試験2、そして栄養と平均寿命の関係

火曜日、お昼過ぎた2時です。試験ふたつめが終わりました。通常、私はファイナル(期末試験)は4か5コくらいあるのですが、この学期はラッキーで、3つしかありません。だから明日でおしまい。
今日受けたのはとっても簡単でした。バイオケミストリー+フィジオロジー系のクラスで、授業を受けていてもフムフムそうなのかー、といちいち納得してしまうクラスなので興味もたっぷりあったためです。そういうクラスって、知らず知らずのウチにクラス内で覚えてしまっていて、試験勉強はさらっとリビューするだけで大丈夫になってしまうモノなんですよね。こういうクラス好きです。


内容としては、人生のライフスパンの中で、どのような場面やコンディションでどのような栄養問題が関連してくるか、ということを学ぶものが本筋です。結局栄養が原因だったり、栄養で予防できたりする病気などを原理から知って覚える、というクラスですね。例を挙げれば貧血のような簡単なモノから、アルツハイマーのような一見栄養とは関係なさそうなモノまで広くカバーします。
この学期を通してこのような内容をコツコツと勉強していて知ったのですが、みなさん、栄養士という仕事をしているヒトの平均寿命が長いって知ってました?私は知りませんでした。最初、私達は多少、こんな医療系の知識をカジるからかな?と思ったんですけど、でも、だからといってお医者さんや看護婦さんの平均寿命は短いんですよー。面白いですね。なんなんでしょうね。しかも、栄養士をしているヒトの「障害者」年数も低いんです。びっくりです。普通は全人口の60%の人が人生最後の3年間(女性)や1年間(男性)を「ひとりでは暮らせない」生活レベルで生活するらしいですが、栄養士をしているヒトはなんとそれがたったの4から8か月だそうです。これはアメリカ国内の統計ですので日本とはきっと違うでしょうけれど。
それで私は考えたんですけど、結構「栄養」と「平均寿命」の関係って、私が考えていたよりもさらに密接なのでは?なんて思ってしまいました。お医者さんは私達栄養士なんかに比べると1億倍くらい知識が豊富ですが、もしかしたら、日常の栄養にはあんまり興味がないかもしれないでしょう?タバコを吸われる方やお酒をたくさん飲む方も少なくないでしょうし。栄養士は、「指導」というものをしなくてはいけない以上、結構自分がモデルとなってあげないといけないんですよね。栄養士の方は身に覚えがおありでしょうが、「太り過ぎ」はもちろん「やせ過ぎ」な栄養士って、言っていることに説得力がないんですよね。患者さんは、「モデルみたいにやせているヒトに『やせろ』っていわれても素直になれない」なんて思ったりするものなんです。だから、栄養士さんには、「ちょっとふっくら標準型」の体系の方が多いです。体系だけではなく、もちろんビタミンやミネラルなど含むいろいろな栄養バランスも、気をつけていない栄養士さんなんて滅多にいないものです。
それで何が言いたいか、というと実は私は「ラッキー」と思ってしまったのでした。私がこの職業、このフィールドを選んだ以上、もしかしたらヒトより健康に人生を送れる可能性が高いかも。なんて。でも、ふと思ったんですけど、「そういうことに興味はない」というヒトってたくさんいるんですよね。友達にもたくさん「ガンになったときはガンになったときだよ」とか「死ぬときは死ぬんだから、食事制限なんてつまんないものはしたくない」とか、ものすごくもっともな理由で(笑)栄養バランスなんて興味がないヒトはたくさんです。
栄養士がこんなこと言っていいのか分かりませんが、私は個人的にはそれはそれでいいのではないか、と思っています。この意見のウラには私のちっちゃくてつまらないけど私にはとても大事なバックグラウンドがありますが、私はそういうヒトに栄養指導を強行する気はないです。そんなのやっても意味がないから。しかも、もしかしたらそのようなヒトの意見のほうが、私のコチョコチョしたウンチクより正しい時が確実にあると思うからです。だって、栄養なんて、ほんの5年や10年続けたくらいでは効果があるかどうかなんてわかんないんですよ?人生を通してバランスを保ってはじめてなんぼのものなんです。今まで40年間暴飲暴食で生きてきたヒトが(オオゲサですね、我ながら)突然2年くらい栄養相談を受けながら規則正しい食生活を送って、そのあと食事が原因とみられる何かの病気なんかになって「栄養士なんてクソクラエー」なんて言われても、クソくらうしかないし。せっかく毎日栄養バランスのある食事をしていてもある日突然事故に合ったりしたらそれはそれで「なんだったんだ」ということでしょう。
でも、栄養や健康に興味があるヒトを相手に、栄養相談という形でお助けできるのも、それはそれで私の喜びです。人間や動物や植物や食べ物などを含む地球上の全てのものを化学式で表わすことができて、そのリアクションを知る事ができて、それが人間の体内で行われていることを理論的にとらえる事ができて、それを基に、「科学的」に栄養指導ができるなんて、ちょっと「カッコイー」と思ってしまうのでした。なんて書くと軽いですけど。
まあ、こういったことは他のフィールドでも言えると思います。何か特別なフィールドを勉強したからこそ得られる感動や知識や利益。関係ないことを書くようですが、これがつまり、「人生は1回しかないよ」ということなんですよねー。私がいろいろなコトに興味があっても、何かを極めようとしたら結局は1コにしぼらないとダメなんですね。くー。コンピューターを使ってビジネスをしたい、とかAみたいにジオロジストを目ざして火山や地震や恐竜の研究をしたい、とかデザイナーになりたい、とか本をいつでも読める図書館のお姉さんになって、一生本が読みたい、とか、もしオトコだったらおおきいバイクに乗って誰よりも速いレーサーになってやったのに、とか、私にはいろいろとヤボーがあったんですけど、結局は一番自分の興味のあることに絞るしかないんですよね。深くやりたいから。浅くだったらいろいろできるでしょうけど。
ああ、例によってまた熱く語ってしまいました。こういうのって後で読みなおして恥ずかしかったりするんですけど。ま、いっか。それでは最後の試験に向けて頑張ります。

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