会議が午後の2時に終わって、会議の報告書をせっせと作って、いくつかの仕事メールに返事を書きながらホテルのロビーで外を見ていたら、あまりにもお天気がよすぎて、ちょっと冷房の効きすぎたホテルの中にいるのがもったいない!という気持ちになってきてしまいました。そこでコンシェルジュのお姉さんにきいたら「ロカ岬に行ってきたら?20分くらいよ」というじゃないですか。ロカ岬!私、2007年のクリスマスイブに行ったことがあります。そのときはクリスマスイブなだけあって、行っても本当に人っ子一人いなくて、ツーリストインフォメーションすら閉まっていて(1年の中で閉まるのは2日だけで、クリスマスイブとクリスマスの日だと書いてありました)、でもそれでも美しすぎて結構な時間を過ごしたロカ岬。思い出していたら強烈にどうしても行きたくなって、タクシーを呼んでもらって行ってきました。15ユーロですぐ到着しました。
前回来たときには全くいなかった旅行者たちがたくさんいて、しかも聞こえてくるのはイタリア語がメイン。これって以前にどこかで書いたかもしれませんが、私いつも「なんで、世界中、国や地域を問わず、旅行するところにはいつもたくさんイタリア人がいるんだろう」と常々思っていたのですが、ある日突然その謎がとけたんです。つまり、イタリア人は声が大きい=どこでも目立つ=どこにいてもイタリア語が聞こえてくる、ということ。今回もイタリア人のグループのみなさんが声高にわいわいと楽しんでらっしゃったというわけだったのでした。イタリア人は陽気な人が多いので、見ていて微笑ましいです。すっごく楽しいんだろうな、と思ってしまいます。
前回閉まっていたツーリストインフォメーションに入ってお話を聞いていたら、中の人が「記念に証明書を作っていったら?」と言ってくれました。何の証明書?と聞いたら「あなたがヨーロッパの果ての地に立ったという証明書」と言うのです。写真がそれ。
Certifico que Masami Takeuchi esteve no Cabo da Roca, Sintra – Portugal, o ponto mais Ocidental do Continente Europeu, “onde a terra se acaba e o mar comeca” e onde palpita o Espirito da Fe e da Aventura que levou as Caravelas de Portugal em busca de novos mundos para o mundo.
と書いてあります。ポルトガル語、これはイタリア語の知識だけではさすがに分からない、と思ってあとでグーグル翻訳でもしてみようと思いながら裏を見たら、スペイン語、英語、フランス語、オランダ語、イタリア語、ロシア語、そしてなんと日本語の訳文が書いてありました。さすが日本人!きっとたくさんの人がこのクリーシェなお土産を買ってしまうのでしょう。5ユーロ20セントです。
証明書
ポルトガル国シントラにあるロカ岬に到達されたことを証明します。ここは、ヨーロッパ大陸の最西端に位置し、「陸尽き、海はじまる」と詠われ、新世界を求め、未知の海へとカラベラ船を繰り出した航海者たちの信仰心と冒険魂が、今に尚、脈打つところです。
だそうです。ところで2007年にここに来たときは、このツーリストインフォメーションで、Aさんにはがきをだしたんですが、ツーリストインフォメーションの写真を見る限り、ポストの位置が変わっている!というどうでもいいことに気づいてしまいました。ポストは内側の方に移動し、ポストがあったところにはプラスティック板の案内板が建てられています。でもポストを外した跡もあってそれを発見してなんだか嬉しくなってしまいました。
それにしても世界にはヨーロッパ大陸とアフリカ大陸しかなくて、この先には何があるんだろうと思っていた当時の人々。「地中海」というのはつまりメディテレニアン、世界の真ん中の海という意味ですよね。そしてここは地中海ではなく、ギリシャ神話のアトラスに由来した、アトラス山脈(北アフリカ)の近くの海(アトランティック)。ここを超えると新世界(アメリカ)がある、と伝え聞いたポルトガルの人々の興奮はどれだけのものだったんでしょう。思った以上にホテルから近くて感激しました。行って来て良かった。
大西洋をみながらコーヒーを。
ポルトガルはリスボン(ポルトガル語ではリシュボア)から車で40分ほど西へ行ったところにあるCascais(カシュカイシュ)という町に来ています。すごく下ネタで申し訳ないのですが、聞いた瞬間えっ!と思って絶句してしまう名前のリゾート(Quinta Marinhaという名前です。せめてQuinta de Marinhaというふうにdeが間に入っているのが救いです。ちなみにポルトガル語でQuiは「キ」と発音します)の中に最近できたという、Onyria Marinha Edition Hotel and Tralassoという素敵ホテルです。
