ブータンの城塞、雪峠、石風呂、そして織物

IMG_9799
Full album is available at Bhutan Mar 2020 | Flickr

今日は2020年3月上旬に(また)行ったブータンのお話です。上の写真はブータンの国際空港があるパロという街のホテルの敷地内から撮影したものですが、遠くでライトアップされている大きな建物が「ゾン」と呼ばれるいわゆる城塞です。ブータンではそれぞれの行政の単位をゾンカ(正確には「ゾング・カグ」と書きますが聞いているとゾンカに聞こえます)と読んでいて、この辺りはパロのゾンカ、つまりパロ行政地域となっていて、このゾンがその庁舎というわけです。庁舎といっても、そもそもは僧侶たちが仏教抗争の末、身を守るために建てたものであるので、過去には要塞としての意義の方が大きく、周囲を見渡せ、攻撃も受けづらいようなところに建っていることが多いわけです。そしてもちろん、僧侶が使うところであるので、たいていのゾンカは行政の部分(庁舎)と宗教の部分(地区の総本寺)を合わせもっていることになります。

Continue reading “ブータンの城塞、雪峠、石風呂、そして織物”

ドチュラ峠

Untitled
Full album is available at Bhutan July 2018 | Flickr

この写真は2018年の7月にブータンのドチュラ峠で撮影したものです。バンコクに赴任してからというものご縁があってブータンの美しい景色に頻繁に触れることができています。この峠は時期と時間によって完全に霧がかかっていたり、このようにふんわりと白っぽくなっていたり、すっきりと晴れ渡っていたりと、訪れるたびに違う表情を見せてくれます。峠なので晴れているとヒマラヤ山脈が240度くらい見渡せるので素晴らしい写真ポイントでもあります。

Continue reading “ドチュラ峠”

久しぶりのブータン

Zhiwa Ling Hotel, Paro, Bhutanバンコクから乗り継いで到着したのはブータンだったのでした。今回は空港のある町、パロで会議に参加させていただいています。ブータンは相変わらずとても美しく、地に足が着いた国という印象です。会議の内容を聞いていてもそう思います。確かにいろいろな面で開発途上ではありますが、「開発とは何か」という、私のいる業界では気恥ずかしいような根本的な疑問が毎日のように心に浮かんでしまう不思議な国です。さて写真はホテルの中です。私は3階のお部屋なのですが(お部屋からの景色はこちら)その階の回廊の端にあるシーティングスペース。先に転がっているのは昔ながらの柱だそうです。ホテルのいろいろなところに大きな昔ながらのお米の貯蔵箱や、今も村などで使われている大きな銅の水桶などがインテリアとして使われています。私は実はこのホテルは2回目で、なんだか懐かしい気すらします。2006年からの友人達も相変わらずで、まるで昨日まで一緒におしゃべりしていたような気がするくらい。

Continue reading “久しぶりのブータン”

高僧を乗せて飛んだ虎の巣(ブータン)

Bhutan 2007
Full album is available at Bhutan/Thailand/Malaysia Dec 2007 | Flickr

先日、ブータンの国王陛下と妃殿下が日本にいらしてかなり素敵だったと多方面から聞いて、ブータンでのすばらしい経験をまた思い出している日々なのですが、足腰が弱く、すぐにヘタレる私にとって、かなりの苦しい山登りであったパロ(という地域、町にはこの国唯一の空港があります)のタクツァンというお寺に行った貴重な経験をここで紹介していなかったなと思って、写真を公開することにしました。

Continue reading “高僧を乗せて飛んだ虎の巣(ブータン)”

ブータン・インドの国境の町から

Phuentsholing, Bhutan

ブータンに来ています。先週末は7時間ほど首都のティンプーから南へ、ボコボコの道を、ボヨンボヨン(まさにそんな感じ)と車で飛び跳ねながらドライブして、フンショリン(とブータンの人々は発音しているように聞こえますが、実際のスペルはPhuentsholingです)という国境の町に行ってきました。ここは自由交易の町なのでインド人とブータン人は気楽に行き来していてパスポートチェックすらありません。ただやはり検疫(植物や動物、食物など)はしなければいけないので、私が今一緒に仕事をしているオフィサーはここでの仕事を私たちに見学させてくれたのです。

Continue reading “ブータン・インドの国境の町から”