青いトマト

今まで、「日記に書こうかなーどうしようかなー」とためらっていたことを書きます。なんだか書くのがもったいなくてやめていたのですが、忙しい日常で嬉しさが薄れていくのがイヤで、今日ここに書いておこうと思ったのでした。うちの母が渡米していたときのことですが、卒業式の日に式が終わって部屋でのんびりしていたら母が突然黄色い紙切れをくれました。

手でちぎったようなメモ用紙のはしっこの紙切れでした。それには母の美しい字で、

「親は子を/育てて来たと言うけれど/勝手に赤い畑のトマト」

マッカーカンのキッチンで、オレンジケーキの焼き上がりを待つ間に読んだ俵万智さんの本にあった彼女の歌です。真佐美が住むプルマンで、ケーキの香りにつつまれている自分を、これは夢かもしれないと思った一瞬でした。

と書いてありました。うちの母は別に俵万智さん大大大好きというわけではなく(もちろん好感はもっているでしょうが)、暇つぶしに、と関西国際空港で彼女の本を選んだだけだったみたいですが、私はこれがなんだかものすごい偶然と幸運のように感じました。私は自分が母に幸せを与えている、と実感したことはありませんが(その逆は何度も何度も実感してます)、こうして母が実際に「こういうことが親としての幸せなのよ」というふうに教えてくれると、「ではこれから私が幸せを与えていこう!」と思えるようになります。まだまだ自分勝手で、人に幸せを、なんていうには100年早い私ですがお母さん、どうかこれからも見守ってください。

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