久しぶりのアメリカで国の成熟度について考える

アメリカはアトランタに来ています。アトランタにはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)があるので割と私の仕事との関連もあり、今回はそこの皆様と一緒に会議です。2月にデンマークの会議に行った時もそうですが、先進国で行われる会議でよく思うのが、国としての成熟度がロジスティックスに顕著に表れるということ。ロジっていうと日本語だと「物流」のような翻訳をされてしまうのでしょうか?ここでの意味は「設営」というような意味です。

うまく説明できるか分かりませんが、例えばここでの会議の開始時間は8:00で、皆さん7:30くらいには集まってワイワイしています。初日も会議開催者からのご挨拶的なものは極力最小限。今回だとたったの5分くらいでした。参加者もそれぞれの自己紹介はサックリ短く、フレンドリーに行います。大きなウォーターサーバーが会議室の入り口に置いてあって、グラスがざーっと重ねてあるので参加者は随時自分で水を入れて飲む仕組み。ミントキャンディがボウルに入っているのもウォーターサーバーの横に置いてあって、眠気のある方はどうぞ、といった感じ。コーヒーブレイクには大きなコーヒーサーバーが二つ、レギュラーとディキャフと置かれ、カップが並びます。何かつまみたい人のために、ザクザク切った野菜が並べられてディップのミニボウルが置いてあるのでそれをとって食べたい人は食べる。プリント類はほぼなく、Google DocやDropboxなどのシェアフォルダーのアドレスがメールで回ってくるだけ。いろいろとてもシンプルで、大人、というイメージです。

