[2015年3月に書き始めたエントリですが、忘れていたので8月になってからアップしています] 私の熊本の両親は、父が1945年の1月生まれ、母が同じ年の4月生まれで、学校の学年こそ違えど年を通してほぼ同い年です。終戦の年に生まれた二人は当然ですが、戦後70年の今年共に70歳の古希を迎えました。両親が今年古希を迎えることは、言ったら生まれたときからわかっていたことですけれども、娘の私がそわそわしはじめたのは約1年半前でした。私は情けないことに、こんなおばさんになってもまだ、両親にこれといった恩返しをできていないんですね。かといって今更何をやったところで、今まで両親が私にしてくれたことに比べたら一生かけて恩返ししようとしてもまったく追いつかない。それでもやっぱり古希はお祝いしたい。ということで夫と姉夫婦にも相談して、両親に希望を聞いてみよう、ということになりました。
2回の帰国
前の更新からすっかり時間が経ってしまいましたが、この間2回、日本に帰っていました。1回目は10月で写真の戻り鰹を堪能。写真のタレのお皿と塩のお皿と両方味わいましたが両方とも最高でした。鰹ラブ。
そして帰国の2回目は11月で、こちらは仕事で帰ったので、そこまで本気では遊べませんでしたがなかなか充実した帰国でした。これは前々から決まっていた出張だったにもかかわらず、なぜか夫婦ふたりとも旅行前になってやっと気付いたんですが、主人のAさんも同時期にフランスに出張という、夫婦でヨーロッパと日本との、大それた行き違い出張ということになってしまっていてふたりでびっくりしました。私が日本に到着してから3日間だけは主人が日本にいたものの、私は到着翌日からフルで仕事ということでそんなに夫に会えず、ぎりぎり一緒に朝食をとったり、仕事からダッシュで帰って遅い夕食を一緒にしたり、というような日程になってしまいました。でもそれはそれなりに楽しかったんですけどね。Aさんがフランスに行ってしまってからは仕事に集中できたので、実はよかったのかもしれません。で、この機会に、とばかりに、お友達で東京在住のMちゃんと毎日のようにランチしたりディナーしたりして楽しかった。私が東京のことを何もしらないのでMちゃんに完全にお任せして言われるままにレストランに向かう日々だったのですが、それがどれもこれも美味しくて素敵で便利なところばかりで感激しました。レストラン探したり予約したりって実はものすごく大変なのはよくわかっているので、そんな大変なことを完全にお任せしてしまって申し訳ないという気持ちでいっぱいだったにもかかわらず、Mちゃんセレクションがあまりにも最高だったのでキャーキャーと喜ぶばかりでちゃんとお礼を言えていたかよくわかりません。ここで失礼して、Mちゃんどうもありがとう!
その中でも、出張先だった霞ヶ関の近辺で、最近再開発が盛んな虎ノ門の、虎ノ門ヒルズに9月くらいにオープンしたという、ピルエットさん(ビストロ+カフェ+エピスリーだそうです)が最高だったのでメモ代わりにご紹介です。イタリアに住んでいると外食の感覚が麻痺してしまうのか、この雰囲気(ビストロなのにほぼファインレストラン的な雰囲気、テーブルクロスはありませんが)、最高のサービス(日本はどこでも最高ですよね)、お食事の質、味、などなどをイタリアのそれもローマで体験しようとすると、ディナーで私のように食前酒、ワイン2杯(あるいは1杯にデザートワイン1杯など)メイン、デザートにコーヒーという組み合わせにすると普通に150ユーロから200ユーロくらい(2万円から2万5千円)はするんですよね。それなのにもともとのコースが5、6千円って!と思ってお会計のときにぎょっとして思わず「やすい!」とつぶやいてしまって、いや価格として安いんじゃなくて得るものに対して、という意味だったんですがMちゃんに「みみちゃん(Mちゃんは私をこう呼びます)、小声で!」と注意されました。いや普通に5、6千円は私にとって大金ですが、単にイタリア価格との比較という意味だったんです。失礼いたしました。
