週末がくるたびについついテクテク歩いて行ってしまうイータリーですが、明日の日曜日も、朝からルクセンブルク人の友達のCと10時にね、と約束してます。どこで会うかというとこの「カッフェヴェルニャーノディチオットオッタンタドゥエ」という長い名前のバールです。書いてみると創業年を表している数字なので短いんですけどね。
Continue reading “Caffè Vergnano 1882”賢者たちのガレット
遅くなりましたがみなさま明けましておめでとうございます。今年も細々とブログ続けていけたらいいなと思います。写真は今年のガレット・デ・ロワです。本来はアーモンドペーストクリームたっぷりのガレットなのですが、私は今日本にいるのでマッチャ・アズキのガレット・デ・ロワを選んでみました。でも味としてはアーモンドやアマレット(アーモンドのお酒)の味や香りもしてバターたっぷりで、日仏の融合といった感じでした。いわゆるアンコ系ではない味です。
私はたまたま最近フランス文化圏の友達と仲良くしているせいか、新年にガレットデロワをいただく機会がちょこちょこあるんですが、イタリアではガレットではなくトッローネというお菓子(粒アーモンドが大量に入っていて、非常に粘度の高い真っ白なヌガーという非常に食べづらいお菓子)が「新年のお菓子」的な立場にあるかなと思います。トッローネにはピスタチオバージョンや、チョコレートコーティングバージョンなどいろいろなバージョンがあって、年末にパネットーネやパンドーロなどと一緒に大量に贈り合うのでイタリア中トッローネだらけになります。「新年のお菓子」と書きましたが正確にはクリスマスから新年にかけて、といったところでしょうか。フランスのガレットデロワはだいたい新年明けてから売り出されることが多いと思います。家で作る人も多いし、ガレットデロワを新年に食べないフランス文化圏の人は結構少ないんじゃないかな。イタリアのパスティッチェリア(パティスリー)でも、普段マカロンなんかを売るお店ではガレットが新年売られます。でも売ってある期間がすごく短いので、うっかり逃さないように新年のパスティッチェリア巡りは頻繁にすべきです。2月のカルネヴァーレのお菓子もしかり。
ガレットデロワはエピファニー(英、仏読み)という、日本語だと公現祭、イタリア語だとエピファニアと呼ばれる祭日(イタリアでは休日ではありません)の1月6日に食べるのが伝統です。エピファニーは、私の幼稚園(カソリック系)のころの記憶によると、「おさなごジェズさまは、うまれてからむいかめに、ながれぼしをみてひがしからはるばるやってきた、さんにんのけんじゃからおくりものをいただいたのでした」とお遊戯会でナレーションをしたイベントだと思われます。私の幼稚園(聖母愛児幼稚園というところでした)では「イエスさま」は「イェスさま」と急いで言う感じか、「ジェズさま」と言っていて、基本的にお祈りはマリアさまに対して行っていました。なにせ「聖母」愛児幼稚園なので。幼稚園で園長先生(女性)が飼っていた九官鳥も毎日「マリアさま」と園長先生そっくりの声でお祈りしてました。こんなこと本当にどうでもいいことですが、今記憶がよみがえって来たので書き留めておきたくなっちゃいました。すみません。
なぜ幼い頃の記憶がほとんどない私がこんなことを鮮明におぼえているかというと、とても単純な理由ですが、私1月6日が誕生日だからなんです。それまでお遊戯会でマリアさま役になれずにべそをかいていたわたし(じゃんけんで長い髪がきれいで美人なあゆみちゃんに負けた)は、「ナレーションというとくべつな役(幼稚園の先生の涙の説得)」をいただいてさらに「1月6日はとくべつな日(さらに涙の説得)」と説明してもらってケロっと機嫌をなおしてナレーターとして文章の暗記にはげんだのでした。
ガレットデロワの話に戻りますが、Wikipediaによると「フランスの地方ごとに少しずつ異なるが、最も一般的なものは紙の王冠がのった折りパイにフランジパーヌ(アーモンドクリーム)が入ったパイ菓子で、中にフェーヴ(fève、ソラマメの意)と呼ばれる陶製の小さな人形が一つ入っている。公現節(1月6日)に家族で切り分けて食べ、フェーヴが当たった人は王冠を被り、祝福を受け、幸運が1年間継続するといわれる。名称の「ロワ」(王たち)とはフランス語で「ロワ・マージュ」(rois mages)と呼ばれる東方の三博士のことである。」だそうです。今年私たちがガレットデロワを購入したサダハル・アオキさんではさすがにフェーヴを焼き込むことはしておらず別添えになっていて(知らない人が食べたら大変ですものね)、それは何とも嬉しい黒のミニカーのフェーヴ(写真)でした。
そしてガレットにはフェーヴの代わりに大きなアーモンドがひとつぶ。私たちは8つに切り分けて数日に分けていただいたのですが、なんと最後のひとつに入っていました。いくつ食べても出てこないので「サダハルさん入れるの忘れたんじゃない?」なんていって食べていたんですが(そんなわけないし、サダハルさんがつくっているわけではない)、最後のサプライズはAさんが探し当て、そして彼の中での葛藤のあと、やっぱり誕生日の私がフェーヴを手に入れるべきだという結論に達したらしく、私のおさらにアーモンドをちょこんと載せてくれました。ミニカーはよーく見るとチンクエチェント(イタリア車)でとってもかわいらしいです。サダハル・アオキさんは銀色の紙の王冠もつけてくれたし、ガレットデロワの説明もつけてくれたし、至れり尽くせりでした。日本でもフランス系のパティスリーやブーランジェリーではだいたいガレットデロワ売ってると思うんですが(バターで有名なエシレにもありました)すごく美味しかったので来年もサダハル・アオキさんにしようかな。