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オレゴン・コースト

Canon Beach先日アメリカに行ったことはもう書きましたが、Aさんと私にとってオレゴン州は住んでいたワシントン州と同じくらい思い入れの深い州で、実はものすごく近かったアイダホ州とはまた違った意味で思い出がたくさんあります。今、遠く離れたローマに住んでいて、アメリカを恋しく思う時に浮かぶ情景は、ワシントン州東部のただただ広がる麦畑やレンズ豆畑と、視界の90%を占める青い空であることが多いのは確かなのですが、ふとした瞬間にポートランドの街角や、細かい波しぶきに覆われたオレゴンの浜辺の町が浮かぶこともあるので不思議です。クレイター湖の信じられない程透き通った湖面や、映画「スタンド・バイ・ミー」の舞台になった小さな西部っぽい田舎町(ブラウンズビル)、そしてこの写真のキャノンビーチをはじめとした延々と続くオレゴンコースト。ワシントン州の太平洋側のビーチは個人所有が認められる部分ができてしまったということで勝手に入れないビーチがわりとたくさんあるらしいのですが、賢いオレゴン州はこのオレゴンコーストすべてを州の持ち物としたため、すべてが公共のものとなっています。この写真の景色を楽しめるEcola公園は州立公園となっていて、入場料を払って意外に深い森を抜けて、きちんと管理された駐車場に車をとめてからゆっくり散策できるようになっています。1998年くらいにAさんと一緒に来たときも全く同じ感じで、ちょっと展望台がキレイになっていたり、自然そのままだった場所(ちょっと危ない)が立ち入り禁止になっていたりしたくらいで、何も変わっておらず、そういうところが、何というか、アメリカの偉大さというと大袈裟ですけどそんなものを感じました。
Menzanitaキャノンビーチのダウンタウンもそれなりにリゾート地で楽しいのですが、今回は私たちは1998年にくらべるとずっと遥かに大人になってしまったこともあって、そこからちょっと南に下ったところにあるもっと小さなリゾートタウン、Manzanitaに泊まることにしました。今回のManzanitaでの目的はただひとつ。「できるだけ何もせずすごす」こと。
写真はManzanitaの中心から海に向かって歩くと必ずぶつかるオーシャンロード。町の中をどんなにがんばっていろいろと歩いても1時間もかからずにすべてを見てしまえるほど小さな町ですが、私たちは滞在の2泊3日中、自分たちでも呆れるほど全く飽きずに何度も何度もこのオーシャンロードまで歩いて、美しいオレゴンコーストを満喫しました。
Manzanita今回はManzanitaの静かな2階建ての小さなキャビンを借りて、近くのグロッサリーで食材を仕入れてのんびり、という2泊3日を想定していたのですが、写真が借りたキャビンです。この写真では全く伝わらないと思うんですが、このキャビン、とにかくなにもかもが至れり尽くせりで、興味がある方は写真をクリックしてFlickrの写真をちょっと見てみてください。まずチェックインでかわいらしい竹林の中をオフィスまで歩くとシャルドネでウェルカムしてくれて、テーブルにはフルーツ、チョコレート、そしてS’moreキット。なぜS’moreキットがあるかというと、キャビンのすぐ外にはプライベートのファイヤーピットがあるからなんですね。外にはプライベート空間に完全温度調節されたジャグジーもあっていろいろな色に光るそのジャグジーで星空を見ながらのんびりできました。ちょうど中秋の名月も拝めて本当にお天気もよくて最高でした。ベッドのかたさも丁度よくて羽布団も最高で、ジャグジーのあとにもぐりこんでふたりとも5秒くらいで眠りに落ちました。
Manzanitaキャビンの横にはアウトサイドベッドもあって、そこでもビーチでも使えるビーチタオル(レストレーションハードウェア)も完備されていて、部屋にあるコーヒーマシン(コーヒー豆も完備)でコーヒーを煎れて、こうして外にごろんと寝転んで読書したり、ハイスピードのワイヤレスでのインターネットでM伯父さんがプレゼントしてくれたNetflixの映画をストリーミングで楽しんだりできて、本当にパラダイスでした。部屋にはかわいらしいボーダーのビーチバッグまで下がっていて、使うことはなかったけれど傘もしっかりおいてあって、本当にここのオーナーさんは何から何までいろいろと考え抜いたんだな、ということが伝わってきて感激しました。ということで教えたいような教えたくないような、この素敵なキャビン、自分が忘れるのが一番嫌なので書いてしまいます。Coast Cabinsさんです。とにかく何もかもが完璧でした。次にオレゴンコーストに行くなら絶対にここにしたい、と思えるほど。
Manzanita朝食は近くのベーカリー(「パンと海」という名前のお店でした)まで行って、まぶしい朝の光の中、外のテーブルで懐かしいアメリカンシナモンロールです。その近くにはコーストでは有名らしい大きなピザ屋さんもあって、毎日大繁盛していました。私たちも最後の夜にはそのピザ屋さんでテイクアウトしてお部屋でピザをいただきましたが、今現在ピザの国に住む私としては大発見でした。つまり、アメリカのピザは、これは当たり前だけれど、イタリアのピザとは全く別の進化を遂げた後、それはそれで強烈に美味しい食べ物になった、ということです。ピザの生地の部分はなぜか甘いパンとなり、具のオリジナリティも感動的ですらあります。ランチには部屋でツナメルトサンドイッチにキャロットカップケーキを用意して、とにかく「アメリカらしさ」にひたりながら「ひたすら何もしない」に徹しました。なんという贅沢。
Menzanitaそして何度も何度も飽きることなく行ったビーチへの散歩(サンセットの時間も幻想的でした)。ウミネコたちと戯れたり、歩いている人たちとあいさつをかわしたり(今頃気づきましたが、アメリカ人ってヨーロッパの人にくらべて異常な程親しげに話しかけてきてくれて嬉しいですね)写真をとりあったりと、本当に素敵な2泊3日となりました。お天気も滞在中はずっとよくて(珍しいです)、暑くもなく寒くもなく、風も適度に吹いていて、これ以上は望めないと思いました。
Aさんと私は2002年に結婚してすぐの秋にオレゴン旅行に行って、その次の年にも記念旅行のような形でオレゴンに行って、こうして人生は思った以上に波乱に富んだ形で進みましたが、2013年にまたオレゴンに行けて、こうして変わらずに存在するオレゴンコーストのビーチを歩いてみて、いろいろな意味で私たちはさまざまな人々に助けられ、支えられて生きているなと実感できて良かったと思いました。本当なら私たちの年齢ではもう様々な人を助けたり支えたりして生きていかなければいけないような状態なので、実は情けないのですが。
一緒にPullmanに旅行したV&J夫妻からのメールの最後に「あなたたちと過ごした時間は充実していたのに夢のようでした。私たちも昨夜クープビルに到着しました。旅行鞄にはランドリーと、思い出をいっぱいつめて帰ってきましたよ。今日のお昼には、ランドリーはすっかり洗ってしまいましたが、思い出はずっとこのまま残るでしょう」と素敵なことが書いてありました。その瞬間感じた本当に純粋な感謝の気持ちを、忙しい日々や仕事のストレスにかき消されることなく持ち続けるにはどうしたらいいのでしょう。私に今できることはこうしてその気持ちをなんとか書き留めておくことだけなのです。