食材もすごく厳選してあるし、シェフのみなさんもオススメのお料理をとても丁寧に教えてくださって本当に素敵なところでした。おいしそうなイチジクをスっと切ってらしたのを、本当に穴があいてしまうんじゃないかというほど見つめていたら、渋抜きした上品な甘さの柿と一緒にサービスしてくださって大感激でした。平日だったので、私たち2人でうっかり調子に乗って長居してしまったんですが、それでも嫌な顔ひとつせず最後の塩キャラメルのミルフィーユとエスプレッソまでしっかりと完食した私にもみなさんにっこりしてくださって、本当に素敵でした。いやぁもう、虎ノ門ってあんまり夜行くエリアではないですけど、絶対、必ず、また行こうと思います。
京都にて
前回も書きましたが、6月に一時帰国して、京都でちょっとした仕事があったので行ってきたんですが、すごく楽しかったので書き留めておこうと思います。私のアメリカ人の友人VとS夫婦をご案内という形になった京都旅行でしたが、夫のAさんも同行、義理の両親も大阪から参加、という形で3夫婦で楽しい楽しい1泊2日となりました。私は仕事で抜けたりしたのでずっと一緒にいられなかったのですが、それなりに十分満喫しました。写真は夜のお食事の一部。沢ガニをまるごと揚げてあって、VもSもびっくりです。ぱくっと足を食べて、ライスクラッカーみたいな味ですよ、と言ったら、え!と絶句したあと恐る恐る食べて、本当ねーと感心していました。
東京から京都まであっという間に到着したので、そのあと金閣寺、龍安寺と行きたかったんですが、何しろゆったりとしたVとS夫婦、日本式の足早観光はまったく合わず、金閣寺のみで嵐山へ移動し、そこから天龍寺で枯山水と竹林を散策したあと、旅館へ移動、というコースになったのでした。6月の京都にしてはすずしく、乗ったタクシーの運転手さんもサービスが良く、こんなにキレイで清潔なタクシーには世界中でも乗った事がない!といって驚いていました。確かに。どんな国にいっても、フランスでもイタリアでもタクシーの運転手さんはナイスではありますが、ちょっと車は汚く、汗くさい時もよくありますよね。運転技術はありますがマナーはないといった感じなのが世界共通じゃないでしょうか。日本のタクシーの運転手さん、帽子かぶって手袋までしてることも多いし、車にはレースの飾り(?)までついていることも少なくないですよね。
こちらがお宿の様子。全体的に和、というものを強調してありますが、内装としては和モダンでした。至れり尽くせりのサービスで本当に感動しました。いろいろなアクティビティもあって、朝からお茶会入門に参加したりして、みんなでお茶屋さんに行く心の準備ができたね!と喜び合いました。お茶屋さんには結局行きませんでしたが。京都って本当に奥深くて、よくわからないところがいいですね。私も何度行っても、あまりに日本人らしくない自分を反省したり、もっと学ばなくっちゃと新しい気持ちになったり、といろいろと考えることが多いです。
枯山水について説明をしよう、と思ったんですが、それなりにいろいろとグーグル先生に聞いてみたものの、今いちこれだ!と思える説明がないので、我流で”Expressing water without water”的なことを言ってみたら、もともとZen gardenだとかDry landscapeだとかのコンセプトが分かっている二人は、「おおお!」と納得してくれました。いろいろもっと深い意味があるんですけど、全部説明してると3日くらいかかりそうなので、あとはいろいろ調べてね、と言って終わりにしましたが、私の方があとでせっせと調べてほほーうと思う結果となりました。深いですね。枯山水。
この旅館は実は渡月橋あたりにある船着き場から小さな船にのって上流まで行ってからのアクセスとなる旅館なのですが、このお船も風情があってすごく良かったです。川はおだやかだし、嵐山の景色は素晴らしいし、新緑がこれでもか!というほど緑色でいい香りで、日本っていいなと心の底から思いました。
日本では実は自分の休暇ではなく、こうしてVとS夫婦をいろいろなところに連れて行くというような休暇になったので、ちょっとした仕事ぽくなってしまったんですが、この機会に箱根で富士山を見れたし、私も知らなかった東京を満喫できたし、といろいろな発見がありました。
