先日、私の実家の母におねだりをして日本の食材をたんまりと送ってもらい、幸せいっぱい日本食な日々をすごしていた私ですが、3食3日も日本食三昧して自分をひたすら甘やかした結果、いや、たまには「イタリアならでは」の食事をしなければ、というような変な強迫観念に襲われ、とりあえず購入してきたシチリア産のチェリートマトで料理しました。といっても20分でできあがってしまいましたが。
大きなステンレスポットをアツアツに熱して、トスカーナのオリーブオイルをぱーっと入れ、スライスしたガーリックをシャーッと炒めて、ちょっと色づいていい香りが漂った瞬間にトマトを投入。緑色のはバジリコの千切り。写真ではいまいち伝えきれてませんが、エクストラバージンのオリーブオイルのさわやかな黄緑色と、真っ赤に熟したトマトと、バジリコとガーリックの香りとなにもかもがまさに「イタリア!」という感じになったので慌てて写真を撮ったものです。つくったのはチャバッタというイタリアのパンを使って煮込む、パッパアルポモドーロというトスカーナ地方の農村の家庭料理。イタリアのパンはすぐ固くなるので、こうした2次利用的な美味しい料理があるのもイタリアならではなんです。固くなったパンをチーズのように削って作る料理もあるくらい。
それにしてもこのトマトの量を見てお分かりと思いますが、一人暮らしのお料理って一人分をつくるのは非常に難しいんですよね。だからついいつも多めに作ってしまいます。そのおかげで私の冷凍庫には数々のおかずのジップロック詰めがどんどんたまっています。というのも、昨日作ったものを今日また食べたい、と思わないため、お弁当にでも入れないかぎり、つい3日ほど忘れてしまうのです。3日で思い出せばいいですけど、1週間ほどたつと、冷凍されているので完全に安全とはいえ、気分的に「古い」気がしてしまってなんとなーくイヤイヤ食べたりしてしまってもったいない。プラス、そのころには「xxを作りたいな」という新しい興味があったりしてさらに冷凍おかずを解凍する気にならなかったり。
ひとりで暮らしてる他のたくさんの方々はこういう悪循環をどうしてるんでしょうか。私もそれなりに一人暮らしをした年月は過去にもあったんですが、今ほど料理をしなかったのも確かなので、自分がこんな悩みを持っていたことはなかったような気がします。毎日ふつうに当たり前のように料理を始めたのはAさんと暮らすようになってからだし。
今日も夕食が終わってから、「ああ久しぶりにワールドフェイマスなポテトサラダ(自称)を作り置きしたい!」という衝動にかられ、3日分ほど大量に作ってしまいました。まあポテトサラダはお弁当に持って行けるし冷凍できないので、多分すぐになくなるとは思いますが。一人暮らしのみなさんは「ひとりぶん」のお料理、どうしてますか?
馬タン
1月4日の仕事始めにはローマに戻ってきている私ですが、多少の時差ボケは感じつつも仕事に復帰しています。ローマは東京よりつくばより熊本より暖かくて快適です。でも雨が降ってますけど。
クリスマス以降は夫のAさんと熊本に行ってきました。義理の両親も大阪から熊本に遊びにきてくれて(なんと車で!)、楽しい黒川温泉での年末となりました。宿は私たちお気に入りの山みず木(2008年3月と2002年12月のエントリー参照)。本当に「いたれりつくせり」とはこのことだなぁと思える、隅々まで行き渡ったサービスとおいしいお料理(真横で作ってくれるのでできたてのおいしいお料理です)にまた再感激しました。お部屋のテラス側にはお年寄りに気を使ってか、低いテーブル+椅子タイプのくつろぎスペースがあって、膝を痛めて以来、正座のできない母は大感激していました。各部屋にあるイタリアンブランドのSaecoのエスプレッソマシンも、冷蔵庫にすでに冷えているおいしい阿蘇のわき水もなにもかもよかった。ちょっとお部屋を出ている間にささっとコーヒーカップやお湯のみが洗ってあったり、浴衣の上に羽織るブランケットがお部屋にもお食事のところにも用意されていたり、本当に細かい部分が嬉しいですね。
写真は夕食の最初に出て来た馬のタン刺。他にも熊本の絶品名産、辛しレンコンなどものってます。ここに乗ってるものすべてが強烈に美味しかったです。四角い器に入っていたのは白子の葛寄せ。デリケートでほんのり甘くて美味しかったです。
黒川にある旅館の予約は、6ヶ月前にならないととれないのですが(今回はAさんが真夏の7月中にとってくれていた)最後にお会計のところで別のお客さんが「どうしても来年の年末も泊まりたいけれど今予約はできないのですか?」と聞いたりしていて、気持ち分かるわー!と思いました。温泉も内湯も露天風呂もすごく素敵なところです。雪の露天風呂もかなり風流です。九州で雪?と思われるかもしれませんが、実は熊本県はかなり寒くて阿蘇周辺は冬はかなり雪がふりますよ。また素敵な年末を過ごせて本当に良かった。
申し遅れましたが、皆様あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくおねがい申し上げます。
クリスマス鮨
18日に専門家会議を終了させてから空港へダッシュし、日本にひとっとびして帰って参りました。東京で姪を必要以上に甘やかしたり、ちょうど東京に来ていた母と会ったり、姉と買い物にいそしんだり、アメリカ留学時代の友人5人で名古屋一泊旅行をしたり、とばたばたとしたあと、今はつくばで主人のAさんとのんびりしたクリスマスをすごしています。
