健康と大豆

昨日のSeattle Timesに載っていた記事ですが、大豆は栄養学の世界では、周期的に「いいかも!」とあがってきますよね。コレステロールだけに限らず、女性ホルモンのからむ病気とかいろいろ。コンスタントに研究もやっているようですしね。
れにしてもいつも思うんですがカナダのこういう、なんていうかトラディショナルな形のアプローチって多いです。でもこうしてつみかさねていくのが結局大事なんでしょうか。もうすこしいくつか同じ結果が出ればいいですねぇ。でもいまや、大豆製品はヘルスクレームつけていいらしいです。日本人がヘルスクレームつけたいところですよね。人種として。大豆製品食べない日はあるのか?っていうね。しょうゆがあるかぎりありませんね。しょうゆじゃ大豆の健康保持の恩恵にはあずかれませんけど。

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FBI

FBIといってもG-Menのことじゃありません。Foodborne Illness、つまり食中毒のことです。
NY Timesのニュースで、下に引用しておきますが、私の見解としては、ここに挙げられた微生物だけにかぎらず、なにかにアタったな、と思ったときは、日本は立派な健康保険もあることだし、念のために病院に行くことをおすすめします。でもただただ病院にいってもお医者さまも忙しいので、ちゃんと宿題をしていくことが必要です。つまり、ここ少なくとも3日くらいのあいだに食べた食べ物などをメモしていく、いつくらいから調子がわるいか、特に、これは簡単なことですが、「上」か「下」かを報告するのは大事なことです。つまり、吐き気を覚えたり、実際に嘔吐してしまった場合は「上」ですね、で、お腹が痛かったり、くだしてしまったりした場合は「下」ということになります。単純なことですが、お医者さまにとっては何がアタったかを考えたり、その後の対応などにとても有用ですのでこれを忘れずに報告すること覚えておくと便利かもしれません。
また、特に私が力をこめて言いたいのは、生ガキなどにアタる場合です。これはかなり肝臓を痛めるし、それだけでなく、そのあとの合併症を生みます。カキがどうしても好きでやめられない人はリスクを承知で食べてもいいのかもしれませんが、一度アタったことがある人は、カキは避けておいたほうがいいかもしれませんね。
また、カキフライも生とあまり変わりません。というのも、カキフライのおいしさってあの食感にあるからです。ほぼ生で食べている状態と同じです。内臓にたくさんのウィルスや菌を入れている、と思ってほぼ間違いないと思います。平気な人は一生平気だったりするので、そこまで神経質になることもないのかもしれませんが、一度アタったことがある人で、別にそんなにカキが大好きというわけでもない、というような人はなるべく避けるのがいいかと思います。
それにしても、こういったコホートスタディのようなものがあると、じっくりと考える気持ちになりますね。食の安全性について考えるとき、一番思うのが、消費者は思った以上に何も知らない、知ろうとしても、その情報に容易に出会えない、ちゃんと分かりやすく説明する立場の人、状況が少ない、などです。アンケートなどをみると、特に日本人の消費者は「知りたい!」という気持ちが強いにもかかわらず、こういう結果というのはちょっと食のエクスパートととして、情報提供側に問題があるなぁと反省することしきりです。

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管理栄養士国家試験模範問題

今日はちょっと管理栄養士の国家試験を少し解いてみます。
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A: 筋収縮に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 筋収縮のエネルギー供給には、クレアチンリン酸は関与しない。
(2) 筋収縮に関与するのは、太いクチンと細いミオシンの筋原線維である。
(3) 筋収縮はアクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑り込むことによって起こる。
(4) 筋収縮で生じた乳酸は、肝臓でトリグリセリドに再合成される。
(5) 筋収縮に際して筋小胞体内へのカルシウムの取り込みが起こる。

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麦芽ホップがO157を中和

朝日新聞からの記事なのですが、麦芽ホップがO157の毒素を中和するらしいというニュースです。O157はアメリカでは通俗的にE. coli(イー・コライ)と呼ばれますがそれはエスチェリチア・コライ(Escherichia coli)の訳であって、その種の中にもさらにいろいろな種類があり、腸管出血性であるこのO157というストレインは総称はE. coli O157:H7です。このストレインは増殖後にVerotoxinという毒素を出すことで有名ですが、ここで重要なのはこの野田先生の発見は、この「毒素」を中和するということ。タイトルにもあるようにビールをのんでも無駄ということですが、まぁこれはその特殊なポリフェノールがない、という意味でもあるでしょうけれど、毒素が出てからの中和、という意味ですので、O157を殺すかどうかとなるとそうではないのです。O157が腸管にて出すベロ毒素を中和するのです。

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喫煙とビタミンC

私はわりと物事に柔軟に生きようと努力するあまりにカチコチになってしまって応用が利かない性格をしています。それって反省すべきことなんですけど、どうやったら治るのか分からない、言ったら不治の病みたいなものかもしれないなーと最近思います。
で、何の話か、というと、タバコの話だったりします。私は喫煙者に対して理解しようとして頑張るんですけど、やっぱり頭のどこかでかなり激しく反対してるんだなと思いますね。こう、自分の意見をステイトメントとして述べるのって結構努力がいるし、喫煙者を敵に回すのであんまりやりたくないですけど。
今ビタミンの勉強を独自にしていて、というのも、今アメリカには、RDAといって、Recommended Dietary Allowancesという栄養素摂取の基準があるのですが、これが栄養素によってまちまちだったり年齢によってまちまちだったりするので、ここは何十年もかけて、DRI (Dietary Reference Intakes)というスタンダードを確立することで、栄養素の必要量をなんとか数字にしてしまおうという苦しくも合理的な努力をしてるんですけど、その研究をみていて、発見した数字:

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