ふたりがどうしてもどうしても、数年前に会った私の姉に会いたい、というので忙しい姉に懇願して無理に時間をつくってもらって、姪と甥にも都合をつけてもらったりして、本当にいろいろとありましたが、こうして細かいことをひとつひとつ心にかけてくれるお友達というのは本当にありがたいです。私もふたりのように、優しい人にならなくちゃと思いました。こうやって、おふたりは希望をはっきり言ってくださるので、一瞬、困らせられてるような気分になったりもしますが、実は、よくよく考えると、困らせようとしているわけではなく、結果的に私が勝手に困った気分になっているだけであって、ふたりの心の底には、本当に優しく温かい想いしかないんですよね。
日本的に考えると「人に迷惑をかけてはいけない」「時間をとらせてはいけない」「こんな時間に迷惑かもしれない」とかいろいろと「察する」文化があって、それはそれできっといいことなんですが、根底にある気持を慮るというのも、実は大事なことだとハっとしました。いろんな人がいろんな想いで生きているとは思いますが、その想いがさまざまな形で表面に出るので、「図々しい人だ」とか「いろいろおせっかいだ」とか「気遣いがたりない」とかの評価が出てしまうこともあるかもしれませんが、結局一番重要なのは、なぜそう言うのか、なぜそうするのか、という一番「底」の部分の気持ちなので、そこさえブレなければ、私だって本当に優しくなることは可能じゃないかなと思えるようになったので、今回はそれだけでも自分にプラスになりました。こんな年齢になってこんな基本的なことを今更学ぶなんて、人間ができてないなぁと反省しきりです。
というわけでいろいろと考えた日本での休暇でしたが、とにかく京都、楽しかったです。お義父さま、お義母さま、おふたりが京都に詳しく、いろいろとパンフレットなど英語のものを探して渡してくださったのが本当に嬉しかったとVがいつまでも言っていました。こんなところで失礼しますが本当にありがとうございました。夫のAさんも忙しいのに本当にありがとう!
築地にて
日本で10日間の夏休み中です。とはいえ、今年は私は大量の夏休みをいただいていて、まずはスコットランドのエディンバーグで5日(と週末)、日本で4日(と2週末とフェラゴストの休みを混ぜるとトータルで10日間)、あと8月の最終週にフィレンツェで5日間、9月の半ばに5日、と休みまくりです。今回の日本では、バケーションで遊びにきてくれた友人のイタリア人とアルゼンチン人のカップルのおもてなしに2日間つかったんですがその一環で築地に行ってきました。こんなこともなければ早朝の築地になんて滅多にいかないと思うんですが、すごく楽しかった。まず、私は外国人観光客を甘くみていて、5時に受付開始というまぐろの競り卸売りの無料ツアーは4時に行けばまあ大丈夫だろう、と思っていて、もしかしたら4時半でも大丈夫と思っていたんですが、同行してくれたAさんが、「いやぁ週明けだし、お盆の週だし、3時半でしょ」と言うんですね。3時半って朝じゃなくて夜じゃん、と思ってみんなで話し合った結果、間をとって3時45分ということになりました。それでも「早すぎだよー」と私は個人的に考えていたんですが、最終的には遅過ぎるよりはいいでしょうということになりました。
Continue reading “築地にて”今更ですが、スカイツリー。
この記事を今こうして書くと、私はまだまるで東京にいるみたいですが、実はローマに帰って来てからもう3週間が経過しています。8月に私のごく近いイタリア人の友達カップル(彼氏はアルゼンチン人ですが)が日本に遊びに来てくれることになっていて、スカイツリーに行きたい、と言ってくれたのでチケットなどを手配したものの、私自身が行ったことがないと案内すらできないなと思って5月の晴れた日に行ってきたのでした。近くで見るスカイツリー、キレイです。
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