温度計の仕組み

20030210thermometer.jpg数日前に書いた、温度計の話ですけど、あんまりちゃんと書いてなかったなーと思って、ちゃんと書こうと思います。
まず、私はその日のミーティングのときに、CDN(温度計の会社)の社長さんに、「なにか質問はありますか?」と言われたんですね、まぁ普通のミーティングのプレゼンのあとは必ずこう言われますよね。英語の勉強風にいうと、Do you have any questions?とかAny questions?とかそう言う感じですけど、この社長さんはShould you have any questions ask me now please.と言いました。これはお手紙とかでよくつかう表現ですね。話がソレますが。
で、こういうときって何も質問がないときでもまぁ話題が広がることもあるので、いろいろと思い付いたことを聞いておいたほうがいい、というのがこういうミーティングの基本なので、私は何かきこう、と思ってふと、「どうして温度計を使うときの注意として、温度計の先を何インチ以上、計測するものに刺してください、ということになってるんですか?なんでデジタルの温度計とダイアルの温度計だとその長さが違うんですか?」と聞いてみました。いや、正直に言うと、特にすごく疑問に思っていたわけでもないんですけどね。まぁそういうふうに無理矢理質問するときってありますよね。


で、リチャード(社長)が、「バイメタルって知ってますか?」と私たちに聞いたんですね。バイメタル。。。聞こえたままだと、2コの金属ですよね。なんだろう、と思ってまわりと見てみるとまわりのひともわりとキョトンとしています。なんだ、私だけが無知で知らないと思ったら教授たちも含めて特に詳しいわけでもなかったんだ、と思っていると、そこでリチャードが温度計の仕組みをおしえてくれたわけです。つまり、ダイアル式の温度計って言うのは、写真のようなモノで、電池とかそういうものはなにもなく、この金属の先を計りたいもの(まぁ私たちの場合は食品ですよね)に突き刺し、しばらくすると温度を示す針が安定して温度が分かるというものですね。で、これでどうして温度が測れるのか?ということを教えてくれたわけです。どうしてだと思います?
あのですね、金属っていうものは熱を加えると膨張しますね。これは中学生で習う物理ですよね。その金属の膨張する度合いというのは金属に寄って定数として決まっているわけです。で、バイメタルというのはつまり、2枚、膨張する度合いの違う金属を張り合わせ、それをコイル状に巻いているわけです。つまり小さなバネのようにしてるわけですね。そしてそれをこの温度計の先に入れて、温度を感知するとそのバネが膨張することによってクルクルとまわり、表示部分の針がまわる、という、そういうわけだったんです。先日の日記にも書いた通り、ヒリカルに巻くもの(いわゆるバネ状ですね)とスパイラルに巻くもの(ダテまきのようにくるくると巻くかんじ)とありますが、ヒリカルなものは、こうした突き刺すタイプの温度計につかって、スパイラルなものは、平らな冷蔵庫用の温度計や、普通に壁掛けにして使う温度計などにつかわれる、と、まぁそういうわけだったんです。
無知なのは私だけだったのかもしれませんが、私はこうして仕組みを知れてすごく嬉しいんです。なんで今まで不思議に思わなかったんだろう!と悔やみました。だってすごく単純なフィジカルサイエンスなのに、なんだかすごい人間の知恵みたいなものを感じるじゃないですか!で、決まった長さを食品に突き刺す必要があるのはどうしてかというと、そのらせん状のコイルが全部覆われないと、すべての金属が膨張しないため、正確に温度を測れないわけです。だから、そのコイルの長さすべてを食品に触れさせる必要があったわけですね。デジタルはまた違った仕組みなので、長さが違うわけです。

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