アメリカ旅行総括

もう夏って気分でも天候でもないんですが、最後の夏休みとして先週、アメリカに行ってきました。私の家族が知りたがるので、まずはItineraryをメモしておこうと思ってこれを書いています。そして後日、細かいところは写真付きで書けたらいいな。書くかな。
9月14日:
KLM/DELTAにてローマ、アムステルダム、シアトルへ。その頃主人のAさんはANAにて東京からシアトルへ。空港で合流してレンタカーでAさんのM伯母さまとM伯父さまの自宅へ。楽しい午後と夜を過ごしました。キレイなお家で伯母さまの美味しいご飯もごちそうになってすごく幸せ。
9月15日:
伯母の美味しい朝食のあとフェリーにのってWhidbey Islandへ。私の恩師のVとJ夫妻の家へ。何もかもが懐かしく、ひたすらおしゃべりしまくって、Vの美味しいポークチョップの晩ご飯に、アメリカンポークチョップ大好物のAさんも大喜びでした。
9月16日:
全員でギリシャ風の朝食(おいしいローカルの野菜にフェタチーズ、オリーブ、ギリシャヨーグルトなど)をしたあと2台に分かれてドライブ。フェリーにのったあとはまずはI-5で南に向かい、そのままI-90で東へ向かいます。途中Ellensburgでランチにしたあとコロンビア川を超えて26号線でPullmanへ。その日はPullmanのHoliday Inn Expressに宿泊しました。V&J夫妻も。午後はキャンパスをまわって、Bookieがないことに気づいて、そしてCUBにBookieが入っていることに気づいて、といろいろ変わっていて大変でしたが楽しく懐かしく過ごしました。夜はまたまたなつかしのエメラルド。相変わらず私はHunan ChickenでAさんはMongolian Beefでした。とあることがあって死ぬかと思うほど笑いました。
9月17日:
朝はV&J夫妻と朝食を一緒にいただいたあと、Vさんという、昔私が修士のときに私にスカラーシップをくださった方と初めてお会いすることができました。1960年代のフィリピンやギニアビソーのアメリカ大使をされていたとてもすばらしい女性です。しばらく興奮してお話したあと解散になったのでAさんと地味にランドリーへ。Snuggleの柔軟剤(紙のもの)を久しぶりに使って、わーアメリカの匂いがする!と感動しました。お昼はWSUの方ふたりにご招待いただいて、VとAさんとみんなでゴルフ場のクラブハウスにできた美しいBanyansというレストランで景色を楽しみながらのランチでした。3時からセミナーをさせていただいて(このことについては後日詳しく書きます)、4時からSchool of Food Scienceにてレセプション。パンチも用意していただいていて大学なのにファンシーでした。夜は上に書いたVさんからご招待いただいてFire Grillでディナーでした。V&J夫妻もAさんも来てくれて、みんなでわいわいお話してとても楽しかった。余韻もすごくてAさんもしばらく上気していました。
9月18日:
早朝にチェックアウトしてPullmanにさよなら。ColfaxでDaily Grindドライブスルーに寄って牛乳たっぷりのラテを買って、一路オレゴンへ。途中トライシティーズ(いまはそう言わないのかしら)を抜けてひたすら西へ。Portlandを抜けて海岸線へ出て、懐かしいCanon BeachでEcola State Parkに寄って写真をパチパチ。とてもいい天気で海も穏やかでまぶしくて最高でした。そのまま少し南下してManzanitaという小さなリゾートの街へ。キャビンを借りていたのですがウェルカムドリンクは白ワインのシャルドネをくれたし、キャビンは2階建ての素敵な建物だったし、外にキャンプファイヤーができるプライベートのFire Pitもあるし、星空の下で入れるジャグジー(104度に常に調節してあるキレイなもの)もあるし、最高でした。近くのビストロで美味しいディナーも。夜は中秋の名月がオレゴンコーストでもクッキリ見れましたよ。
9月19日:
朝からのんびり起きて、海の近くのベーカリーでシナモンロールとカプチーノの朝食をとったあと、ビーチを散歩。何もせず過ごしているのにあっというまに時間がたってしまいます。夜は街で有名ということになっているピザ屋さんでアメリカらしいピザをテイクアウトしてキャビンで映画を見ながら食べました。すごく美味しくてびっくり。映画は上に書いたM伯父さまのプレゼントのNetflixの映画です。夕方からまたビーチを散歩。夕焼けがすごく美しいのがオレゴンコーストの特徴です。夜はキャビンに帰ってからキャンプファイヤーをして、キャビンに用意されていたS’moreキットを使ってしっかりマシュマロを焼いてS’moreを作って夜食にしました。そして相変わらずジャグジーにも何度も入る私たち。
9月20日:
朝はゆっくり起きて朝食のあと、またまたビーチに散歩へ。この日は曇りで海がやや荒れていました。そして後ろ髪を引かれながらキャビンをチェックアウト。車で北へ向かい、Sea-Tac空港の近くのHiltonにチェックイン。夜は伯母さまと伯父さまが美味しいと言っていた、キャピトルヒルにあるヴェトナム料理のレストランにどうしても行きたくて、お願いしておふたりにも来ていただいて4人で楽しい夕食でした。伯母さま、伯父さま、ここは見てないかもしれないけれど、ほんとうにありがとうございました!
9月21日:
ホテルをチェックアウトして空港へ。Aさんはレンタカーを返却へ。私はシアトル、ポートランド(逆戻り)、アムステルダム、ローマという乗り継ぎだったのにくらべてAさんは東京直行だったので私が先にゲートへ行くことになってお別れでした。
9月22日:
私もAさんもそれぞれローマと東京に到着。車を空港にとめていた私はそのままスイスイっと運転して帰れたので楽チンでした。
というわけで以上が今回の旅行のItinerary。記憶が薄くならないうちに続編(詳しく)を書きますので私の家族のみなさん是非気長にお待ちくださいね。

