秋の雨

最近ちょっとお天気の悪いローマですが、今日は久しぶりに晴れました。職場であるFAOで世界の要人を集めたサミットが行われているため、私は家で仕事をするTeleworkingのオプションを選んで久しぶりに何の電話もかかってこない、誰も訪ねてくることのない静かな仕事環境をかなり楽しみながら(いつでも美味しいお茶を煎れて飲めるしね)充実の1日を送りました。たった1日でかなりいろいろと終わった気がする。これがありがたいことに水曜日まで続きます。たまっている読み物やレポート書きなどに取り組みたいと思っています。
さて写真は実はローマにある日本の大使公邸のお庭。2週間ほど前にここで天皇誕生日祝賀パーティが行われ、200名ほどの大使やパーマネントレップのみなさんが招待される中、現大使の温かいお心遣いで、国際機関の1職員である私のような者も招待していただき、久しぶりにお寿司や天ぷらなど日本食を楽しみました。抹茶ティラミスも美味しかった。
でも見渡してみると明らかに減ってきている邦人職員の数にちょっと寂しい気分がしたのも確か。その少ない日本職員の中でも、実は日本の省庁からの出向の方々が大半で、実際に日本政府に関わりなく仕事をしている日本人はかなり少ないです。ローマで日本語をしゃべる機会はほとんどといっていいほどないので、こういう機会はとても楽しく、もっと日本人が増えればいいなぁと心の底から思ってしまいますね。
ところで先週の金曜日はスウェーデン人のAと、私たちお気に入りの彼女の家のすぐ近くのトラットリア(この記事の一番下の方にかいている、Domenicoというところ)にまた行ってきました。おいしいバカラのフリットをアンティパストにプリモはリコッタとカルチョーフィのラビオリ、セコンドはパスしてドルチェにトルタディメーレ(アップルケーキ)とカッフェ、そしてディジェスティーヴォにアマロをいただいて帰りました。いつ行っても美味しくて素敵なお料理。
面白かったのが食事中にオーナーが私の席にやってきて、「日本人らしい人から電話がかかっているのだけれど、話が通じないので通訳してほしい」と言われ、電話に出てみたところ日本からの予約のお電話でした!お店の人のいうままに、日時(12月11日という遠い日付にちょっとびっくり)、名前、人数などを聞いて電話をきりましたが、この小さなトラットリア、日本にも知られているとは思えないのですが、とても不思議。最後に「会えるのが楽しみ」って伝えて!とオーナーにいわれて思わず「お待ちしております」って言ってしまいました。ここに常時日本人がいると思われちゃったらどうしよう。それにしてもこのトラットリア、メニューがないのでイタリア語ができないとちょっと厳しいかなと思わないでもないですが、まぁきっとなんとかなるんでしょうね。しかも私が思うにハズレのないところなので、「おすすめを」という注文でも満足できるお食事ができるでしょう。それにしても面白い体験でした。

My Sister’s Keeper

mysisterskeeper_smallposter.jpgMy Sister’s Keeper (2009), (B+)
10月に日本に帰った時に飛行機の中で観ました。邦題は「私の中のあなた」。映画館でも同じ時期にやっていたような気がするので観た方もたくさんいることでしょう。邦訳の題名がちょっと残念ですね。時々すごく良い、時にはオリジナルより良い邦題を見かける事も多くなってきたこのごろだったので(「マルコビッチの穴」など)本当に残念。My Sister’s KeeperだとそのHarshな感じが観る前からぐさっとくるのに、私の中のあなた、だとほんわかしてしまいます。原作の邦題がそうだったから使わざるを得なかったのかもしれません。
さて、映画ですが、ここ最近全然リビューを書いてなかったのに、なぜ突然この映画だけ書こうと思ったかというと、ボストンの新聞のクリティークの記事を読んで、私の印象は真っ逆さまだな、と思ってびっくりしたから。だって私が映画の何が良かったかと思ったかというと、以下の通り:

  • キャメロンディアスの、母としての狂気に近い愛がすごくリアルに見えたところ。私はこういう状況に直面したことがないので、何がリアルでなにがそうじゃないのか分からないのが残念で且つ幸運だと思えますが、それでもなお「でもどうしても」とすべての他のところに目をつぶって、心のどこかで分かっていても気づかないようにして、行動するところがリアルなんじゃないかと思いました。胸を引き裂かれるという表現が分かる気がする。
  • テイラー。存在だけですばらしかったけれど、とにかく最初ですぐに電話してきたところが大きなマル。
  • アレックボールドウィン。裁判所の廊下で倒れるシーン以外はすべてすごく良かった。ここで有名弁護士ががつんとやってしまうインパクトを考えてか、基本的にロープロファイルだし、最後、高級車で犬のジャッジと去って行くところも線が細い感じをあの一瞬で表現していて、やっぱりさすがだなぁと思ったのです。

残念だったのは、原作に忠実であろうとするあまりに家族のそれぞれのピースを映像にくみたてるために長男のピースがなし崩し的におさめられてしまったこと、そしてそれを出すための法廷でのシーンがかなり人工的すぎて微妙だったこと。
すっごく良かったのはビーチのシーナリーと、そこに現れたキャメロンディアスと妹の行動。そしてケイト。人目もきにせず飛行機内で号泣しました。[ DVD | 日本語DVD ]

ヴェルサイユの奇跡

出張先で週末を迎えることはかなり珍しいことなのですが、先日のフランスの出張では月曜日に2つのミーティングを抱えていたため、週末を過ごすことになり、金曜日にホテルに帰ってからふと、ヴェルサイユに行ってみよう、と思い立ちました。
実はヴェルサイユは11月からオフシーズンになるためいろいろと安くなるという情報を手に入れていたのですが、天気予報を聞いてみると10月31日の土曜日は晴れ時々曇り、11月1日の日曜日は雨ということで、うーんと悩んだ末、雨のヴェルサイユは嫌だ、と思い土曜日に行く事に決定。しかもそれからさらに調べてみると、ヴェルサイユは毎日大人気でかなり並ぶのを覚悟しなければならないということが判明しました。でもさらに調べてみると、今年からはオフィシャルサイトでオンラインチケットが買えるということも判明、即座に購入し、ホテルでプリントアウトもしてもらっちゃいました。
パリからヴェルサイユまでは電車で30分、歩く時間などを考えれば9時のオープンの1時間前に出ればOKかなと思っていたのに、おのぼりさんな私はかなり早朝に目覚めてしまい、7時40分にはそわそわして外に出てしまいました。泊まっていたところの最寄り駅はシャトレで、そこからセーヌ川を超えるとサンミシェルの駅からPERのC5線の電車が出ています。案内板にヴェルサイユと書いてあるのに従って歩いて行くとすぐにプラットホームがあり、窓口でヴェルサイユまで、とお願いすると人差し指を上下させながら何だか素敵なことを早口で言われました。素敵というのは内容ではなくフランス語の聞こえが、という意味ですけどね。それにしても私のなんちゃってフランス語はチュニジア人のディレクターとフランス人の上司で慣れているはずなのに「ん?」と一瞬なりましたが、この人差し指の上下で「往復ですか?」と聞かれていることが瞬時に判明したのでボディランゲージってすごいなぁと単純に思いました。ボディじゃなくてジェスチャー程度ですけど。
そこで往復券を購入(といっても片道2ユーロ半くらいでしたけど)して電車を待つ事5分。すぐにヴェルサイユ行きの電車がやってきました。このとき気づかなかったんですが、ヴェルサイユ行きの電車って30分に1本しかないみたいです。早めにアパルトマンを出て本当に良かった、と思いました。
ほぼ誰も乗ってない電車だったので微妙に不安に思いつつ33分の電車の旅。終点で降りるとやっと降りてくる数名の観光客の姿を見てちょっと安心しました。そしてヴェルサイユまで徒歩5分。到着してみると門からかなり遠いエントランスに約10人程度の列ができているのを確認して、「行列なんて全然ないし」とちょっと不満に思いながらそこに並んだところ、みるみる行列はのびていきました。もっとすごかったのがチケット売り場。あとで聞いてみたら10時にならんだ人がチケットを手に入れたのが11時半、そこからエントランスに並んで宮殿に入れたのが12時半だったそうです。ああ早起きして本当に良かった。ラッキーなことに全くといって良いほど待ちませんでした。9時にオープンして9時5分にはオーディオガイド(これを借りるのすら並ばなくてすみました)を首からさげてツアーをスタート。赤い部屋黄色い部屋ピンクの部屋白い部屋薄いブルーの部屋、そして彼の有名な鏡の間、と楽しんでしまいました。
ところでタイトルの何が奇跡だったかというと、なんと、この一番上の写真の芝生のところで写真を撮ろうと思ってぱっと下を向いた瞬間、なんと、左目のコンタクトレンズを落としてしまったのです。心の中で妙に冷静な私が「あーりーえーなーいー」と呻いていましたが、そこで即座にしゃがみこみ、微動だにせずに、見えている右目だけで15分じーっと芝のひとつひとつを見つめました。そして15分後、キラリとするものが落ち葉の上に見えて、それに手を伸ばすと果たして私の大事な左目のコンタクトレンズだったというわけです。今までの経験から言って、こんな広大なところでコンタクトレンズを落として、それを自力でみつけるなんてほぼ奇跡なのでこれはヴェルサイユの奇跡に違いない、と勝手に決めつけることにしたのでした。ちなみに写真の遠くにあるのが宮殿。私は十字の形になっている運河の先にたってこれを撮影しています。紅葉も完璧で、ためいきがでるほど素敵なところでした。
宮殿も素敵ですが、なんといってもやっぱりヴェルサイユは外です。マリーアントワネットが愛したプチトリアノンのフェイクな田舎の家たちなんて本当にかわいらしくて、ひとつひとつ丁寧に見て回りました。庭園も、噴水も、王の菜園も、も、バラ園も、マリーの愛した愛の神殿も、何もかもが素敵なヴェルサイユ。ひとりだったのに丸一日を過ごしてしまいました。しかも、それでも時間が足りなかったのでまたパリに行くようなことがあれば、是非また訪れたいです。

