お団子の写真で考えた

まだまだウェブをアップデート中です。一部の方にはご不便おかけします。が、単なる個人サイトなのでご勘弁くださいね。
さて写真は夏に日本に帰ったときに、日光の竜頭の滝というところに行ったんですが、思いっきり観光地の観光地にしかないようなお土産屋さんの、かなりさびれている割には売れまくっているお茶屋さんで買ったお団子とお茶のセット。ぜんぜんこだわってない風のみたらしソースと、かなり適当な量のあずきですが、目の前に広がる穏やかな滝(っていうのがあるんですよ)を見ながらのお茶の時間にAさんとふたりしてすっごく癒されました。まさに癒しとはこのことだねぇとふたりで言い合いました。
昨日、元同僚で今は日本の某省にお勤めのEさんから電話いただいたんですが、「ローマの生活は毎日が旅のようで素敵だったけど、日本の生活は実は天国だよ」と言ってらっしゃいました。「質の高い暮らし」とはこのことだと、毎日実感するそうです。そうですよね。完璧な社会なんて世界のどこにも存在しないけれど、日本の社会はそれに実はかなり近い国のひとつかもしれません。一般的に人が良識を持って行動し、何かダメなことがあると問題意識を持って解決しようとし、資本主義とはいえ、そのおかげで便利なものや素敵なものは普及するシステムになっていて、そしてなにより、ちゃんと警察が力を持っている、という日本の社会は本当にいいなと思います。
イタリアはファシズムの暗い過去のせいで警察や権力などがへっぴり腰なのです。ひったくりにあったおばあちゃんがひったくって逃げていく人を指差して、警察官に「助けて」といっても「被害届けをもらってからでないと動けません」と申し訳なさそうに言うイタリア人警官。こんなのはマシなくらいで、肩をすくめて「僕に何ができるの?」という人すらいいます。あきらめるしかないこの社会。
なんてお団子の写真ひとつでいろいろと考えてしまいました。でもね、なんだかんだいってもローマはローマ。明るいイタリア人もいっぱいで楽しいことも素敵なものもいっぱいあるのです。

おいしい駅弁

ご無沙汰してます。日本に帰ってました。そしてもうすでにローマに帰ってきています。8月15日にローマを発ち、まずは東京の姉の家で姪っ子のMちゃんに思い切り癒され、翌日友達のHとYさんと、主人のAさんと4人で焼き肉を食べに行き、その後つくばへ帰ってから日光へ遊びに行ったり、義母の出場したおかあさんコーラスの全国大会を観に郡山まで行ったり、つくばエクスプレス沿線の流山おおたかの森のモールにショッピングに行ったり、などなど日常生活の延長+夏休みという雰囲気のとても充実な日々を過ごしました。そしてこれは後日ゆっくり書こうと思っているんですが、この機会に自分の仕事の分野に関係する日本の立派な研究所をいくつか訪問させていただく機会に恵まれました。もしかしてここを見てくださっているかもしれない関係者の皆様、本当にありがとうございました。非常に勉強になりましたしこれからの仕事でも是非いろいろと関わっていくことができればと心の底から思います。
ところで写真は郡山に行ったときに乗った超マイナーな東北新幹線、「なすの」号で食べた駅弁。駅弁なんて食べたのがものすごく久しぶりで、午前9時前後という非常に「朝」な時間なのにしっかりこんなお弁当を買ってしまい、結局半分はAさんに食べてもらうことになってしまったんですけど、私ってこういうふうに日本に帰ると日本っぽいものに興奮するきらいがあります。そういえば上記の研究所でお弁当をおごちそうになったときも、非常に感激しました。日本のお弁当ってなんでこんなに美味しいんでしょう。郡山でも福島のお弁当をたくさん買って、帰りに姉のところに寄ってみんなで食べたくらいです。ローマに帰ってきてからもう数日たちますが、すでに日本のお弁当が恋しいです。

Takeawayの贅沢: Ottolenghi

ローマに住んでいると、レストランに入るには一人じゃちょっと、という気分になるし、お持ち帰りのできるデリなんてかなり限られているし、お料理や食材が豊かだと、そういった意味での便利さは発達しなかったんだなと思えるのですが、お食事には評判があまり良くないロンドンには無限の数のデリがあってお持ち帰りの品々に長時間迷ってしまうほどです。