シアトル郊外にて。

Aさんの伯父さま伯母さまのおうちにお世話になっています。プルマンから出てベルビューに寄って、私のパワーブックのバッテリーをついに購入し、Aさんもお洋服をちょっと買って、到着したのは夕方でした。夜にはM伯母さんのおいしいお料理を涼しい外のテラスでいただいて、楽しい夕食となりました。ミニブルスケッタにおいしいチーズ、サーモンのコールドパスタ、フレッシュトマトのサラダなどなど、本当に美味しかった。Aさんはビールやワインなど伯父さんの素敵なセレクションでいただいてすごく嬉しそうにしてました。

今日は朝からちょっと出かけて車で30-40分北にあるアウトレットモールに行ってきました。というのも、私がニンテンドーDSを買ってから手に汗握る脳トレをやっているせいか(やってないけど)なんだかちょっと表面が汚れつつあるので、何かカワイイケースなんてないかなーと思ってネットで見ていたところ、とあるところでコーチのリストレットがサイズ的にぴったりだという情報を見たので、そのコーチのあるアウトレットで安くてかわいいのがあれば、と思ったのです。それで写真が戦利品。伯母さんのゴージャスなベッドカバーもかわいかったのでその上に載せて撮ってみました。これは59ドル。スエードで前面にポケットがついていて、DSがぴったりはいるし、試してないけれどもしかしたら電源コードも一緒にキッチリ入るサイズかもしれません。ポケットには3-4枚ソフトが入りそうです。

それからすこしアウトレットをうろうろしていたら私の好きなロクシタンのアウトレットを発見したので旅行用のボトル入りのプロダクツをいくつか買いました。安いんですよ。そのあとは伯母さんの家の近くのアルダーウッドモールでお買い物。REIに寄ってすっごく小さくなるトラベルバッグをAさんとお揃いで買い、スタバに寄って(また!)フラパチーノを飲んで、伯母さんに頼まれたお買い物をして、と楽しい時間を過ごしました。夜は伯父さん伯母さんに近くのチャイニーズレストランに連れていってもらったのですが、そこがすごく美味しくてつい食べ過ぎました…。北京ダックも餃子もチンゲンサイもすごく美味しかった…。

という訳でシアトルでも伯母さん伯父さんのおかげでAさんと楽しく過ごしていますので私の家族のみなさんご心配なくね。

さよならプルマン

ついにプルマンを去る日がやってきました。Aさんは早起きしてお掃除に余念がありません。その完璧度といったら、私が今からこの家に住みたいほどです。409の香りが漂っていてなんでもピカピカで真っ白で、広々としていてとても素敵な部屋。バスルームも新築のようです。
昨日までにほとんどの荷物を送ってしまい、パッキングも終わりました(といっても私はじーっと座っていただけで全ての事をAさんがやってました)。あとは細かいものをひと箱分つめて終わりといった雰囲気です(これはちょっと手伝おうかなと謙虚な気持ち)。家具もすべて売り終わり(Aさんが)、がらーんとした部屋の真ん中で最後に捨てるはずのスツールに座ってこうしてタイピングしています(これは私)。
昨日の夜はAさんが仲良しだったブライアンとメグのカップルにスウィリーズに食事に誘われていってきました。私は会うのは初めてだったんですがとても素敵なカップルで、Aさんがこんな人達と仲良くしていたのかと思うとちょっと羨ましいくらい。Aさんはさらにヘザーとジェフのカップル(以前結婚式にお呼ばれしたふたり、ヘザーは妹と一緒にローマに来てFAOにも遊びにきてくれました)といつも5人でご飯をたべたり、サヴァイヴァー(リアリティーショウ)を毎週見たり、サッカーをして遊んだり、とかなり仲良くしていたようで、メグが「Aがいなくなるなんて本当に寂しくなっちゃう!」と言ってました。楽しい食事のあとは、イタリアや日本に遊びに来るようなことがあれば絶対連絡してね、と言って手を振って別れてきました。
あと数日シアトルのAさんの伯父さん&叔母さんの家にお世話になりに行きます。シアトルでも忙しいけれどちょっとだけでも遊べたらいいな。