バカラのクリスマスツリー

パリで仕事が終わってから、いつも気になっていたLa Maison de Baccaratに寄ってみることにしました。ヨーロッパではいろいろな場面でみかけるバカラのシャンデリアですが、どこで見てもやっぱりクリスタルの輝きが尋常でないためすぐにバカラと分かります。このLa Maison de Baccaratはブティック、美術館とレストランまでがあってとてもわくわくするところです。レストランには入りませんでしたが、今度主人のAさんと来るようなことがあれば是非行きたい特別な雰囲気のところ。「クリスタル・ルーム」という名前のところです。東京や大阪にもお店を出しているみたいですね。
私はブティックでひたすら吟味して、このパリ出張を記念するため、この写真の小さな(15センチの高さ)クリスマスツリーを自分に買うことにしました。これから毎年この季節から年末までの時期をこの小さなクリスタルを出してお祝いしようと思ったのです。敷居が高そうに思えたお店でしたがとても親切なマダムがいろいろと教えてくれて、しかも英語が完璧の人だったので楽しくお買い物ができました。いろいろと光の加減を変えるとキラキラといろいろな方向に光の反射ができる素敵なクリスマスツリーです。一番上にちょこんと乗っている金色の飾りもすごく素敵。私の初バカラ、お気に入りになりそうです。

秋のボルゲーゼ公園

今日は良いお天気に恵まれた土曜日となったので、午前中にちょっと用事を済ませたあと、お気に入りのバール+パスティチェリアでイチゴとカスタードのパイを買って、ブランケットとクッションと本を持ってボルゲーゼ公園にでかけてきました。ボルゲーゼはひたすら芝生の広場が広がっているのですが、美術館近くの噴水のあたりにちょうどフラットになっていてお日様があたっている部分を見つけたので、お気に入りのチェックのブランケットを広げて太陽の下で本を広げました。

おりしも近くの散歩道でサックスの演奏を始めてくれたので思いついてiPod nanoでビデオをとってみたら意外に素敵にできたので(撮影の腕はダメダメですが、ライブ音楽と落ち葉の音がなんだかいいかなと思って)嬉しがりでこうして載せているところです。こうして落ち葉を見ながらいい音楽につつまれて、ギャレリアボルゲーゼのバールで買ってきた温かいコーヒーを飲みながらの読書は本当に幸せな気分。落ち葉をしっかり見るにはフルスクリーンにして(右下のアイコン)見てみてくださいね。

日曜日の明日は雨が降るとの予報が出ているので家でのんびり本の続きを読もうかな。読んでいるのはJonathan Safran FoerのExtremely Loud and Incredibly Closeというわりと斬新なペーパーバックです。