小六月

昨日ローマでは12月だというのに、さんさんと太陽が照って数々の遺跡や教会に反射してとても美しい1日でした。そこで思い出したのが、この秋にちょっとだけ訪れた小諸(写真)。
私の愛読書である「千曲川のスケッチ」は、日本の山国の田舎での暮らし、厳しい冬の日々、ひたすら歩いて移動する修学旅行、などを先生から「君」と呼ばれながらなぞるような感覚で読んでいく本で、その細かい描写はまるで絵画のようで、人生の中で一度も訪れたことのなかった小諸という場所を文章から画像に変換し脳裏に焼き付けることすら可能にさせるものでした。
ちょっとだけ興奮しながら訪れた小諸からは千曲川という名称はなくなり、川にはダムもできていて半近代的な低いビルもあったりして私の想像とは残念ながら違ったものになっていましたが、秋深くなってきていたその時期のちょっとだけ不思議なあたたかな気候が記憶にのこりました。「小六月(ころくがつ)」という言葉を覚えたのはその「千曲川のスケッチ」を初めて読んだ13歳の時です。春の心浮き立つ気持ちとは少しだけ違っても、なんとなく嬉しい気持ちになる秋のあたたかな1日でした。

軽井沢の紅葉

実は先週1週間、日本に帰国しておりました。日本滞在中にお会いした方々、いろいろとお世話になりました。
帰国中のハイライトは、私と主人のAさんと、私の姉夫婦とその娘Mちゃんと5人でそろって軽井沢へ紅葉を楽しみに旅行にいったこと。東京は日中はまだまだ暖かい1週間でしたが軽井沢はさすがに寒くてコートが必要でした。写真は雲場池。週末でしたのでさすがにたくさんの人がいましたがそれでもとても気持ちのよいのんびりした週末を過ごすことができました。巨大アウトレットモールでお買い物もたくさん。
Mちゃんは2歳7ヶ月でおしゃべりが絶好調です。いろいろなことをお話ししてくれて感心したり爆笑したり。久しぶりに仲良しの姉とも長い時間を一緒に過ごせてすごく幸せでした。Aさんとも毎日仕事帰りにいろいろなところに行けて楽しかったし。
私は密かに滝が大好きなんですが、軽井沢でも白糸の滝に行けてすごく良かった。ジョンレノンが通ったというパン屋さんも見たし、モカソフトも食べたし、Mちゃんと一緒に駆け回れたし、大満足です。

銀座でタイ料理

7076242618.JPG火曜日の夜はアメリカで友達になったRと待ち合わせしてお食事してきました。Rとは私が主人のAさんと出会ったころの友達で、あれから13年も経つのかと思うと感慨深いです。滅多に会わないのに突然こうして会っても何も変わってなくていつも普通の会話を楽しくできる貴重なお友達。女優さんみたいに美人な人です。彼女は横浜から、私はつくばからそれぞれ離れているので間をとって東京で会おうよという話になったので有楽町のジムトンプソンのレストラン、Jim Thompson’s Table Thailandに行ってきました。
大人になって思うことですが、この年になるとなかなか友達を気軽に誘ってどこかで飲んだりお食事にいったりすることがだんだん難しくなります。私の年齢だと相手にはキッチリ仕事があったり、家族がいたりするのでスケジュールの調整はもちろんのこと、ぶっちゃけ消費経済(って遠回しに言ってますが、単にお金を使うことですね)も一人の判断ではないということや、当然子供がいたりする場合もあるので夜更かしはできないし、さらに私の場合、特に地元熊本の友達だと男友達のほうが多いのでこの年齢になって特定の男友達と夜遅くまで遊ぶのはお互いよくないし(実は私個人はそうは思わないけれど、やはり遠慮はします)だからといって昼間や夕方が暇かといわれると全くそんなことはないし。
だからこうして一時帰国をするたびに、なんとなーく連絡をとって「会えそうだったら遊んでね」オーラを出すことによって期待するのですが、そんなときに「遊ぼうよ!」と気軽に声をかけてくれる友達っていうのは本当に貴重でありがたいです。Rも忙しいのに「会いたい」と言ってくれて、そして一緒にお食事につきあってくれて本当にありがとう!次回はちょっと足を伸ばして温泉にでも行こうよということになりました。
それにしてもおちついた雰囲気のこのレストラン、本場バンコクのジムトンプソンの家の敷地内にあるレストランと変わらない味に日本の丁寧さ(ドリンクなどとくに)を足した感じでとても良かったです。急にタイで過ごした日々が懐かしくなりました。ジムトンプソンの家には、職場のすぐ近くだったのでシルク商品もお食事にもお茶にも良く通ったことを思い出して一人でキューとなりました。またバンコク行きたいです。