ドゥバイから直接飛んだので、昨夜遅くに到着しました。今日の昼の1時から会議開始だったので、ぽっかりとあいた午前中の時間を利用して、約30分の散歩と聞いたので海沿いを歩いてCasicaisのダウンタウンまで行ってきました。写真は途中でヘタれて入った海沿いのカフェ。大西洋を悠々と進むヨットをぼんやり見ながらおいしいミルクたっぷりのコーヒーを飲んで、携帯で日本にいる母に電話して、となんともいえない幸せな時間を過ごしました。でも、こうして素敵なところに出会ったりする度に、強く強く「今私はひとりである」ということを思い知らされることもあるのです。でもそんなの贅沢ですね。幸せだと思わなきゃ。
たった3時間の現実逃避でしたが、お天気も良くてちょっと日焼けなんかもしてしまって、かなりリフレッシュできました。海沿いの露店で5ユーロでターコイズもどきのブレスレットを自分の思い出のために購入したしね。今回たまたま同じターコイズカラーのキャミソールを持って来ているので、今日はそれを合わせて会議のみなさんが参加するディナーに行って来ようと思います。ソーシャライズも仕事のうちですからね。行って参ります。
フリッカーのビデオ機能
先週の木曜日にローマに帰ってきています。仕事のことも含めていろいろなことが一気に起こったためあっという間に1週間が過ぎてしまいましたがふと今月8日からflickrがビデオに対応していることに気づきました。素晴らしいです。ビデオも載せれたらいいのにな、とかなり長いこと思っていたのでかなり嬉しいですね。といっても今までは「flickr以外は面倒でどうせ公開しないし」とあまりビデオを真剣に撮っていなかったので、こんなダメダメなビデオしか手元にありませんが、これはポルトガルはリスボンに到着したその日の夕方にあまりに嬉しくて広場でくるくる回りながら撮影したものです。ぐらぐらしていて質が悪くてすみません。
これからはflickrで家族や友人にも見せることができるようになるので気合をいれて良い感じのものを撮影してみます。ところで私の家族のみなさん、最近とある方からいただいた写真を数点載せてみたので見てみてくださいね。ちょっと面白いかも。
リスボンで長崎を思い出した
港町という共通点なのか、坂の町という共通点なのか、ケーブルカーが市民の足という共通点なのか、それともやっぱり鎖国時代のポルトガルの影響なのか、リスボンの町、とくに水辺を歩きながら長崎を思い出しました。
ものすごく長崎ローカルな話で申し訳ないんですけど、松が枝の埠頭のあたり、最近は美術館なんて出来てしまってすっかり変わってしまったと聞きますが、私が住んでいた90年代前半の、あの大浦天主堂電停あたりの道なんてかなりリスボンでしたよ。電車がどこからどこまで行っても100円なところも、なんとなく同じ(リスボンでは1.30ユーロですが)。そういえば長崎では電車のラインが交差する電停(築町など)で乗り換えして乗り換え券をもらったりするんです。みんなが折り際に「乗り換え券ください」と急いで言うのがおもしろかった。リスボンでは旅行客は1日券(セッテコリンズ)を使い、市民は定期券を使っています。
写真はビカのエレベーター。普通の電車と違ってこれは電車自体に傾斜がついていて、この道を登ったり降りたりするだけなんですが、港側からこの丘の上まで登るのはかなり大変なので便利でした。そういえばこういうのは長崎にはないですね。電車は割と平地を走ります。
今はもうローマに帰ってきていますが、リスボン滞在中の3泊4日、雨が一度だけ夕方にぱらついて、そういえば長崎もこんな雰囲気の日がある、と思って嬉しくなりました(よく考えればどこでもこんな雰囲気の日はあります)。ホームシックなのかなんなのか、目の前に発見のモニュメントやベレンの塔が現れて全く長崎じゃなくなってきた時まで、故郷の熊本と同じくらい大好きな長崎にまたゆっくり遊びに行きたいなと思ってしまいました。全体的に人々がのんびりしていたり、ちょっと田舎くさい鄙びた雰囲気が漂ってるのも長崎っぽいと感じてしまった理由かもしれません。良いクリスマス旅行でした。
ヨーロッパ最西端のロカ岬にて
クリスマスイヴですが早起きして地下鉄、電車、バスを乗り継いでリスボンからカシュカイシュを経由してロカ岬に行ってきました。12月なのに外は20度近く、直射日光に照らされて日中はほとんどを半袖で過ごしました。青すぎる空と青すぎる海と白くかすんだ水平線が作り出す光景は全く持って現実味ゼロで、夢の中にいるようです。
この十字架のついた石碑はすごく大きくて、大理石の板が埋め込んであり、バスコダガマの言葉として有名な「ここに地終わり海始まる」が彫り込んであります。何故だか分かりませんが、この地に立ってこの言葉を読むと不思議に強烈に感動します。
シントラ行きのバスがやってくるまでぼんやり大西洋を眺めたり、旦那さんのAさんにハガキを書いたりして過ごしただけなのにすごく充実したさわやかな気分になりました。本当に行って良かった。