ジャグジーから見える亜熱帯ガーデン

快適なタイ航空の旅を終えてバンコクにやってきました。最後にこの街に来たのはもう2年も前。昔研究をしていたカセサート大学のすぐ近くのこの大きなホテルにチェックインすると、マスターバスルームがシャワーとジャグジーに分かれていて、ジャグジーからはお庭が見えるというかなり癒される設定で、自分でもびっくりするくらいほっとしました。というわけで、いつもは窓から見える景色を載せるんですが、今回はちょっと変形でバスルームから微妙に見える窓の外を。
時期的にはロイクラトンが終わったころでしょうか、わりと落ち着いた町の様子でした。ホテルがバンコクの中心部からかなり北の方にあるからという単純な理由かもしれません。気候も暑くもなく寒くもなくという完璧な気候。湿度は相変わらず高いんですけれどね。
さて会議は明日からということでさっきまで私のレクチャーの最終稿を調整していました。今回はClimate Changeつまり気候変動が及ぼす食品安全のリスクについてお話します。全体像(マクロ)をつかむのは難しいトピックですが、マイクロで見てみると「気候変動が」というよりは「気温の恒常的な上昇が」ある特定の食品安全トピックに及ぼす影響は確実なものがあるのです。それにFAOはどのように対応していくのか、どんなストラテジーがあるのか、といったところです。これは個人的にも、現在かなり深く関わっているプロジェクト的にもとても重要なトピックであるため気合いが入ります。
夜はバンコクに住んでいた頃の友人や共同研究をしていた教授達と会ってお食事してきます。時差ボケが結構響いているような気がしないでもないですが、今日中になんとか克服してしまおうと思っています。

パリのホテルの窓から

出張でパリに来ています。昨日の夜更けに到着したのですが、窓から外を見ると珍しくいい景色が広がっていたので、恒例のはずだったホテルの窓からの写真をとってみました。空港から直接タクシーで来たので、正直言って今自分がパリのどこにいるか分からない状態になっていますが。噴水広場がキレイです。
それにしてもお気づきの方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、去年の9月に仕事内容が微妙に変わってから少しずつそれまでの仕事を少なくしてきたこともあって、今年に入ってから急激にアフリカ、アジアへの出張が減ってきました。それらの地域の出張があったとしても、内容が会議への参加だったりして今までの過酷な気配のミッションからはかなり遠ざかっています。
個人的には、実はどんな出張でも気づかないうちに体力を非常に消耗しているし、食生活をコントロールしづらいこともあるし、ヨーロッパであろうともアフリカであろうとも、あまりに多く出張に出るのはつらいなと思っていたのですが、月に2回のペースだった出張が月に1回程度になった今は非常に充実しやすくなっていて、生活も計画的になってジムに通う事もできるようになったし満足度があがりました。ただ、今までは直接政府のみなさんと一緒に仕事をして共同体のような形で食品安全へ取り組んできたのが、今はどちらかというと枠組みを話し合ったり各国間での合意をとったりといった机や紙の上での仕事が多くなってきたのでそれは少しだけ寂しい気分もします。ですがよくよく考えるとそれはただの役割分担であって、どちらの仕事も非常に重要なので広い意味での仕事の意義は変わっていないのですが。
今日はナノテクノロジー関係の会議の第一日目です。方向音痴がつらいのでちょっと早めに朝食をとってホテルを出よう。

ボツワナより

なんだかつまんない写真ですみません。恒例なのでホテルの部屋の窓から撮ってみました。奥に見えているのはプールとバーです。さきほどここで南アフリカからのコンサルタントの女性とお食事してきたところ。夜はいい雰囲気になってました。
さてボツワナはかなり発展していて南アフリカの発展具合と変わらない雰囲気です。ホテルもかなりキレイで素敵。今回はリスクアナリシスのワークショップをUniversity of Botswanaと一緒にやるために来ているのですが、前回マレーシアで行ったワークショップにかなり近いものがあるのでちょっとだけ気持ちに余裕があります。
それにしてもまた長い旅でした。日曜日の夜の7時にフィウミチーノ空港を出てフランクフルトへ飛び、そこからヨハネスブルグまでのナイトフライト。月曜日の朝に到着し、午後にボツワナまで飛んできました。ボツワナは首都のGaborone。英語だとガボロンと言いますがイタリア語だとガボローネ。現地の人はハボロネということが多いので大混乱します。日本語でもハボロネかな?日本語のカタカナ外来語はオリジナルを使うことが多くていいですね。
というわけで明日は早朝のミーティングなので、仕事はそこそこにして早起きします。ローマはここ2、3日ほど凍えるほど寒くなっていたので、突然30度を超える日を迎えて混乱してますが、ラッキーだと思うことにします。いつも通り、体調には気をつけますので家族のみなさん安心してね。