Notting HillのLedbury RdのAnya Hindmarchに行ってバッグを購入したのは昨日書きましたが、そのすぐ右隣にあるOttolenghiというカフェ・デリは最高でした。写真がお持ち帰りしたサラダ&フォッカッチャです。食べながら読んで後で知ったのですが、私の愛するAngelika Taschenの”London: Hotels & More”(写真左上の大きな本)によると、”Is it a cafe or a deli? Who cares as long as it’s this yummy. Ottolenghi is like a boudoir of delicious, hand-crafted food. From pastries displayed like jewels to the delicious, fresh salads overflowing in huge white bowls, it’s difficult to know where to start. Or finish. Get a selection of salads and quiche as a takeaway or jostle with the Notting Hill yummy mummies for a seat in the cafe section.”ということです。

しかも先日買ったばかりのLUXE city guidesのLondon版(写真上部中央の黒い表紙のジャバラになった小さなガイド)にもちゃんと一行載っていて”Ottolenghi: Swish delis where the salads and cakes are art.”ということでした。いいなと思うお店や場所はいつも必ずガイドブックに載っているのでこういうのを編集する人たちはやっぱりエラいなぁと思いますね。

帰ってきてホテルの人も快く食器&カトラリーを持ってきてくれたのでこうして部屋の窓際で自己満足気味に美味しくいただきました。サラダにイチジクが入っているのが本当に嬉しい驚きで美味しかった。クスクスもあったし、フェタなども入っているので多分全体的にレバノン風です。イギリスは移民文化でこういう楽しみがあっていいですね。

プライベートガーデンのあるホテル

お天気の話は御法度だというロンドンで連日好天に恵まれていてとても嬉しい週末ですが、今朝は待ちきれなくて6時に目が覚めてしまい(ローマでは7時だからか)、乗り継ぎだったフランクフルト空港で買った本(”The Witch of Portobello”というブラジル人作家の本)を持ってホテル目の前のプライベートガーデンまで出て行きました。するとすぐに「何か飲み物は?」と聞きにきてくれる気が利きすぎているホテルスタッフ。それで「ホワイトコーヒー(ミルク入りという意味)を」と頼むとこうしてきちんとガーデンまで持ってきてくれました。そして8時過ぎまでのんびり読書。全く誰も来ないし、「サウンドオブサイレンス」とはこのことかと納得するような木の葉の音なんかが聞こえたりして最高の朝でした。ホテルはパディントン駅とノッティングヒルの間にあるHempelというホテルで、こちらの写真のガーデンの向こう側の白い建物です。写真のちょうど中央あたりがホテルの入り口。お部屋はちょっとコンテンポラリーすぎてバスルームのドアが10分ほどどこにあるのか分からなかったというハプニングもありましたが白と茶色のミニマリズムなお部屋で素敵です。このあたりでのんびりする滞在には最適ですが、駅まで10分ほど歩くのでショッピングを中心にしたい場合は別のホテルが良いかもしれませんね。でもこうして朝の時間をのんびりすごすには最高でした。そしてコーヒーも美味しかったしね。なぜイングリッシュブレックファーストの紅茶にしなかったかというのには訳があるのです(のちにつづく)。

Continue reading “プライベートガーデンのあるホテル”

ロンドンの休日:The chicest fish & chips ever.

突然思い立ってロンドンに遊びにきちゃいました。完全なる一人旅。ロンドンに行きたい!という気持ちが数週間前から高まり、今や全然使っていないAir Canada(アメリカに住んでいた時に良く利用していた)のマイレージが結構たまっていたので、思い立ったが吉日と、電話してみたらルフトハンザのフランクフルト経由の便がとれたのでそれにて。今日到着したばかりなのに一人でかなりの充実の半日をすごしたのでこれからエントリーを分けてかきますが、まずはこの写真、つまりいわゆるフィッシュ&チップスなわけですが、でも本場のロンドンのフィッシュ&チップスはこんなにコジャレていません。新聞紙に包まれていて油にまみれたものが本物。でも今回は、本物じゃなくても、それでもなんとなくこういう感じのフィッシュ&チップスを食べたかったのです。

しかも場所も場所で、Notting Hillです。地下鉄のNotting Hill Gate駅から徒歩すぐで、Gealesというお店。こちらをクリックするとお店の雰囲気が分かると思いますが、とても素敵な小さなお店。「フィッシュ&チップスごときにこんなに出せないよ!」と思う人も多いだろうなと思える価格設定ですが、それでも私はこの一人でNotting Hillでおハイソなマダム達に混ざって、しかもイギリスのフィッシュ&チップスを食べている!というくだらない満足感で、非常に嬉しかったのです。そしてなにより、実際にこのフィッシュ&チップス、一般のものよりあっさりした食感でディルがたくさん入ったタルタルソースも絶品だし、人生の中で食べたフィッシュ&チップスの中で一番美味しかった、と断言できる味でした。