モリヒロ語録

結局8月の初心はまったく続かず20日を迎えてしまいました。夏休みももうおしまい。16日から通常通り、働いています。
さっき、とあるトコロからふとお借りしてきた、ダイアモンド社出版の細川護熙もと首相のスピーチなどを集めた本を読んでいたんですが(ふぅ、このモリヒロのヒロって字を見つけるのにかなり苦労した)、この方はおぼっちゃま育ちという印象が熊本人の私にはとりわけ強かったんですが、自我というか、信念というか、そういうものはかなり強かった方なんですね。わがままっぽいところ、ちょっとだけイバりんぼなところ、引用好き(いい意味でも悪い意味でも)なところ、などにかなり共感を持ってしまいました。あと、熊本を愛しているところも。


ところで、1989年といえば私が16歳、高校入学の年ですが当時熊本県知事だった彼が、熊本県立大津高校の卒業式で語った数行を引用します:
「いったい何のために学問をするのか。それは深い教養を身に付けるためだということでしょう。教養とは、お茶やお花や英会話やパソコン教室に通って、カルチャー、カルチャー、ということではありません。教養とは一言で言うなら「思いやり」があるということです。」
まず始めに断っておきますが、この言葉には私は「おおお、そうだ!」と頷きます。ただ、突っ込みドコロが満載ですね。まず、何のために学問をするのか、って学問を「する」ってあなた、もっと他に言い様があったでしょうに。しかも、深い教養を身に付けるためっていうのが広義すぎて微妙です。私は今勉強をする学生として毎日を過ごしていますが、たとえそれが最終的には深い教養を身に付けるためであったとしても、このたった今現在はそういうふうに思っているワケがない。私が日頃、「あれ?」と思ったり「おお!」と発見したりすることに熱中するために必要な知識をせっせと増やしている、という表現の方がしっくりします。それは結局深い教養を身に付けるってことなのかしら?そしてちょっとイジワルな中学の頃の国語の期末試験風に言葉を置き換えちゃったりすると、「いったい何のために学問をするのか。それは深い思いやりがあるということを身に付けるためだということでしょう。」となります。日本語めちゃめちゃ。しかも多分、彼が言いたいこととズレてるし。
でも、不思議なことに英文の論文とちがって、私はこの人のいいたいことのほとんどを「汲み取る」ことができます。多分普通の日本人だったらみんなそうだと思います。ストレートすぎるアメリカ人にはさっぱり分からないかもしれないですけど。そして汲み取った上で、「うん、本当だなぁ」とつくづく思っちゃったりするんです。不思議。
これは私の持論なんですが、極論を言う人、断言する人、というのはだいたいにおいて知識不足、あるいは予習不足である場合が多いと思うんです。1面しかない物事なんてほとんどないんだから、物事がシリアスであればあるほど、多面的にとらえる必要がでてくる、そうなると、バーン、と断言することが限り無く困難になると思うんです。だから、平たく言うと、多面的に物事を見ることができないとき、人は断言しがちだ、ということになるのかな。でも断言というのは気持ちがいいものです。例えば、「9月11日のアメリカのテロ事件で、アメリカは戦争をすべきか?」という問題において、「いや、戦争は何がなんでも断固としてやるべきではない、議論の余地なし!」としめくくると、スッキリさわやか、なにもかもが解決した気分になります。そんな簡単なコトではないはずなんだけどね。そして「あの人はすっごくダサい」といったりする御意見番芸能人たちは人気がありますよねぇ。誰も自分のこといわれるのが怖いから断言しないのに、あの人たちは平気で言えるからオオっと思えるんだと思う。でもあの人たちって100%イケてるのか?って思うとちょっとどうなんだろうって思うし。
でも断言できないからといってウダウダしていると物事は何も進まないのも真実で、いろんな他愛もないことから真剣なことまで、決断をくだすのが必要な場面は世の中にはたくさんある。ということで、そのとき、知識、予習の全てが整ったとき、さらに必要になるのは結局思いやりだったりすると思うんです。なんかこういうふうに書いちゃうとチンケな感じがしますが。数年前に見た、駄作とも言われるブルースウィルス主演のB級映画、Fifth Elementで、「風、水、火、土」という地球になくてはならないエレメントの次の5番目は「愛」だったという結末を見たときも、ヘンな話ですけど同じようなことを考えました。長い目でみたとき、思いやりとか愛のない決断はいい結果を生まない気がする。でも話はズレますけど、あの映画のオペラ歌手の歌は、コンピュータでやったとはいえスゴかった。あとクリスタッカーの演技がすごすぎ。話としてはあんまり面白くないけど、そういうちょこっとした場面を見るにはなかなかですので興味のある方は是非一度みてみてくださいね。
今週末はプルマンは待ちに待った(?)レンティルフェスティバルです。チリを食べて元気を出そうと思います!なんだか熱く語ったふうのワリには尻切れトンボでごめんなさい。

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