マラウイ

ガンビアを離れ、セネガルでもう1泊したあと、昨日の夕方ダカールを出てマリにあるバマコを経由してケニアのナイロビへ飛び、今日ナイロビから南へ、マラウイは首都のリロングェにやってきました。
とにかく飛行機はいちいち遅れるし、時差はそんなにないのに飛行時間はしっかり長いしで、かなり疲れてしまいました。ダカールからはコンサルタントで友人のアメリカ人のLと一緒だったのですが、リロングェに到着して飛行機のタラップからおりてきた彼女を、先におりていた私は迎えてみてびっくり。もともと白人なのに、遠目ではっきりとわかるほど顔色がまっさおになっていて、たくさんの冷や汗をかいていて、それはもう、本当に苦しそうなのです。「どうしたの?」とびっくりして聞くと今まで感じたことのないような胸が締め付けられるような痛みがあってありえない胸の不快感があるのだと言います。息苦しく、肺が小さくなってしまったような感覚すらあると。それを聞いて私の脳裏に「心筋梗塞」の4文字が。そこで私も非常にあわてて、入国審査のところのカウチにとにかく横に寝せて、安静にしてもらったあと、横にあった健康診断室にかけこんで「ちょっと彼女の脈と血圧と体温をはかってあげてください」とお願いすると、やはりここは途上国、のんびりした看護士さんが出てきて時計をみながら手で脈をはかっただけでした。ここには体温計も血圧計ないのか!と愕然として、とにかくカウンターパートに会ってお医者さんに連れて行かなければと焦りました。駆け込むようにしてチェックインしたホテルに荷物を置いたあとすぐに国連と契約のある病院へ電話したのですが、土曜日なので閉まっています。それで国連ドライバーのウィリーさんに「なんとかならない?」と聞いたら知り合いに聞いてみる、といろいろなところに電話してようやく開いているクリニックをひとつ探し出しました。
そしてそのクリニックに行ってみて、今度は私が真っ青。あまりにも映画にでてくるような「アフリカなクリニック」で、衛生面が非常に気になります。救いは英語がきちんと通じることだけで、フラフラになっているLを支えて診察室へ向かうと、ありがたいことにそこには血圧計も体温計もあって本気でほっとしました。そしてはかってみると、脈はかなり速くなっていましたが、ほかは異常なし。
でも心電図やレントゲンなんかの設備がそこにあるわけはなく、とにかく南アフリカ出身のドクターの問診だけで、「まあ大事に至るような状況ではないでしょう」という診断で、痛み止めを出してもらっておわりでした。大丈夫なのか?と私は非常に心配でしたが、Lは「いざ大丈夫といわれると大丈夫な気がしてきた」といい、ちょっと気分もマシになったようなので私もちょっとだけほっとしました。それからホテルで今安静にしてもらっています。ルームサービスを頼んで、私は個人的にいつも出張にはマルチビタミン剤とカロリーメイトを持ってきているので、食欲がないという彼女にそれを摂ってもらって、水分をたっぷり与えて、それでもまだ痛みが続くならあとでアスピリンを飲むといいね、と話していたところ。こういうときって私は栄養学の知識しかないのでいったいどうしたらいいのかさっぱりわからないので不安です(これを見ているお姉様かお父様、こういう場合はどうしたらいいのか今度教えてね)が、今のところ30分おきに彼女をチェックしているところ、だんだん気分も良くなってきているということで一安心です。
そして今になって部屋でインターネットがつながることがわかってこうして恒例の「ホテルの窓から」シリーズの写真をとる余裕がでてきました。マラウイは雨のシーズンでずーっとしとしとしとしとと、雨が降っています。中央アフリカは赤土で飛行機から見るとまさにアフリカの大地なのですが、南に飛んでくると雨期のおかげで全てが緑色で本当に美しいです。週末はホテルでゆっくりして来週から仕事です。Lがはやくよくなりますように。

ガンビアでのお仕事

今回の出張先であるガンビアという国は、この仕事をしなかったらいつまでもどこにあるのかを知らないままだったかもしれないと思う(申し訳ない)国のうちのひとつ。実は大西洋と国境をすべてセネガルに囲まれた英語を話す西アフリカの国で、その昔イギリスの植民地だったところです。今はベストシーズンということで、日中は暑いのですが気温はせいぜい27度程度までしかあがらず、朝夕は肌寒いほど。でもブリーズ的な気持ちのよい海風が常に吹いていて、夜はふと見上げると満点の星空で本当に「良いアフリカ」を実感できる国だと思います。
今回のガンビアでのお仕事は今まで日々コツコツとやっていた小さな食品安全はもちろん、Plant & Animal Health(これってなんて訳するんだろう)も含むプロジェクトがフェーズ2を終了しそうなので、そのバックストップです。3月までに全ての細々したアクティビティを終えて、その次のステップにつなげていこうと思っているのです。それでコンサルタントを派遣していたのですが、彼女と一緒にこれからのロードマップについて議論、翌日に50名の参加者を迎えた会議に1日参加してさんざん議論、という議論づくしの滞在でした。

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