名古屋くいだおれ

連休を利用して名古屋に遊びにいってきました。友人のMちゃんが名古屋に住むようになって3年、彼女が東京に住んでいたときからMちゃんオススメの場所やモノでハズレたことがないので、私は彼女のオススメは全部鵜呑みすることにしています。そのMちゃんが1泊2日の名古屋旅行を完璧にプロデュースしてくれてすっごく楽しかった&そしてなにより全てがすっごく美味しかった!
写真は行く前からものすごく楽しみにしていた名古屋名物ひつまぶし。Mちゃんイチオシのあつた蓬莱軒で開店前から並んでいただきました。食べ方を含めてお食事そのものが完成されたエンターテイメントなひつまぶし、クリスピーなうなぎにあつあつのおいしいごはん、薬味の微妙な混ざり具合や3膳目のお茶漬けなどなど、なにもかもがすごく美味しかったです。
そのほかいったところ:徳川園:美しい癒しの庭園を堪能して園のすぐ外のショップの近くで食べた2粒入りの赤福がすごくかわいくおいしかったです。ノリタケの森:美しい陶器。ボーンチャイナの魅力大全開でした。記念に買ったポストカードがかわいくて大満足。矢場とん:おいしすぎる鉄板みそかつ。手羽先の山ちゃん、よりもちょっときれい目な「山」でのお食事。おみやげに買った虎屋のういろう(今まで食べたういろうの中で一番おいしかった!)、車窓から堪能した名古屋城(+輝くしゃちほこ)、などなど。1泊だったのに濃い旅になりました。横須賀に住む友達のHも前日の夜から名古屋にいてひさしぶりに楽しい話で涙が出るほど笑い合ったりできてそれもすっごく良かった。しかも最後の日は仕事の都合で名古屋に来ていた私の姉も合流して短い時間で一緒にショッピングして姉妹で色違いお揃いのお洋服を2着も買えてそれもとんでもなく嬉しかったです。楽しい時間ってどうしてこんなにあっという間に過ぎちゃうんでしょうね。

お団子の写真で考えた

まだまだウェブをアップデート中です。一部の方にはご不便おかけします。が、単なる個人サイトなのでご勘弁くださいね。
さて写真は夏に日本に帰ったときに、日光の竜頭の滝というところに行ったんですが、思いっきり観光地の観光地にしかないようなお土産屋さんの、かなりさびれている割には売れまくっているお茶屋さんで買ったお団子とお茶のセット。ぜんぜんこだわってない風のみたらしソースと、かなり適当な量のあずきですが、目の前に広がる穏やかな滝(っていうのがあるんですよ)を見ながらのお茶の時間にAさんとふたりしてすっごく癒されました。まさに癒しとはこのことだねぇとふたりで言い合いました。
昨日、元同僚で今は日本の某省にお勤めのEさんから電話いただいたんですが、「ローマの生活は毎日が旅のようで素敵だったけど、日本の生活は実は天国だよ」と言ってらっしゃいました。「質の高い暮らし」とはこのことだと、毎日実感するそうです。そうですよね。完璧な社会なんて世界のどこにも存在しないけれど、日本の社会はそれに実はかなり近い国のひとつかもしれません。一般的に人が良識を持って行動し、何かダメなことがあると問題意識を持って解決しようとし、資本主義とはいえ、そのおかげで便利なものや素敵なものは普及するシステムになっていて、そしてなにより、ちゃんと警察が力を持っている、という日本の社会は本当にいいなと思います。
イタリアはファシズムの暗い過去のせいで警察や権力などがへっぴり腰なのです。ひったくりにあったおばあちゃんがひったくって逃げていく人を指差して、警察官に「助けて」といっても「被害届けをもらってからでないと動けません」と申し訳なさそうに言うイタリア人警官。こんなのはマシなくらいで、肩をすくめて「僕に何ができるの?」という人すらいいます。あきらめるしかないこの社会。
なんてお団子の写真ひとつでいろいろと考えてしまいました。でもね、なんだかんだいってもローマはローマ。明るいイタリア人もいっぱいで楽しいことも素敵なものもいっぱいあるのです。