ローマの初冬とプンタレッレ
早いもので、ローマに帰ってきてからもう1週間がたちました。自分のオフィスでの仕事はテレワークのもどかしさはないものの、毎日かかってくる電話、分刻みの会議、インターンとコンサルタントの管理、書類整理、などなど本来の仕事から少し離れた雑務に追われて、そういえばそうだったっけ、と今更ながらびっくりです。テレワークというのは実は本来の技術的な仕事をするにはものすごく生産的なシステムかもしれません。日本だと本部との時差があるので、スカイプで会議をするにしても日本が夕方の5時から7時くらいの2時間に限られるし、限られると思うとその会議の時間を大切にしてなるべく多くのことを簡潔に議論しようと双方が考えるのでさらに生産的です。
さて先週末ローマに到着してフィウミチーノ空港を出てタクシーに乗った時には「ローマあったかい!」と感激したのですが、昨日あたりから寒風が激しくなってきました。日曜日の今日は出かける用事があるので先ほどガレージから車を出しておいたんですが(日曜日はうちのガレージは朝の10時で閉まって、再開が夕方の6時なのです)外は東京くらい寒く感じました。今更、初冬というわけでもないんでしょうが、やっと本格的に寒くなってきたというところでしょうか。
そして紹介が遅れましたが、上の写真は世界でもローマにしかないという(イタリアの他の地域にもめったにありません)プンタレッレという野菜のサラダ。ランチにいただきました。自分でみようみまねでつくったんですがアンチョビのソースとガーリックをきかせたのでわりとスパイシーな感じにできあがりました。このサラダとタラのフライが出てくると、私の中で「ローマの冬」という気持ちが高まるのでプンタレッレ好きです。となりはカプレーゼ。我が家の目の前のイータリーでフレッシュモツァレラ(もちろん水牛の)を買ってきてその日のうちにつくったので本当に新鮮でした。トマトは相変わらず美味しいし、イタリアは本当に食事にハズレがなくて良いです。
もう数週間ローマでの暮らしと仕事を楽しんでいこうと思います。
日本の冬の美味しいもの三昧
11月になってから主人のAさんがものすごく頻繁にお鍋を作ってくれていたんですが(私はちょこっとテーブルを整えるお手伝い程度)、鶏の水炊き、みそ味、キムチ鍋、豚肉と湯豆腐鍋、などいろいろと出て来た中で、一番リピート率が高かったのがこの豆乳鍋でした。優しいマイルドな味なんですが、取り皿に、ゆずポンを少し入れたりするとまた違った美味しさです。
私は豆乳と豆腐を心からこよなく愛しているんですが、このお鍋にすると、具がなくなったあともずっとだし汁を飲んでしまいます。味も薄味なのでいい感じです。これにさらに豆腐をたっぷり入れて、大好きなねぎもたっぷり入っていて、全体的に好物が好物にまみれている感じが、激しく私の好みです。この冬もっともっとこんなお鍋食べたい。
先日ちょっとした用事で静岡の焼津にいくことがあったんですが、焼津漁港のすぐそばのさかなセンターで新鮮な特上まぐろ丼をたべたり、この時期だけ解禁している生の桜えびをつまみぐいしたり、釜揚げのしらすがプリプリしているのをいただいたりと、本当に贅沢な思いをしました。桜えびを生でいただいた事がなかったので非常に感激しました。甘くて柔らかくて、干してあるイメージよりずっとずっと身が大きくて(しらすもそうでした)、ウマウマでした。
あまりに感激したので、そのままの勢いで熊本と大阪の両親にその生の桜えびと釜揚げのしらすを贈ったんですが、両家とも桜えびはそのまま生で食べたりかきあげにしてくれたり、しらすは大根おろしとポン酢で、などなど楽しんでくれたようでそれも嬉しかったです。季節限定の桜えびのかき揚げ最高ですよね。私とAさんも春の解禁のときに桜えびのかき揚げをいただいて大感動したことがあります。
日本の冬は寒さが厳しくて(今年は特に)ちょっと構えてしまいますが、こうして美味しい物がたくさんあるのも確か。ちょっと3週間ほどローマに戻りますがまた帰ってくるのでそれからまた日本の冬を楽しもうと思います。
とんき(駒込)
週末に私の姉夫婦が勤めるK病院のある町、駒込まで行ってきたんですが(K病院がバレバレ)、先日放送されたアド街ック天国(駒込編)で紹介されていた目黒のお店ののれん分けというとんかつ屋さん「とんき」に行ってきました。11時45分にオープンのランチ時間、私たちは気合いを入れて行ったので4番目でしたがカウンターの18席しかないため、1巡目には座れないお客さんも多くちょっと驚きました。店の中にある長椅子で待つ10人程度に加えて外にもちゃんと行列はできているので大人気なんですね。写真はすべてAさんの撮影で、横の写真はヒレかつ定食です。彼が「写真大丈夫ですか」といったらとっても優しい笑顔で「いいですよ」と快諾してくださってなんだかふたりで感激してしまいました。
お味はとんかつという食べ物の定義を変えてくれたなーと思える味です。厚めのお肉に、粉、たまご、粉、たまご、粉、たまご、パン粉という順番で衣をつけるため、肉汁が逃げない仕組みになっているらしいです。それなのに薄衣。かなり美味しかったです。とんかつはAさんの大好物で、私があまり油物を食べないせいでいつも1.5人分食べてくれます。私はヒレでAさんはロースでしたが、油分のバランスがいいためか、ロースのほうがジューシーに感じました。お持ち帰りも作ってくださったので、姉家族にしっかり買って帰ったのでした。キレイなカウンターで清潔なお店だったし、サービスもタイミングもなにもかもすごく良くて気分よくランチできました。ああ美味しかった。