クリスマス当日の今日は午後から用事があったのでつくばセンターへ行き、そのあとふと思いついて、バングラデッシュ人でつくばの某研究機関でお仕事をされているBさんに連絡をしてコーヒーでも一緒に、ということになりました。彼は今年の秋に1ヶ月ほどローマで私の同僚と仕事をしていたのでローマで知り合ったのですが、とにかく日本語がペラペラで感動的です。ただやっぱり英語のほうが快適らしく、私との会話は英語でした。私も食品安全に関しては英語で学んだので専門用語などを日本語で知らないことが多いため、英語のほうが楽。逆に栄養学は日本語で学んだので英語で固有名詞のあるビタミンの名前などがふと出て来なかったりします。
Bさんとかなり長時間話し込んだあと、ふと時計をみたらもうAさんとの待ち合わせの時間でした。今日はAさんが予約してくれた写真の2階のお寿司屋さん、福鮨でディナーということになっていたのでした。ここはAさん宅の最寄り駅、研究学園駅の目の前にあるホテル、ホテルベストランドの中のお寿司屋さんで、美しいカウンター席の中でどんどんおいしいお寿司を握ってくれるとても素敵なところ。ここができてから駅前を通る度に、ずっと行きたいと思っていたので今回こうして行けてすごく嬉しかった。
熱燗、真鯛のかぶら蒸しのお通し、おすすめ12貫のお寿司、かきたまのお椀、と続いたあと、最後にさっぱりした和プリンまで出てすべてが本当に美味しくて感激しました。たっぷりいただくお寿司屋さんのお番茶もなぜかすごく美味しいですよね。こんなに家から近いところにこんなに美味しくて雰囲気も素敵なところがあったなんて。一番の感動のネタは意外にもカニでした。贅沢で新鮮なかに肉がたっぷりのお寿司。そして私はもともとうにの香りが苦手なのですが、見た目があまりに美しいのでつい手に取ってみたところ何の臭みもない美しいうにで、口のなかでとろけて「ほっぺたがおちる」って何て的を射た表現なんだろうと思いました。カウンター席でいただくと、お寿司にお醤油をハケでのせてくれるので、あとは手に取って口に放り込むだけといういたれりつくせりな感じがすごくいいですね。最後に出たあぶりものもすごく美味しかった。幸せなクリスマスになりました。Aさん予約してくれてありがとう(予約必須です、たくさんのお客さんがあきらめて帰って行きました)。そしておごちそうさまでした!
巻き寿司三昧
先日書いたホームパーティのときの写真です。ずっと写真を撮りたいなと思っていたのにいつも巻いた直後にゲストが来たりして忘れていたので、ようやく写真が撮れて嬉しいです。巻き寿司、といっても実は寿司飯にしていないので(合わせ酢を使っていない)ので、おにぎりのようなものなんですけどね。外国の方の中にはときどき寿司飯の香りに拒否反応を示す方がいるので、一応の心遣いのつもりです。ちょっとつやがなくなりますが、良いのです。
中身はきゅうりと卵焼きとツナです。一応おしょうゆも出しますが、ツナに結構強く味をつけておくのでそのままでも意外に大丈夫です。
ところで昨日、土曜日に友達のNとFとCが夕食に遊びに来てくれました。NとFはイタリア人カップルで、9月に日本に16日間旅行に行ってきたのでその話でかなり盛り上がりました。日本人の見知らぬ人に「何人?」と聞かれて「イタリアン」と答える度に、日本人が、「オー!イタリアン!ナイス!」とイタリアをべた褒めしてくれるのが嬉しかったそうです。日本でのイタリアのイメージってすごく良いですよね、そういえば。実際ローマに住んでみるといいことばっかりじゃないのは、まあどこに住んでも同じことでしょうけれど。
でも私はイタリアに来るまではイタリアやローマ市に対して「洗練されたデザイン」「カフェ文化」「素晴らしい建築技術」などなどの、間違った印象を持っていたのでいざ住んでみるとギャップが逆におもしろいです。ここに一生住もうと思えるのはよっぽど楽天的な性格の人か、普通にローマに生まれたイタリア人だけでしょう。あ、でもかなりの数の移民がいるのでやっぱりなんだかんだいっても魅力的な国なんでしょうか?
巻き寿司のことを書きたかったのにまたイタリア考察になってしまいました。巻き寿司、巻いてる時が一番楽しいですよね。また友達を呼んで巻き寿司したいです。
丘の上のレストラン
なんだか、そのまんまなんですけど、母が「最近できたキレイで家庭的なレストランがあるからせっかくだし行こうよ」と言ってくれたので、その名も「丘の上のレストラン」というちょっぴり小恥ずかしい名前かもしれない(?)レストランに両親と出かけてきました。全面ガラス張りで、熊本市の夜景といっても全く大したことないんですが、それでもやっぱりキレイな夜景が見える小高い丘の上にちょこんとあるかわいらしい、本当にアットホームな雰囲気のレストランでした。素材にこだわって自然食を選んでいるとメニューに書いてありました。基本的にはコースメニューになっていて、前菜+メイン+デザートのコースか、前菜+魚料理+肉料理+デザートのいわゆるオーソドックスフレンチのコース、さらに厳選高級食材を使った、特別な日のためのコース、と3つあって4千円、6千円、1万円、という価格設定なのでフレンチレストランとしては安いなーというイメージでした。味もすごく美味しかった。私たちは2番目のコースにしたんですけれど、お魚料理が真鯛のポワレで、ムム、この味は何年も味わっていない鯛の味!と思って嬉しくなりました。景色もいいし、お客さんも少なめだし、美味しいし、気に入りましたよ。熊本の方は是非行ってみてはどうでしょうか。旅行に来てまで行くところという気配ではないですが、ローカルの人がちょっと何かの時に行くには良いなーと思いましたよ。
お食事しながら、今までのことやこれからのことなど家族3人で思う存分おしゃべりしました。今度また家族で集まって食事するのはいつかなぁ。