を出して、「これは英語で何と言うの?」とか「これは日本語で何と言うの?」とかいうのは避けられないし、さらに必要なことだと思うのですが、文章として、言い回しを完全に合わせるのは英語や日本語を知れば知るほど難しいですね。多分。
これからアメリカの大学で勉強しようかなぁと思ったりしている人にあたしがアドバイスをさせていただけるとしたら、やっぱり英々辞典の購入ですね。まず。高価だし、重いし、どうしようかと迷うとは思いますが、ロングマンの英々辞典、すごく使えるし、その使おうとする気持ちが大事だと思います。しかも思い立ったらすぐに買うべき。悩んでいる時間がもったいないと思います。
英々辞典の利用法の例を出してみます。たとえば、今ぱらっとめくって目に付いた、”Split”という単語。どういうふうに説明してあるかというと”To (cause to) divide along a length especially with force or by a blow or tear.”となってます。で、divideが分からないとしますね。そして引きます。”divide”は”To (cause to) separate into parts.”となってます。これでだいたい、Splitという意味がわかってきます。もちろんそのひとの英語力によっては、especiallyとかforceとかtearとかそういうのも引く必要があったり、さらにseparateとかpartとかも引く必要があるかもしれません。でも、そうやっているうちに、微妙な部分が見えてくると思うんです。
Splitを英和辞典で引くと、割る、裂く、割れる、裂ける、となってます。でも、ここにはalong a lengthという説明はないので、たとえば、パンの生地を両手で持って、えいっとふたつにわったりするのはなんとなくSplitではない、というのが英和では分かりませんよね。でもたとえば、薪につかうような木をナタで半分に割ったりするのはSplitだという感じが分かると思います。
なんだかあんまりいい例ではなかったですけど、こういうかんじで、日本語では説明しつくせないことが、英語のすべての単語にあります。大げさでなく、全部の単語がそうだとおもいます。もちろん逆も当然です。日本語のひとつひとつの単語を英単語で簡単に説明するのはほぼ不可能ですね。
暗記とかそういうのはどうかと思いますが、「表現に触れる機会をできるだけ増やす」というのは大事だと思います。映画を字幕で観て、何度も観て、実際何と言ってるのかを英語で聴いたり(今はDVDもあるしキャプションも出るので便利ですよね)輸入雑誌の小さなコラムを読んでどんな表現がされているのかなんとなく気にとめたり、そういう努力はわりと報われると思います。気長に、日常に英語をとりいれていくことが大事だと思います。そしてその理解に英々辞典を使うという感じでしょうか。
私は中国語の勉強もしているのですが、語学を習得するのは生涯をかけた勉強だとつくづく思います。でも、語学というものは、頭の良し悪しに関係ないなーともつくづく思います。環境、触れる回数、ちょっとした努力、などで誰でも、学校に通っていない人でもしゃべれるようになるし聞けるようになる。ただ、読んだり書いたりするのはちょっと別問題だと思いますが。
うちの母が英語を勉強しているというので(しかも、本人は否定しますが、私からみて、かなりの上達ぶりです。本当に驚きます)ちょっと英語の勉強法、その捉え方について書いてみました。参考までに、ということですのであんまり完全に信用しないでくださいね。
本書の使い方
1. なぜ英々辞典で学ぶべきなのか
(1) 英語を肌で感じるために
「英和辞典さえ使いこなせないのに、英々辞典なんてとんでもない」と思う人がいるかもしれません。慣れないうちは確かに時間がかかります。英々辞典は、それぞれの単語や連語、熟語の意味を英語で説明しているのですから、まずその説明の文の意味をとらえなければなりません。ところが説明文の中に知らない語がでてくることがしばしばあります。その知らない単語を新たに引いて調べなければならない、というような二重にも、三重にも手間をかけなければならないかもしれません。それでもなお、英々辞典はそれだけの値打ちがあるのです。これは英語がどのように理解されるかという問題なのです。そこで、英語を聞いたり、読んだりしたときの理解の仕方を3つのタイプに分けて考えてみましょう。
A. 初学者: 初学者というのは、平均的な中学生や高校生の場合で、英語は単語でも文でもいちいち日本語に沖買えないと理解したような気がしない人のことです。この場合、英語そのものを理解しているのではなく、実は日本語にすりかえて理解しているわけですから、英語を理解する方法としては望ましい方法ではありません。
B. 熟達者: 熟達者というのは、英語を専門に勉強して、英語を使う職業に従事しているような人をさします。この人は英語を聞いたり、読んだりするとき、いちいち日本語になおさなくても英語のままでかなり理解できる人です。話したり、書いたりするときも、表現したい内容を二本分にしてから、さらに英文になおすという操作をせずに、頭に浮かんできた内容の中心になる英語の単語を手がかりにして、表現したい内容に合った英文を組みたててゆける人です。もちろんBの人の場合でも英語を母国語として育ったわけではありませんから、日本語で考えることは避けられないのですが、上の図のように、日本語を理解するときと同じように、英語を英語のままで理解したり、考えたりすることができる部分をかなり持っています。
初学者でも日常よく使う挨拶用語や簡単な内容ならば、日本文にして考えなくても、場面に応じた英語が条件反射のように口からとびだしてくることがあるでしょう。Thank you.とか、I’m glad to see you. などは、なんの苦労もなく出てくるでしょうし、英米人とある友達のことを話題にして話し合っているとき、「彼はいつも冷静だな、僕みたいにカッカしないな」などと思っていれば、He’s always cool.という英文が浮かんでくるかもしれません。熟達者の場合は、そういう英語をたくさん身に付けているわけです。
C. 2国語常用者: 2国語常用者というのは、子供のころから日本語と英語の両方を覚えられる環境で育ったりして、両方とも母国語として自由に使える人をさします。このCの人は特別のケースですから別問題として、AとBに限って述べてみます。
Aの初学者がBの熟達者になるためには、それなりの勉強が必要なのです。それは、”English through English”とか”Thinking in English”とか言われる学習の方法です。英語を日本語におきかえずに、直接に英語を英語のままで理解する訓練をしなければなりません。そこには習った英文を完全に暗誦して、反射的に英文が浮かんでくるまで、あるいは文の一部の単語を入れ替えて場面に応じた英文を即座に作り出せるようになるまで練習することはもちろんですが、もうひとつ重要な方法があります。そえrは英々辞典になじんで、同意語や反意語や説明的な表現法を覚えること、そのもずばりの英語が思い浮かばなくても、その解説的、近似値表現ができるようになることです。
たとえば、「彼と私は会社の同僚なのです」と言いたいのだが、「同僚」にあたる、’colleague’が思い出せなかったり、あるいはしらない場合でも、He and I are fellow workers. / We work for the same company. / He’s a person I work with. など言い換えた表現ができることが大切なのです。それがBの熟達者になる早道であり、理想的な学習方法なのです。